【完結 R18】ほかに相手がいるのに

～杉崎～

男女

「…もっとだ…もっと、脚を…そう、開け…はあっ…くっ…」

                      男の低い声…

「…や…や…もう嫌っ…ああ、お願い…もう…んンっ…やめ…あ！っ…んっ」

ベッドの上で、絡み合う二人、軋むベッド…

男が女の両脚をこれ以上ないほどに開き、白い内股を押さえつけるようにして、己のいきりたつそれを女の中に何度も…何度も打ち付ける。

「あんっ…ん…や…ああっ…！そこ…やだ…んっ…」

女は嫌だと小さく叫びながらも、首を左右に振り乱しながら、淫らな声をあげる。

「ここ…ここがイイのか…？な…いい…んだろ？…言えよ…ほらっ…、っく・・・」

あやしげに女に問いかけながらも、
　　　　ますます激しくなる男の腰の動き…

ズッズッ… と、

…そんな音が聞こえてきそうなほどに激しく、自分の堅い楔くさびを女のそこへ打ち込み、女を喰い尽くすような勢いで、抱く男…。

…誰だ…

　　　　　　　　　　

　　　　　　　　俺…か…？

「あっ…あ…ん…ン…」
やがて、
　いやだと喘いでいた、女の声色が変わる…。

男は敏感に、女の変化を感じ取る。
　　　　決してその変化を聞き逃さない…。

「ここ…だな…もっと深く…いくぞ…っ…」

欲情したような上擦った声で女に囁きかけ、
さらに、女の腰を、逞しい腕で抱え込む屈強な男…。

　　　　　ズン…     
　　　　　　　「あっ！…んう」

突然、奥深くまで、貫かれた衝撃に悲鳴をあげる女…

「や…もうだめ…嫌…や…やめっ…んん…」

「嫌じゃなくてイイ…んだろ…？ほら…なっ…くっ」

パンパンと…男女の皮膚が擦れる音…

「あっ…いや…だめっ…ああっ…」
女が身をよじるようにして喘ぐ…
　　　　男の広い背中に、爪をたてる。

「もう…だ…めっ、いっちゃう…いや…ぁ…イク…ん…だめっ…あっ、あああっ…ンぅっ…」
　小さく叫びながら…嫌だと…言いながらも…

女は男の尻に、細く白い脚を…蛇のようにからめ、締め付け…さらに深くなる男女の結合…

「あああっ…っう…、くっ！！」

「ああぁっ…！　は…、はっん…  …」

男の低い唸り声と共に…
　　　　　女が…淫らな声をあげる…

男の熱いものが女の中に注ぎ込まれ…

　　やがて、男女の営みが終わりを告げる。

抱き合ったまま…

徐々に弛緩していく…男女の身体…。

「…はあ…好きだ…」

「…わたし…私も… ああ…身体がまだ変…あぁ…」


誰だ……誰だ…？

さっきまで、顔の部分だけが見えていなかった…

段々と明るくなり…男の顔が…


　　　　　　　　拓海だ…

女の顔が…   もう少しで・・白くて細い…

まさか…まさか・・・

　　まだ、彼女は、拓海のことを…



… …      … …


「…や…さん…修哉さん…！　起きて…」

違う女の声に導かれて、目を開けると…
　
そこには、

　　バスタオルを巻いた智花が立っていた…。