【完結 R18】ほかに相手がいるのに

〜彼氏〜

人形

ああ…苦しい…やっぱり、無理だ…
私はこの行為が…あれから何年も経った大人になった今でも、やっぱり苦手で…　
今すぐに吐き出したくなるくらいに…気分が悪い…。　ああ　　いや…　どうしよう…

「んっ…ん、」…途中で少し…休憩をするかのように、動きを停止する…まだ、奥には…進めていない…
拓海のそれはあまりに逞しく立ち上がっていて…本当に苦しい…もう、いっそ…苦しくて嫌だと言ってみようか…

頭をよぎる拒否のメッセージ…。

「ふ…く…　はぁっ　…葉月…いいぜ・・もっと…奥まで…咥えてくれるか…？　ああ…」

「ん…ン…　…　ふ…拓…海…　」私はいったん、唇を離し…拓海を見る…。

「ねえ…ごめんなさい…もう、　苦しくて…やっぱり…これ以上…は…無理…かも…」
弱々しい私の発言…なぜ、もっとはっきり拒否の言葉を…言えないのだろう…。

「　…　はぁ　…？　もう少し…だけ、我慢できねぇ…？滅茶苦茶、気持ちいいんだよ…な…頼む‥・もう少し深く…咥えて…」

拓海に髪を撫でられ…やはり自分本位で、嫌だと言ってやめることが出来ない…駄目な私…。

「…う…　ん、…わかった…も…少し…だけ…」

「んむっ…　ん」私は再び、大きくて堅いそれを…口に含んでさらに…奥へ飲み込むように努める…。

その…拓海のモノの圧倒的な質量に対して…喉の奥からせり上がってきそうな吐き気と…頭の奥の…鈍い痛みに耐えながら……舌を…なんとか、這わせる…。

「　はっあ…　いい…　うまいぞ…葉月…はあっ…は…く…やべ…　ちょっと、ごめん、動かすな…？」

「んむっ…！？　…んっ…んンっ…！！」

突然、拓海に後頭部を押さえつけられ、さらに深く…口内にそれを挿入されるような格好になる…
奥の粘膜を拓海の切っ先で突かれた衝撃に、一瞬、言葉を失う…。

拓海がそのまま…腰を、私の…拓海のモノを咥えたままの口にめがけて、ゆるゆると押し込むような動作を…始める…。小さな摩擦が…生まれ…表面もぬるぬると濡れていて、気持ちが悪い…。

何より…なんだか嫌な気持ちが…胸いっぱいに広がる…。

いや…いや…　何、これ…　あ…あ…　苦しくて…気持ち悪い…
　
頭を拓海に動かされ…、私は…まるで、何かの道具か、人形に…なったような…気分になる…。　　

拓海は…もともと、こんなことをする男、…だっただろうか…　　

「んっむっ…んんっ…　はっ…拓…苦しっ　　ん…」
咥えたままで、なんとか拓海を見上げると…舌舐めずりをして、私の口元を凝視しながら…うっすらと笑っている拓海と、目が合う。

なぜか、その表情に、ゾッとした…


　拓海…　…？　どうしちゃったの…

　　　　　　　　本当に…

拓海が、ゆっくりと口を開く。
　
　　　　「葉月…　下、脱いで…　」

低い声で、そう、囁くのが聞こえた…