【完結 R18】ほかに相手がいるのに

もえこ

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~二人~

欲望

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拓海は土曜日の夜、

…既に何度も拓海に貫かれて力を失いかけた私の身体を…さらにうつ伏せにし、後ろからも抱いた…。
何度も何度も…拓海の逞しいモノで突き上げられた…。
行為の途中に…痛いからやめてと何度も止めたにもかかわらずやめてはくれず…拓海の性欲は、とどまることを知らなかった…。

女として、とても恥ずかしい姿…四つん這いにされ、後ろから体重をかけるようにして挿入され…何度、拓海の激しい動きによる痛みと摩擦に悲鳴を上げたかもわからない…
最後は完全に寝そべったままの格好で、貫かれ…中を刺激され続け…もはや、声も枯れてしまった…。 

もう… 本当に、自分の中の…感覚がなくなるくらいに…突かれ続け…結局私は失神するように、そのまま眠りについてしまった…。

拓海が最近…少し…どこか…何かが、おかしいのはわかっていた…。
セックスが…違う…
私たちが遠距離恋愛を始める前の、拓海の…セックスとは絶対に、異なる… 

これは女の直感だ…

拓海は恐らく、九州に…彼女…
いや… もしかしたら、身体だけの遊び…のような、関係かもしれないが、そういう人が…できたに違いない…。

そうでなければ、あんなふうに…数年ぶりに口でして…とか…、
前に絶対にしなかった体位…も沢山…胸やあの場所への愛撫も…あまりにしつこく、丁寧過ぎて…絶対におかしい…

きっと、そう…なのだと思う…。


でも…一番おかしいのは私だ… 
そうだとわかっていても…
  今はもう、何も…気にならない…。

むしろ、拓海にそんな人がいて、良かったと…そんな風に思えてしまう自分が、確かにいた…。

自分が杉崎さんとしていることの罪悪感から逃れたいという一心で、むしろ拓海が私を裏切ってくれている方がいいと…そんな、ずるい考えが私を支配している…。

私はもう…
 杉崎さんにしか…興味がないのだ…。

      杉崎さんが好き… 

優しい笑顔と…いつでも包み込んでくれるような、頼りがいのある大人の、男らしさ…。
拓海よりは細身だけど…程よく筋肉がついた引き締まった体躯…広い肩幅…
浴衣からのぞいた白い首筋と鎖骨… うっすらと割れた腹筋… 

杉崎さんの全て… 

   心も…身体も… すべてが、欲しい…。

早く、キスしたい、
  …触って欲しい…私の全てに… 
       早く… 私のすべてを、何もかも、奪って欲しい…。

拓海のことは、もういい… 

いつから私は…こんなにもひどくて…淫乱な女に…成り下がってしまったのだろう…。

 … キー…ンコーン… カー…ンコーン… … …

始業のチャイムがなる…。

「さっ…時間だ…皆さん、朝礼、…はじめマッスルーー …!」

主任のいつもの寒いギャグが、右から左へ…いつも通りに流れていく…。


「今日もがんばろ…」いつの間にか部屋に戻ってきていた杉崎さんが優しく声をかけてくれる。

       「はい…!」

私は内心に、女の淫らな気持ちを抱えながらも、明るく返事をして立ち上がった…。
 





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