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~杉崎~
記憶
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ある日の夕食時
「修哉、来週から家庭教師の先生に来てもらうことにしたから。」
高校2年にあがってからほどなくして、母親に突然、言われた一言だった。
一瞬。耳を疑った。
「え… ?? なんで…?いきなり…」
「なんでって…来年受験でしょう…?今も悪い成績じゃないけど、1年の時と同じ勉強量じゃ、全然足りないわ…
このままじゃ、いい大学に入れないわよ …後で、お父さんになんて言われるか…」
「… 大学… なんて、まだ先の話じゃない…?
今、高校の授業でも全然困ってないし、いらないよ、家庭教師なんてさ… 」
家庭教師なんてわずらわしい…正直に言うと、俺はそう思った。
「修哉、もう依頼してるのよ…いいから来週、一度だけ試しに受けてみて…お願いよ…それで嫌だったらやめてもいいから…ね?お母さんのために、お願い…」
「… … わかった、よ……」
小さな頃から、いつも母親は父親の顔色を伺いながら生活していた。
きっと父親に、俺に家庭教師をつけるように言われたのだろう…
俺がここで断っても、母を困らせるのは目に見えていた。
「ありがとう。修哉… 来週の土曜か日曜、先生に来てもらうことにするから部屋も片付けておいてね?
「え…?俺の部屋…?」
「リビングは里奈もいて、人の出入りもあるし集中できないと思うから、修哉の部屋よ、頼むわね?」
「… …わかった… …でも、どんな人、なんだろう?何歳くらい??」
「それがまだ、わからないの…家庭教師協会から派遣される人だから、曜日とか場所とか含めて、色々と条件が合う人が来ることになるわ。でも有名大学出身の現役大学生か卒業生に間違いないから、安心して大丈夫よ」
母にそう言われ、本当は全く気も進まないが、俺は承諾した。
俺にとって、どこの大学出だろうが、安心も何も…興味すらないのに…
その時に我が家に来た家庭教師が… 彼女… 橋本沙織だった。
彼女は当時、俺より6歳も年上の現役の大学院生だったのだが、
俺は、明るく積極的な沙織に強引に押されるようにして、彼女と付き合い始めた…。
思えばあの頃から、
俺の受け身人生は始まったのかもしれない…。
「修哉、来週から家庭教師の先生に来てもらうことにしたから。」
高校2年にあがってからほどなくして、母親に突然、言われた一言だった。
一瞬。耳を疑った。
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このままじゃ、いい大学に入れないわよ …後で、お父さんになんて言われるか…」
「… 大学… なんて、まだ先の話じゃない…?
今、高校の授業でも全然困ってないし、いらないよ、家庭教師なんてさ… 」
家庭教師なんてわずらわしい…正直に言うと、俺はそう思った。
「修哉、もう依頼してるのよ…いいから来週、一度だけ試しに受けてみて…お願いよ…それで嫌だったらやめてもいいから…ね?お母さんのために、お願い…」
「… … わかった、よ……」
小さな頃から、いつも母親は父親の顔色を伺いながら生活していた。
きっと父親に、俺に家庭教師をつけるように言われたのだろう…
俺がここで断っても、母を困らせるのは目に見えていた。
「ありがとう。修哉… 来週の土曜か日曜、先生に来てもらうことにするから部屋も片付けておいてね?
「え…?俺の部屋…?」
「リビングは里奈もいて、人の出入りもあるし集中できないと思うから、修哉の部屋よ、頼むわね?」
「… …わかった… …でも、どんな人、なんだろう?何歳くらい??」
「それがまだ、わからないの…家庭教師協会から派遣される人だから、曜日とか場所とか含めて、色々と条件が合う人が来ることになるわ。でも有名大学出身の現役大学生か卒業生に間違いないから、安心して大丈夫よ」
母にそう言われ、本当は全く気も進まないが、俺は承諾した。
俺にとって、どこの大学出だろうが、安心も何も…興味すらないのに…
その時に我が家に来た家庭教師が… 彼女… 橋本沙織だった。
彼女は当時、俺より6歳も年上の現役の大学院生だったのだが、
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