【完結 R18】ほかに相手がいるのに

もえこ

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~杉崎~

現実

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「杉崎さん…?」



      「… … …」



        俺は、ハッとする…。


ルームサービスを頼んで、彼女と少しだけ話したところで…
意識を完全に飛ばしていた…。

時間にして、恐らく数秒…数分…だが… …
ずっと封印していた過去の…トラウマ… 忌まわしいあの…記憶を、また…思い出してしまっていた…。

沙織… 

俺の…初めての、… 相手…

ここに来るときに、偶然彼女に…会ってしまい…
   やはり内心、動揺… して、いたのかもしれない…。 


「あ…あ、ごめん… 」俺は慌てて、彼女の方を向く。

水無月さんが俺のすぐ隣で、不思議そうに俺を見上げている…。


俺を見つめるその、少し茶色がかった瞳が…あまりにも純粋で… 綺麗で… 

沙織を初め…
自分にこれまで関わってきた積極的な女性…智花のような肉食獣のような女性と、
水無月さんは、あまりにも違っていて…

この大きな瞳に真っすぐに見つめられると…
胸の奥が、ぎゅっと、締め付けられるような感覚を覚える…。

「もう一度…キス、したい…いいかな…」

思わず、口にしていた…。

シャワーの前に…
彼女を抱いている最中も…あんなに彼女に執拗に…何度も、キスをしたのに…
彼女を前にすると、俺の欲望はとどまることを知らない…。


舌をいやらしく絡めて、歯列をなぞった…
彼女の呼吸をとめるほどに激しく…口内を貪った…
彼女は、俺が唇を塞いでいる間、んっ…と、何度も酸素を求めるように身じろいだ…。
  
何度、猛った自身で激しく彼女を…彼女の内部を突き上げ、せめたて…
彼女の小さな可愛い喘ぎ声を聞いたか…。

あんなにも、彼女を…
彼女の華奢な身体を圧倒的な男の力で抑えつけ、貫いたにも関わらず…
まだ…俺のこの淫らな欲望はとどまらない…。

彼女の唇に再びキスをしたい…身体に触れたい…などと…いやらしい欲望はいまだに…胸の内で渦巻いている… 


俺は彼女に出会って初めて…
自分の中に生まれた、激しい感情… 欲情… 
           
   男の欲望に、戸惑っていた… 







 

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