397 / 538
~彼との分離~
不躾
しおりを挟む
「初めまして私~橋本沙織って言います!」
そうだ…さおりと…
確かにエレベーターで、一緒にいた男性にそう呼ばれていたっけ… 頭の隅で、昨夜の記憶が蘇る…
「… …はじめ、まして… 」
この沙織と名乗る人に…なんと言えばいいのかすぐに、言葉が出てこない。
私も自己紹介をすべき…なのだろうか…
そもそも、初めて会うこの人に…
いきなり、私の目の前に座って来たこの女性に…
私からも自己紹介をしなければいけないのだろうか…
立ち上がりたい…
今すぐ、急用があると言ってここから立ち去りたい気持ちが、うっすらとしてくる…
少し値の張るフルーツタルトは諦めて…
今すぐ支払いを済ませて、立ち去ろうか…
その綺麗な女性はニッコリと微笑んで、私を正面から見つめた。
誰なのだろう…
杉崎さんの単なる…知り合い…?
ううん、きっと違う…
前に付き合っていた彼女とか… 多分だけど…
そんなところだろう…
この女性の雰囲気から、わかる…
視線から…わかってしまう…
この女性の全身からみなぎる自信のようなものが、過去に、杉崎さんと特別な関係にあった人なのだろうと…私に告げてくる…
それに加えて、私に対する敵意…とまではいかないが、何か…投げ掛けられる視線が、なんとなく不快だ…
まるで、私を品定めするかのように上から下まで見つめてくる視線に、たじろぐ…
なんで …
こんな、不躾な視線を浴びなくちゃいけないんだろう…
なぜ、私はいつもこんなにも…押しに弱いのか…
もう、限界だ… やっぱり今すぐ、 …出よう…
バッグを手にして立ち上がろうとした瞬間、
「貴女…もしかして修哉の、彼女…なのかな…随分、年若く見えるけど…」
「… … …」
私は…杉崎さんの彼女じゃない…彼女は別にいる… 私じゃない…
頭の隅によぎる、林さんの顔…
「あれ…?違うの… だって、昨夜修哉と泊ったんでしょう…このホテルに…」
「… … …」無言になる…
そうだ…
私は杉崎さんの彼女じゃないのに、このホテルに二人で泊まって、杉崎さんと…
彼女じゃない…
私はただの…後輩…杉崎さんの…単なる後輩だ…
なのに、私は… 私は…
堂々と何かを言うことはできない…何も言えない… 思わず、下を向く…
「何…その反応…もしかして彼女じゃないの…?あ!まさかそんな見た目で、修哉と身体だけの、関係…なのかしら…?…」
「… … …」
そんな見た目とは、どんな見た目…なのだろう…
少なくとも…
良い意味で言われていないことだけはわかる…
どうせ私は…大人っぽくもなく…スタイルだって…
でも、ひどい…言われようだ…
声もやたら大きい…
周りに聞こえていないか、心配になる…
さすがに、何か言わねば…
私はゆっくりと、彼女を見つめ直した…
そうだ…さおりと…
確かにエレベーターで、一緒にいた男性にそう呼ばれていたっけ… 頭の隅で、昨夜の記憶が蘇る…
「… …はじめ、まして… 」
この沙織と名乗る人に…なんと言えばいいのかすぐに、言葉が出てこない。
私も自己紹介をすべき…なのだろうか…
そもそも、初めて会うこの人に…
いきなり、私の目の前に座って来たこの女性に…
私からも自己紹介をしなければいけないのだろうか…
立ち上がりたい…
今すぐ、急用があると言ってここから立ち去りたい気持ちが、うっすらとしてくる…
少し値の張るフルーツタルトは諦めて…
今すぐ支払いを済ませて、立ち去ろうか…
その綺麗な女性はニッコリと微笑んで、私を正面から見つめた。
誰なのだろう…
杉崎さんの単なる…知り合い…?
ううん、きっと違う…
前に付き合っていた彼女とか… 多分だけど…
そんなところだろう…
この女性の雰囲気から、わかる…
視線から…わかってしまう…
この女性の全身からみなぎる自信のようなものが、過去に、杉崎さんと特別な関係にあった人なのだろうと…私に告げてくる…
それに加えて、私に対する敵意…とまではいかないが、何か…投げ掛けられる視線が、なんとなく不快だ…
まるで、私を品定めするかのように上から下まで見つめてくる視線に、たじろぐ…
なんで …
こんな、不躾な視線を浴びなくちゃいけないんだろう…
なぜ、私はいつもこんなにも…押しに弱いのか…
もう、限界だ… やっぱり今すぐ、 …出よう…
バッグを手にして立ち上がろうとした瞬間、
「貴女…もしかして修哉の、彼女…なのかな…随分、年若く見えるけど…」
「… … …」
私は…杉崎さんの彼女じゃない…彼女は別にいる… 私じゃない…
頭の隅によぎる、林さんの顔…
「あれ…?違うの… だって、昨夜修哉と泊ったんでしょう…このホテルに…」
「… … …」無言になる…
そうだ…
私は杉崎さんの彼女じゃないのに、このホテルに二人で泊まって、杉崎さんと…
彼女じゃない…
私はただの…後輩…杉崎さんの…単なる後輩だ…
なのに、私は… 私は…
堂々と何かを言うことはできない…何も言えない… 思わず、下を向く…
「何…その反応…もしかして彼女じゃないの…?あ!まさかそんな見た目で、修哉と身体だけの、関係…なのかしら…?…」
「… … …」
そんな見た目とは、どんな見た目…なのだろう…
少なくとも…
良い意味で言われていないことだけはわかる…
どうせ私は…大人っぽくもなく…スタイルだって…
でも、ひどい…言われようだ…
声もやたら大きい…
周りに聞こえていないか、心配になる…
さすがに、何か言わねば…
私はゆっくりと、彼女を見つめ直した…
0
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる