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~拓海~
和食
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「は~… 美味かった…!ご馳走様。」
俺は瑠衣が作ってくれた朝食を綺麗に平らげ、手を合わせた。
味噌汁にだし巻き卵、ウインナーに、瑠衣が自分の家から持ってきたという作り置きのひじき。
瑠衣は派手な見た目に反して、なかなかに料理がうまい。
俺に酔っぱらって同棲みたいなことを持ち掛けてきた時に、料理は私が担当するよと言っていた通り、おそらく腕には自信があるのだろう。
和食が多め…
ひじきとか煮物とか、なんとかの佃煮とか…
まるで、ばあちゃんちで出てくる田舎料理のようなものが多い。
「瑠衣って、料理うまいんだな…特製の…?だし巻き卵、結構、いけたよ。」
これでも十分褒めたつもりだったが、
「結構~~~?何それ~そういう時は、普通に、おいしい!って言ってよ~拓海くん…はい、10点減点!!」
瑠衣が頬をわざとらしく膨らませるようにして、腕を自分の胸の前で大仰に組んで、俺を正面から見つめる。
なんか、時々見せる瑠衣のこういう何気ない仕草が、可愛かったりする…
そんなことを思ってしまう俺は、罪深いだろうか…
葉月は絶対にしない少しふざけた仕草だ…
「え… あ、ごめん…美味しい…普通に美味かった…よ」
「それでよろしい…!褒める時は素直に。無駄な副詞とかいらないから。ふふ…!」
ふくし…副詞って…なんだっけ…?
チャラチャラした見た目の割に、意外と言葉の意味とか物事を知っている瑠衣に毎回驚かされる。
もちろん、口に出して言えば瑠衣の頬をまた膨らませそうなので、黙っておく。
「特に、和食が多いけど…好きなの…?」
瑠衣が今までに俺に作ってくれたり、沢山作ったからと分けてくれたものは、ほぼ和食の総菜。
洋食が極端に少ないことに気付いていた。
「ん~~~ただ単に、和食の方が男性の胃袋をつかみやすいって話…だよ!ふふ…」
「なんで…?」率直に、疑問だった。
洋食が好きな男も、和食と同様に一定数、いるだろうと思ったからだ。
瑠衣は数えるように指を折って、説明の言葉を続ける。
「ひじきとか、がめ煮とか…あと、定番だけど肉じゃがとかさ~ないじゃん、店によっては…ファミレスとかにもないことあるよね、ハンバーグとかパスタとかシチューとか、王道はあるのにさ…」
「ん…ああ…確かにまあ…」
「…っていうか、本当は、単に…ね… 」
「ん… ??」
「今…好きな人がさ…あ、私の、本命くんね…?」
「… …うん… …」
「和食が圧倒的に好きなんだよ…だから、和食の頻度多めにしてるだけ…ふふ、意外に健気でしょ?だから拓海君にはおまけで持って来てるだけだからね…?勘違いしないでよ~~私と拓海君は、単なるセ・フ・レだもんね」
「… … … … 」
セフレ… か… なるほど…
そうだった… そう、だな…
この関係はそうだ…それそれ…
俺は自分で瑠衣に、和食を作る理由を聞いておきながらも、
すぐに返事もせずに…
とりあえず自分にそう、言い聞かせた。
俺は瑠衣が作ってくれた朝食を綺麗に平らげ、手を合わせた。
味噌汁にだし巻き卵、ウインナーに、瑠衣が自分の家から持ってきたという作り置きのひじき。
瑠衣は派手な見た目に反して、なかなかに料理がうまい。
俺に酔っぱらって同棲みたいなことを持ち掛けてきた時に、料理は私が担当するよと言っていた通り、おそらく腕には自信があるのだろう。
和食が多め…
ひじきとか煮物とか、なんとかの佃煮とか…
まるで、ばあちゃんちで出てくる田舎料理のようなものが多い。
「瑠衣って、料理うまいんだな…特製の…?だし巻き卵、結構、いけたよ。」
これでも十分褒めたつもりだったが、
「結構~~~?何それ~そういう時は、普通に、おいしい!って言ってよ~拓海くん…はい、10点減点!!」
瑠衣が頬をわざとらしく膨らませるようにして、腕を自分の胸の前で大仰に組んで、俺を正面から見つめる。
なんか、時々見せる瑠衣のこういう何気ない仕草が、可愛かったりする…
そんなことを思ってしまう俺は、罪深いだろうか…
葉月は絶対にしない少しふざけた仕草だ…
「え… あ、ごめん…美味しい…普通に美味かった…よ」
「それでよろしい…!褒める時は素直に。無駄な副詞とかいらないから。ふふ…!」
ふくし…副詞って…なんだっけ…?
チャラチャラした見た目の割に、意外と言葉の意味とか物事を知っている瑠衣に毎回驚かされる。
もちろん、口に出して言えば瑠衣の頬をまた膨らませそうなので、黙っておく。
「特に、和食が多いけど…好きなの…?」
瑠衣が今までに俺に作ってくれたり、沢山作ったからと分けてくれたものは、ほぼ和食の総菜。
洋食が極端に少ないことに気付いていた。
「ん~~~ただ単に、和食の方が男性の胃袋をつかみやすいって話…だよ!ふふ…」
「なんで…?」率直に、疑問だった。
洋食が好きな男も、和食と同様に一定数、いるだろうと思ったからだ。
瑠衣は数えるように指を折って、説明の言葉を続ける。
「ひじきとか、がめ煮とか…あと、定番だけど肉じゃがとかさ~ないじゃん、店によっては…ファミレスとかにもないことあるよね、ハンバーグとかパスタとかシチューとか、王道はあるのにさ…」
「ん…ああ…確かにまあ…」
「…っていうか、本当は、単に…ね… 」
「ん… ??」
「今…好きな人がさ…あ、私の、本命くんね…?」
「… …うん… …」
「和食が圧倒的に好きなんだよ…だから、和食の頻度多めにしてるだけ…ふふ、意外に健気でしょ?だから拓海君にはおまけで持って来てるだけだからね…?勘違いしないでよ~~私と拓海君は、単なるセ・フ・レだもんね」
「… … … … 」
セフレ… か… なるほど…
そうだった… そう、だな…
この関係はそうだ…それそれ…
俺は自分で瑠衣に、和食を作る理由を聞いておきながらも、
すぐに返事もせずに…
とりあえず自分にそう、言い聞かせた。
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