【完結 R18】ほかに相手がいるのに

～智花～

余韻

「…　智花さん…　大丈夫、ですか…　？」

「え…　ええ…　大丈夫…」

私は三橋君の腕の上に…頭を少しだけ乗せたまま、ゆっくりと彼を盗み見る。
甘い言葉を何度も囁きながら、私を抱いた、年下の彼…

腕枕、なんて…本当に久しぶりだ…　　　
なんて、温かいんだろう…　　

やっと行為を終えて、私は息も絶え絶えにベッドに倒れ込み、彼の胸の中で…心地良い余韻に浸っていた…

三橋君はいくつも年下なだけあって…　ものすごく、性欲が強かった…　
一度だけじゃなく…　
何度も…何度も、私は彼の逞しいそれで奥深くまで突き上げられ…揺さぶられた…　

修哉さんとは、違う…　

修哉さんは…　…　　もっと…　


ああ…
駄目だ…　どうしたって比べてしまう…　何もかもを修哉さんと…

彼と三橋君は、全然、違うのに…
年齢だって性格だって全然違うのに…

「…　今、何、考えてます…　？」

三橋君が、ふふと笑いながら、私の顔を覗き込む…

その眼に、ドキリとしてしまう自分がいる…　
なんだか三橋君は、最初思っていたタイプと、全然、違う…
もう少し大人しい…控えめな男だと思っていた…　

私が初めて東京からこっちに来た時も親切ではあるけど…全然、下心なんてなさそうに見えた…　
容姿は少しチャラチャラしているものの、物言いからすると、きちんとしていて軽くはなさそうな…
そんな雰囲気だったのに…本当のところは違ったということだろうか…

自分に彼女がいても、簡単に他の女を抱くような男だ…　
少なくとも、誠実な男ではない…
だが、それを言えば…私も同じだ…　不誠実、極まりない…
彼氏がいるのに…　ほかの男と…　こんな、ことを…

自分が信じられない…