【完結 R18】ほかに相手がいるのに

もえこ

文字の大きさ
450 / 538
~新しい朝~

謝罪

しおりを挟む
「とんでもないです…私こそ、ごめんなさい…杉崎さんにそんな風に、気を遣わせてしまって…」

『いや、本当にごめん…  ふっ… 、はは…』小さな笑い声が聞こえた。

「え… ?」

『いや…俺と水無月さん、謝ってばっかだなって思ってさ…でももう、これからは謝罪は禁止にしよう…だって、どっちも悪いんだから…お互いの恋人を裏切って…あんなことを、したんだから…というか、やっぱり強引にホテルへ連れて行った俺が、悪いんだけどね…』

「あ… … 」

あんなこと… 

杉崎さんとの淫らな…長い夜…
それらの映像が蘇りそうになり…私は慌てて、無理矢理に頭の隅にそれらを追いやる。

「そう…ですね… どちらも悪い… ですね…本当に…」心なしか小さくなる声…

『それと、俺は今度、彼女と会うつもりだ…あの、九州に行こうと思ってるんだ…久しぶりにね…そこで、言うから…もう付き合えないと彼女に伝えるつもりだ…だけど、君とのことは伏せようと思ってる。きっと彼女も驚くし…君の立場も気になるし…ごめんね、こんな順序になってしまって…』

「…あ…杉崎さん、また、謝りましたよ…?」

『あ!…本当だね…駄目だな…癖になってるかも… はは…』

「あの…私も…今度向こうに行って、拓海に話すつもりです…私も、杉崎さんのことには触れずに、ただ別れを告げようと思っています…」

『…無理、しないようにね…話すタイミングもあるだろうし、彼氏…拓海くんは…なんだか、すごく怒るような気がしてならない… 俺が言うのもなんだけどね…』

「…はい、…そう、します… 」

『 …じゃあ、明日も頑張ろうね…仕事…』

「はい…よろしくお願いします…おやすみなさい…」

『また… キス、したいな… …』

「… え… っ…」  空耳… かと、思った…

『…なんてね…今の状況で、出来るわけないけど…ごめんね、オッサンの独り言だから…おやすみ、また明日…』

「は… はい、…おやすみ、なさい… 」

私は携帯とともに、ベッドにどさりと…音を立てて倒れ込む…

どうしよう… やっぱり、杉崎さんが好きだ… 
林さんがいても、細野さんがいても… 拓海がいても…

杉崎さんに包み込まれたい…  
心も、身体も…彼を欲しているのがわかる… もう、止めようがない感情…

私は自分自身をぎゅっと抱き締めて、あの夜を思い出すかのように目を閉じた…。












 





 


しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

危険な残業

詩織
恋愛
いつも残業の多い奈津美。そこにある人が現れいつもの残業でなくなる

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...