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~杉崎~
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「よし…こんなもんかな…数は、これで足りるね」
俺は空港の土産物屋で、俺と同様、いくつかの紙袋を手にした、彼女に声をかける。
「あの…杉崎さん…お支払い…私も…」
「あ、いいいい…大した額じゃない。これくらいは俺が払う。勝手に買ってるものだし、君に出してもらうわけもない、気にしないで」
「…いつも、すみま… あ、ありがとうございます。」
彼女が、突然、言いかけた言葉を引っ込める…
ああ… なるほど…
「あ…また、水無月さん…すみませんって、言ったかな…?これで、3回目、かな…」
「やっ…あの…言ってません… 言いかけはしましたけど…完全に言っては、ない…です…」
「 ふ … 嘘嘘… 今のは、ノーカウント… いや、0.5だね… てことで、2・5回分だね」
「え… そんな… 」彼女が困った顔で、俺を不安そうに見上げる。
ああ…
彼女の反応が、もう…どうしようもなく、可愛いのに困ってしまう…
だから俺も、年甲斐もなく、こんなからかいの言葉を彼女に時々、投げ掛けてしまう…。
智花には…
いや、智花に限らず、これまで付き合ってきた、どちらかと言えば積極的な彼女には一度もしたことがないような自分自身の言動に、戸惑う時がある…。
自分の中に、こんな風に人をからかったりする一面があったのかと、不思議になる…。
もう、20代の立派な大人の女性に…可愛らしいと言うのも失礼だろうが…
話し方や態度は、本当に人により、さまざまだ…。
彼女と同世代の細野さんもいるが、彼女と水無月さんは全く、違う…
水無月さんには、男に媚びる発言が微塵もない…
飲み会の席でも、どんな場面でも、細野さんのように、その場の雰囲気に酔って、会話の流れで俺の身体にべたべたと触ってくることもなく、
ただただ素直に姿勢を正したまま、人の話を真剣に聞いて受け止め、一生懸命、言葉を返す…。
普段、仕事をしている時の彼女を見ていると、本当にその繰り返しだ…。
「さ…じゃあ、そろそろ行こう。」
「はい…」
にこりと微笑んで小さく返事をし、静かに彼女が俺の少し後を着いてくる…。
胸が、熱くなると同時に、このままずっと…俺の傍にいてくれないだろうかとさえ…
機内へ乗り込み指定の席を見ると、二人席ではあるが、また通路側に若いチャラチャラした男が脚を組んで既に座っているのを見て、俺は即座に、彼女に窓際の席を促す。
「水無月さん、席は奥でいいかな…?窓は閉めておいていいからね」
「ありがとうございます、では… 」彼女は何も不思議に思うことなく足を進める。
俺は彼女を奥に座らせ、その隣にゆっくり腰をかける。
「怖かったら、寝てしまうといい… 俺も、寝るしね…」
「はい…」彼女は控えめに笑う…。
ああ…
いっそ、彼女を、閉じ込めてしまいたい…
このまま、この席に…この小さな空間に…俺の隣に…
誰の目にも触れることなく、誰に触らせることもなく、彼女をこのまま俺の傍に…ずっと、置いておきたい…
そんな危険な感情がいつしか…俺の心の中を、支配し始めていた…。
俺は空港の土産物屋で、俺と同様、いくつかの紙袋を手にした、彼女に声をかける。
「あの…杉崎さん…お支払い…私も…」
「あ、いいいい…大した額じゃない。これくらいは俺が払う。勝手に買ってるものだし、君に出してもらうわけもない、気にしないで」
「…いつも、すみま… あ、ありがとうございます。」
彼女が、突然、言いかけた言葉を引っ込める…
ああ… なるほど…
「あ…また、水無月さん…すみませんって、言ったかな…?これで、3回目、かな…」
「やっ…あの…言ってません… 言いかけはしましたけど…完全に言っては、ない…です…」
「 ふ … 嘘嘘… 今のは、ノーカウント… いや、0.5だね… てことで、2・5回分だね」
「え… そんな… 」彼女が困った顔で、俺を不安そうに見上げる。
ああ…
彼女の反応が、もう…どうしようもなく、可愛いのに困ってしまう…
だから俺も、年甲斐もなく、こんなからかいの言葉を彼女に時々、投げ掛けてしまう…。
智花には…
いや、智花に限らず、これまで付き合ってきた、どちらかと言えば積極的な彼女には一度もしたことがないような自分自身の言動に、戸惑う時がある…。
自分の中に、こんな風に人をからかったりする一面があったのかと、不思議になる…。
もう、20代の立派な大人の女性に…可愛らしいと言うのも失礼だろうが…
話し方や態度は、本当に人により、さまざまだ…。
彼女と同世代の細野さんもいるが、彼女と水無月さんは全く、違う…
水無月さんには、男に媚びる発言が微塵もない…
飲み会の席でも、どんな場面でも、細野さんのように、その場の雰囲気に酔って、会話の流れで俺の身体にべたべたと触ってくることもなく、
ただただ素直に姿勢を正したまま、人の話を真剣に聞いて受け止め、一生懸命、言葉を返す…。
普段、仕事をしている時の彼女を見ていると、本当にその繰り返しだ…。
「さ…じゃあ、そろそろ行こう。」
「はい…」
にこりと微笑んで小さく返事をし、静かに彼女が俺の少し後を着いてくる…。
胸が、熱くなると同時に、このままずっと…俺の傍にいてくれないだろうかとさえ…
機内へ乗り込み指定の席を見ると、二人席ではあるが、また通路側に若いチャラチャラした男が脚を組んで既に座っているのを見て、俺は即座に、彼女に窓際の席を促す。
「水無月さん、席は奥でいいかな…?窓は閉めておいていいからね」
「ありがとうございます、では… 」彼女は何も不思議に思うことなく足を進める。
俺は彼女を奥に座らせ、その隣にゆっくり腰をかける。
「怖かったら、寝てしまうといい… 俺も、寝るしね…」
「はい…」彼女は控えめに笑う…。
ああ…
いっそ、彼女を、閉じ込めてしまいたい…
このまま、この席に…この小さな空間に…俺の隣に…
誰の目にも触れることなく、誰に触らせることもなく、彼女をこのまま俺の傍に…ずっと、置いておきたい…
そんな危険な感情がいつしか…俺の心の中を、支配し始めていた…。
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