鬼斬忍法帖

海星

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大浴場

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    私は最初、女性の入浴時間の長さに驚き、辟易した。

    最初に党首である悠子さんが一番風呂に入浴する。

    次にその側近である聡子さんが入浴する。

    そして、最後に新参で下っ端で歳下である私が最後に残り湯を頂く。

    その事には何の文句もない。

    だが、二人の長湯の後だと入浴時間が深夜を大きく回ってしまうのだ。

    私は大きく睡眠時間を削らざるを得なくなった。

    その事で私は文句は一切言わなかった。

    ただ、眠そうにしている私を見て聡子さんは悠子さんに相談した。

    「眠そうな早は可愛すぎます。

    『うにゅ~むにゃむにゃって言ってごらんなさい』と何度早に言ったかわかりません。

    ですがこのままでは早は体調を崩してしまいます。

    早の部屋にシャワールームを設置しましょう!」

    ただ悠子さんは首を縦にふらなかった。

    「果たして早ちゃんはシャワー室を付けて喜ぶかしら?

 早ちゃんは特別扱いを嫌うわ。

 私には早ちゃんがその特別扱いを喜ぶとは思えないわ」

 こうして悠子さん発案のもと、三人で一緒に入浴するようになったのだ。

    最初、私は挙動不審だったという。

    「あ、あの!俺、目かくししてた方が良いですか?」当時の私は今自分で考えても変な事を言っていたと思う。

    「何で女の子同士で一緒にお風呂に入るだけなのに目かくしが必要なのよ。

    あなた、何か変な物でもついているの?」悠子さんは笑いながら言った。

    「『ついてる』・・・と言うよりは『ついていない』とでも申しましょうか?」当時の私は本当に煮え切らない事を言っていたと思う。

    こうしてみんなで大浴場で入浴するようになった。

    最初、恥ずかしくて悠子さんと聡子さんの裸を直視出来なかった私もいつしか二人のプロポーションに目を奪われるようになる。

    いつか私も幼児体型を卒業して二人のようなプロポーションになれるのかしら?特に胸のあたり・・・。

 三人ならまだどうにか順番に入浴する事も可能だったが、そこに晶さんが加わり由美が一緒に泊まるとなると、五人一緒に大浴場で入浴するのが効率的で当たり前の話になってくる。

 だが・・・

 「バカじゃないの!?

 何で私が早くんと一緒にお風呂に入らなきゃいけないの!?」由美が叫ぶ。

 「傷つくわね~。

 何で由美は私と一緒にお風呂に入りたくないのよ!

 私、別に何も変な病気は持ってないわよ!」私はプリプリと怒りながら言う。

 「石川さんに他意はありません。

 『由美さんと一緒に大浴場で裸の付き合いをして親睦を深めたい』と思っているだけで、いやらしい感情は一切ありません。

 もしかしてやましい感情を抱いているのは由美さんじゃないですか?

 大欲情してるんじゃないですか?」晶さんがいかにも面白い事を言ったように肩を震わせて笑っているが、誰も笑っていない。

 「あなた、そのオヤジギャグが言いたかっただけでしょ!?

 何が『大欲情』よ!?

 私は一緒にお風呂なんて入りませんからね!?」と由美。

 「そこまで強く嫌がらなくても良いじゃない・・・」私は半べそをかきながら落ち込みつつ呟く。

 「あーあー泣かせたー」

 「いーけないんだいけないんだー、先生に言ってやろうー」口々に悠子さん達は騒ぎ立てた。

 「わかったわよ!一緒にお風呂入れば良いんでしょ!?」由美は勢いで言ってしまった。  
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