73 / 126
憧れのドラゴン!
しおりを挟む
「知能が極めて高く、並外れた魔力を有するドラゴン。
人語も話す個体もいる。何百年も生きる奴も居る。
撃退、討伐ならエンペラードラゴンより厄介だ。」
「でも、これ交渉っていう依頼ですよ?」
撃退、討伐ではなく、今回のは、『エンシャントドラゴンとの交渉』だ。
戦う訳では無く、ネゴシエーション。
そうか、頭良いから会話が出来るのか。
くううう!!素晴らしい!!ドラゴンと話すとか、もうファンタジー!!
乙女ゲームじゃなく、ファンタジーの世界!!
にやける私とは対照的にセイさんの顔は曇っている。
「それが厄介っていうんだよ。
エンペラードラゴンは戦って撃退、討伐出来るが、エンシャントドラゴンはそれが困難なんだよ。
だから、交渉っていう形でその地から出て行って貰うという形でしか依頼が出ない。
頭が良い、魔力で攻撃を防ぐ、彼等が認めた人間以外には絶対に相手にしない。
ハンターなんて力自慢の奴が多いから、この手の依頼はギルドマスター自らが行ってた。」
脳筋・・・・、いや皆が皆そうじゃないよね?
「へぇ~。そうなんですね。でもいいです。私、受けますよ。」
「だろう?厄介だから、止めといた方が・・・・・、は?・・・・は!?」
美しいノリツッコミをありがとう。
私は依頼書に署名をし、受付のお嬢さんに渡す。
「これって、期限っていうのはありますか?」
「い、いいえ。でも、村の人達が困っておられているので、なるべく早い方が。」
遠慮がちに答えるお嬢さんに私はニコリと微笑む。
彼女の頬がポワッと紅色に染まる。
「じゃあ、次の休みの日に行ってきますね。」
「あ、はい。頑張って下さい!」
激励を貰い、私は俄然やる気が出る。
よし!頑張るぞー!
「お、おい!」
セイさんに呼び止められる。
「何でしょうか?」
「本当に危険なんだぞ!分かってるのか!?」
心配してくれているみたいだ。
「心配してくれてありがとうございます。
エンシャントドラゴンと話すだけなら、私でも出来そうな依頼ですし、強くなければ相手にされないのなら大丈夫ですよ。
なんたって、私は魔王と言われてますからね?」
肩を竦めてお道化る。
セイさんはまだ表情は険しい。
「じゃあ、次の休みまでちょっと修行でもしておきます。」
「貴族が修行って何するんだよ。それも前世のゲームの知識か?」
「いえ、これは漫画です。」
「ていうか、アンタこれ以上強くなってどうするつもりなんだよ。」
どうするつもりって言われてもねぇ。
強いて言うのなら、
「魔王にでもなろうかな?・・・・なんて。」
冗談だよ。冗談。
頭を掻きながら笑う。
セイさんは呆れ返った顔をする。
そして、恐ろしく長い溜息を吐く。
「アンタに何を言っても無駄なようだし、一応俺も付いて行くよ。
アンタが変な事をエンシャントドラゴンにして、怒らせたらマズいからな。」
失敬な。
変な事なんてしないよ。
大人の話をするよ、大人のね。
「修行は別にしなくても良いだろう。アンタは充分、というか強すぎるし。」
そうなの?
私の顔を見て半眼になるセイさん。
「アンタ自分で魔王って言ってるだろ?」
そうなのね。
じゃあ、まあ修行は無しで。
「次の休み、早朝に向かおう。」
「了解。」
私とセイさんは次の休みに向かう村の下調べをして、
エンシャントドラゴンに備えた。
シュタイナーとアリスには話した。
隠して行ったとなれば、後で無茶苦茶怒られそうだったからだ。
シュタイナーは自分は足手纏いになるから、と薬草をこれでもかと渡された。
アリスは付いて行きたそうだったけど、シュタイナーと同じく足手纏いになるから、とこれでもかとバナナを渡された。
二人共ありがとう。
アリスに至っては最高のボケをありがとう。
そして、当日。
遠足前の子供の様にワクワクで眠れない訳では無く、普通に爆睡してセイさんに叩き起こされた。
叩き起こされたと言っても、一応女性の部屋なんで、一応女性。
部屋に入る事はせず、扉を物凄い勢いで叩いてきた。
これがほんとの叩き起こす。
・・・・・ごめんなさい。もう言いません。許してください。
「・・・アンタ、本当に緊張感無いな。」
セイさんは言う。
「いやぁ・・・。」
緊張感あるよ、今無茶苦茶緊張してるよ。
今は村へ向かう馬車の中、内心心臓がバックンバックンしている。
無表情だから、分からないだろうが私の脳内は、エンシャントドラゴンに相手にされなかったらどうしよう。
あれだけ大見得きって、相手にされないとかもう恥死レベル。
実は繊細なんですよ、私。
あ、信じてないな?
本当だよ、メンタル結構弱いんだからね。
言葉の攻撃受けたら直ぐに殺せるからね、私は。
エンシャントドラゴンがいる村に着いた。
「よくぞおいで下さいました。」
村長さんらしき人が出迎えてくれた。
私を見て怪訝な表情になる。
まぁ、そうだろうな。
貴族の女が来たんだもんな。
「この人はハンターの中でもトップクラスの実力の女性だから安心してください。」
うをい!!セイさんなんてこと言うんだ!
ハードル上げてどうすんだよ!!
私を見てニヤリと笑う。
ワザとだ。
覚えてろよ?
村長さんはセイさんの言葉にホッとする。
「ああ、でしたら安心ですね。
本当にあのドラゴンには困っておりまして・・・。
退屈だ、退屈だと呟いて、私達に面白い事をしたら、此処を立ち退いてやると言われたもので・・・。」
面白い事をしろとか、そんな若手芸人振るような無茶ぶりをするなぁ。
ドラゴンなのに、大御所芸人に思える。
というか、それ私達にも言ってくる話だよね?
うわー!どうしよう!?
面白い事を出来る自信が無いんだけど?
「セイさん、面白い事って何をしたらいいんですかね?セイさんと漫才とかするとか?
ええ~。でもネタの打ち合わせとかする時間なんて無いしなぁ。」
「は?マ、マンザイ?ネタ?
俺にも分かる言葉で話してくれよ。」
セイさんが首を傾げる。
「いや、いいです。何でも無いです。」
「なんだよ、それ。」
不服そうな顔をするセイさん。
「ごめんなさい。前世の知識の話なのでこちらでは通用しないと思いまして。」
漫才という概念が無い世界で漫才をする、しかも素人が。
面白いネタを思いつく筈もない。
確実に爆死だ。
そもそも、人でもない対象に漫才が通用するとは到底思えない。
笑いのツボが人種でも違うのに、種族が違うのだ。
顎に手を当て考え込む。
ドラゴンのわらいのつ笑いのツボって何だろう。
「あ、あのハンターさん?」
村長さんに声を掛けられる。
不安そうだ。
考えていても仕方が無い。
当たって砕けろ!だ。
「すみません。考え事をしていただけです。
ドラゴンの居る場所まで案内してくれますか?」
村長さんは頷き、私達を先導した。
「こちらです。この建物の中にドラゴンが居ます。」
建物を指差し、小声で私達に教える。
ここに近寄るのすら恐ろしいのか、顔が青白い。
そこは納屋の様な感じで、扉の無い農作物や農作業用の道具などが雑然と置かれている。
農作物は少し痛んでいるみたいだ。
「ここに収穫した作物を貯蔵していたのですが、ドラゴンが住み着いて以来、皆恐ろしくて近寄れずそれまでに置いていた作物は皆駄目になってしまったのです。
このままでは村の人間が生活する事が難しくなってしまう。
どうかお願いです。あのドラゴンにここから出て行って貰う様に交渉して下さい。」
深々と頭を下げて、私達に懇願する。
村の中を歩いていたが、村人は皆とても不安そうな顔をして私達を見ていた。
自分達の生活が懸かっているのだ。
私が失敗したら、この人達は路頭に迷ってしまう。
なんとしてでも成功させねば。
村長さんの肩をポンと叩き、私は安心させるように穏やかに話す。
「必ず成功させます。」
建物の中へ足を踏み入れた瞬間、体が硬直する。
今までに味わった事の無い圧迫感。
凄い。魔力がけた外れに強い事がひりつく肌で感じる。
何とか一歩足を運ぶ。
底なし沼に足を取られる感覚。
進め、進め。
どんどん圧迫感は増す。
負けるな。
憧れのドラゴンだぞ!もっと気合を入れろ!私。
自分を叱咤しながら、進んだ先に彼?彼女?は悠然と居た。
あまりの美しさ、荘厳さ、存在感に私は言葉も発する事も出来ず立ち尽くした。
人語も話す個体もいる。何百年も生きる奴も居る。
撃退、討伐ならエンペラードラゴンより厄介だ。」
「でも、これ交渉っていう依頼ですよ?」
撃退、討伐ではなく、今回のは、『エンシャントドラゴンとの交渉』だ。
戦う訳では無く、ネゴシエーション。
そうか、頭良いから会話が出来るのか。
くううう!!素晴らしい!!ドラゴンと話すとか、もうファンタジー!!
乙女ゲームじゃなく、ファンタジーの世界!!
にやける私とは対照的にセイさんの顔は曇っている。
「それが厄介っていうんだよ。
エンペラードラゴンは戦って撃退、討伐出来るが、エンシャントドラゴンはそれが困難なんだよ。
だから、交渉っていう形でその地から出て行って貰うという形でしか依頼が出ない。
頭が良い、魔力で攻撃を防ぐ、彼等が認めた人間以外には絶対に相手にしない。
ハンターなんて力自慢の奴が多いから、この手の依頼はギルドマスター自らが行ってた。」
脳筋・・・・、いや皆が皆そうじゃないよね?
「へぇ~。そうなんですね。でもいいです。私、受けますよ。」
「だろう?厄介だから、止めといた方が・・・・・、は?・・・・は!?」
美しいノリツッコミをありがとう。
私は依頼書に署名をし、受付のお嬢さんに渡す。
「これって、期限っていうのはありますか?」
「い、いいえ。でも、村の人達が困っておられているので、なるべく早い方が。」
遠慮がちに答えるお嬢さんに私はニコリと微笑む。
彼女の頬がポワッと紅色に染まる。
「じゃあ、次の休みの日に行ってきますね。」
「あ、はい。頑張って下さい!」
激励を貰い、私は俄然やる気が出る。
よし!頑張るぞー!
「お、おい!」
セイさんに呼び止められる。
「何でしょうか?」
「本当に危険なんだぞ!分かってるのか!?」
心配してくれているみたいだ。
「心配してくれてありがとうございます。
エンシャントドラゴンと話すだけなら、私でも出来そうな依頼ですし、強くなければ相手にされないのなら大丈夫ですよ。
なんたって、私は魔王と言われてますからね?」
肩を竦めてお道化る。
セイさんはまだ表情は険しい。
「じゃあ、次の休みまでちょっと修行でもしておきます。」
「貴族が修行って何するんだよ。それも前世のゲームの知識か?」
「いえ、これは漫画です。」
「ていうか、アンタこれ以上強くなってどうするつもりなんだよ。」
どうするつもりって言われてもねぇ。
強いて言うのなら、
「魔王にでもなろうかな?・・・・なんて。」
冗談だよ。冗談。
頭を掻きながら笑う。
セイさんは呆れ返った顔をする。
そして、恐ろしく長い溜息を吐く。
「アンタに何を言っても無駄なようだし、一応俺も付いて行くよ。
アンタが変な事をエンシャントドラゴンにして、怒らせたらマズいからな。」
失敬な。
変な事なんてしないよ。
大人の話をするよ、大人のね。
「修行は別にしなくても良いだろう。アンタは充分、というか強すぎるし。」
そうなの?
私の顔を見て半眼になるセイさん。
「アンタ自分で魔王って言ってるだろ?」
そうなのね。
じゃあ、まあ修行は無しで。
「次の休み、早朝に向かおう。」
「了解。」
私とセイさんは次の休みに向かう村の下調べをして、
エンシャントドラゴンに備えた。
シュタイナーとアリスには話した。
隠して行ったとなれば、後で無茶苦茶怒られそうだったからだ。
シュタイナーは自分は足手纏いになるから、と薬草をこれでもかと渡された。
アリスは付いて行きたそうだったけど、シュタイナーと同じく足手纏いになるから、とこれでもかとバナナを渡された。
二人共ありがとう。
アリスに至っては最高のボケをありがとう。
そして、当日。
遠足前の子供の様にワクワクで眠れない訳では無く、普通に爆睡してセイさんに叩き起こされた。
叩き起こされたと言っても、一応女性の部屋なんで、一応女性。
部屋に入る事はせず、扉を物凄い勢いで叩いてきた。
これがほんとの叩き起こす。
・・・・・ごめんなさい。もう言いません。許してください。
「・・・アンタ、本当に緊張感無いな。」
セイさんは言う。
「いやぁ・・・。」
緊張感あるよ、今無茶苦茶緊張してるよ。
今は村へ向かう馬車の中、内心心臓がバックンバックンしている。
無表情だから、分からないだろうが私の脳内は、エンシャントドラゴンに相手にされなかったらどうしよう。
あれだけ大見得きって、相手にされないとかもう恥死レベル。
実は繊細なんですよ、私。
あ、信じてないな?
本当だよ、メンタル結構弱いんだからね。
言葉の攻撃受けたら直ぐに殺せるからね、私は。
エンシャントドラゴンがいる村に着いた。
「よくぞおいで下さいました。」
村長さんらしき人が出迎えてくれた。
私を見て怪訝な表情になる。
まぁ、そうだろうな。
貴族の女が来たんだもんな。
「この人はハンターの中でもトップクラスの実力の女性だから安心してください。」
うをい!!セイさんなんてこと言うんだ!
ハードル上げてどうすんだよ!!
私を見てニヤリと笑う。
ワザとだ。
覚えてろよ?
村長さんはセイさんの言葉にホッとする。
「ああ、でしたら安心ですね。
本当にあのドラゴンには困っておりまして・・・。
退屈だ、退屈だと呟いて、私達に面白い事をしたら、此処を立ち退いてやると言われたもので・・・。」
面白い事をしろとか、そんな若手芸人振るような無茶ぶりをするなぁ。
ドラゴンなのに、大御所芸人に思える。
というか、それ私達にも言ってくる話だよね?
うわー!どうしよう!?
面白い事を出来る自信が無いんだけど?
「セイさん、面白い事って何をしたらいいんですかね?セイさんと漫才とかするとか?
ええ~。でもネタの打ち合わせとかする時間なんて無いしなぁ。」
「は?マ、マンザイ?ネタ?
俺にも分かる言葉で話してくれよ。」
セイさんが首を傾げる。
「いや、いいです。何でも無いです。」
「なんだよ、それ。」
不服そうな顔をするセイさん。
「ごめんなさい。前世の知識の話なのでこちらでは通用しないと思いまして。」
漫才という概念が無い世界で漫才をする、しかも素人が。
面白いネタを思いつく筈もない。
確実に爆死だ。
そもそも、人でもない対象に漫才が通用するとは到底思えない。
笑いのツボが人種でも違うのに、種族が違うのだ。
顎に手を当て考え込む。
ドラゴンのわらいのつ笑いのツボって何だろう。
「あ、あのハンターさん?」
村長さんに声を掛けられる。
不安そうだ。
考えていても仕方が無い。
当たって砕けろ!だ。
「すみません。考え事をしていただけです。
ドラゴンの居る場所まで案内してくれますか?」
村長さんは頷き、私達を先導した。
「こちらです。この建物の中にドラゴンが居ます。」
建物を指差し、小声で私達に教える。
ここに近寄るのすら恐ろしいのか、顔が青白い。
そこは納屋の様な感じで、扉の無い農作物や農作業用の道具などが雑然と置かれている。
農作物は少し痛んでいるみたいだ。
「ここに収穫した作物を貯蔵していたのですが、ドラゴンが住み着いて以来、皆恐ろしくて近寄れずそれまでに置いていた作物は皆駄目になってしまったのです。
このままでは村の人間が生活する事が難しくなってしまう。
どうかお願いです。あのドラゴンにここから出て行って貰う様に交渉して下さい。」
深々と頭を下げて、私達に懇願する。
村の中を歩いていたが、村人は皆とても不安そうな顔をして私達を見ていた。
自分達の生活が懸かっているのだ。
私が失敗したら、この人達は路頭に迷ってしまう。
なんとしてでも成功させねば。
村長さんの肩をポンと叩き、私は安心させるように穏やかに話す。
「必ず成功させます。」
建物の中へ足を踏み入れた瞬間、体が硬直する。
今までに味わった事の無い圧迫感。
凄い。魔力がけた外れに強い事がひりつく肌で感じる。
何とか一歩足を運ぶ。
底なし沼に足を取られる感覚。
進め、進め。
どんどん圧迫感は増す。
負けるな。
憧れのドラゴンだぞ!もっと気合を入れろ!私。
自分を叱咤しながら、進んだ先に彼?彼女?は悠然と居た。
あまりの美しさ、荘厳さ、存在感に私は言葉も発する事も出来ず立ち尽くした。
1
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは六歳の誕生日までは天使のように可愛らしい子供だった。ところが突然、ロバのような顔になってしまう。残念な姿に成長した『残念姫』と呼ばれるアンジェリカ。友達は男爵家のウォルターただ一人。そんなある日、隣国から素敵な王子様が留学してきて……
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる