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後でぶん殴りました
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「シュタイナーさん、凄く良い人だから、魔王になんかならないよ、絶対。」
「な、何の根拠があるの!?」
デイヴィッドがまた適当な事を言っている。
シュタイナーもそう思っているだろうな。
声を荒げるのは滅多に、いや初めて見たかな。
「えっと。何となく、優しそうな感じがしたから。」
「え・・・、何となく?」
「うん。」
シュタイナーが唖然とする。
私はシュタイナーの肩を叩き、首を横に振る。
「この人の何の根拠もない発言、あんまり気にしない方がいいですよ。
言った本人も、自分の発言の説明出来ないんですから。」
コイツはこういう性格なのだと言い聞かせる。
「え、あ、うん。」
「失礼な!」
何か憤慨してるけど、先に失礼な発言したのそっちだからな。
「初めて会った時に、優しそうな人だって思ったぞ!」
「だからって、絶対大丈夫なんて軽々しく言うもんじゃないよ。」
「大丈夫だ!ミリアムが止めるだろ?」
そう言われても。
まぁ、本当に魔王になりそうなら止めるけどさ。
「そりゃ、身内が魔王になる様な仕打ちを受けてたら、そいつ等をぶっ飛ばしに行くし、止めるけど。
どうしようもなく憎い、無理だとか言われたら、止めないかなぁ。
だって、私もデイヴィッドが殺されたとかだったら、殺した奴を死ぬより惨たらしい方法で痛めつけて、苦しめて、精神的にも追い詰めると思うから。」
「ほら、ミリアムの考えてる事、物騒だろ?
こんな事考える人には見えないから、シュタイナーさんは。」
「おい。」
ニヤニヤ笑うデイヴィッドを後で絶対殴ろうと心に決めた。
シュタイナーはやや引き攣った顔をしているが、それは私の発言かデイヴィッドの発言どちらによるものかは分からない。
傍から見ていた他の面々も口を挟む。
「そうさのぅ。妾もミリアムが誰ぞの手に掛かれば、その輩を滅するかのぅ。」
「うはっ!それは嬉しいですが、そこは銀華さんの番の人がにしておきましょうよ。」
「あやつは滅多な事では死なんから、考えるだけ無駄な事。それよりもお主の方が人間の身であるからの。」
「うへ、うへへ。ありがとうございます。」
銀華さんに心配していただきました!
いやぁ、私もチート機能があるのでちょっとやそっとでは死なないけどね?
気恥ずかしい思いで気持ち悪い笑いをしていると、アリスが手を挙げて主張してきた。
「私も!私も!ミリアムが誰かに悪い事されたら、その人を、ええと・・・。」
可愛いなぁ・・・。
具体的に何をするかが良い子だから、思い付かない所が兎に角可愛い。
アリスの頭を撫でくり、撫でくり。
頬染めるアリスも可愛いよぉおおおお!!
「ありがとう。私もアリスに害を為す輩が居たら、腸引きずり出してそれを巻き取ってやるからね!」
きらりと爽やかな笑顔で言った瞬間、少し赤い顔をしていたアリスの顔が真っ青になった。
あれ?どうしたの?
そこは喜ぶ所じゃないの?
「ミリアムさぁ、そういう所だぞ。普通の女の人が腸とか言わないし、報復の仕方がドン引きするレベルだから。
よくそんな事さらっと思いつくよな。
やっぱり魔王だよ。」
嬉しそうに言ってる。
「お前、後でどうなるか分かってんだろうな。」
ドスの効いた声でデイヴィッドに優しく諭す。
素知らぬ顔で口笛吹いてやがる。
「ね?シュタイナーさん、どっちが魔王っぽいかって皆に聞いたら、全員がミリアムって答えるから。
もう気にしない方がいい。
どうなるか分からない先の事を考えて暗くなるより、今を楽しもう。」
この超楽観的思考も変わってない。
先行きの見えない将来を悩んでいた私を、今の様に笑って励ましてくれた。
ただ私が彼の上を行く超悲観的思考の持ち主なので、何でもかんでもイケるばっかり言いやがってと、お尻に回し蹴りを喰らわしたのも良い思い出だ。
きっとシュタイナーは私程悲観的では無いだろう。
その証拠にデイヴィッドの事を眩しい物を見る様な目で見ているから。
私の開き直りと違って、彼の場合は本当に大丈夫!と思っている。
羨ましい性格だ。
「そ、そうかな・・・。」
何か素に戻ってるシュタイナーが手を胸の前で組む。
デイヴィッドは二カッと笑顔で答える。
その笑顔に漸くシュタイナーの表情が明るくなる。
はぁ、と私は溜息を吐く。
そこをアリスがどうしたのかと尋ねて来た。
「やっぱりなぁと思って。」
「何が?」
更に不思議そうな顔になるアリス。
空気と化したセイさんも分かったみたいで苦笑している。
凄く苦い気持ちで私は言葉を吐き出す。
「アリス、前に私の事人たらしとか言ってたでしょ。」
「え?ああ、うん。だってファンクラブとかも出来てるし。銀華さんにも気に入られてるじゃない?」
銀華さんはドラゴンだが、それはいいとして。
「真の人たらしというものがどれほど恐ろしいか、今に分かるよ・・・。」
「真の人たらし?」
そうだ、私の様に作られたもんじゃなく、天然物のな。
「な、何の根拠があるの!?」
デイヴィッドがまた適当な事を言っている。
シュタイナーもそう思っているだろうな。
声を荒げるのは滅多に、いや初めて見たかな。
「えっと。何となく、優しそうな感じがしたから。」
「え・・・、何となく?」
「うん。」
シュタイナーが唖然とする。
私はシュタイナーの肩を叩き、首を横に振る。
「この人の何の根拠もない発言、あんまり気にしない方がいいですよ。
言った本人も、自分の発言の説明出来ないんですから。」
コイツはこういう性格なのだと言い聞かせる。
「え、あ、うん。」
「失礼な!」
何か憤慨してるけど、先に失礼な発言したのそっちだからな。
「初めて会った時に、優しそうな人だって思ったぞ!」
「だからって、絶対大丈夫なんて軽々しく言うもんじゃないよ。」
「大丈夫だ!ミリアムが止めるだろ?」
そう言われても。
まぁ、本当に魔王になりそうなら止めるけどさ。
「そりゃ、身内が魔王になる様な仕打ちを受けてたら、そいつ等をぶっ飛ばしに行くし、止めるけど。
どうしようもなく憎い、無理だとか言われたら、止めないかなぁ。
だって、私もデイヴィッドが殺されたとかだったら、殺した奴を死ぬより惨たらしい方法で痛めつけて、苦しめて、精神的にも追い詰めると思うから。」
「ほら、ミリアムの考えてる事、物騒だろ?
こんな事考える人には見えないから、シュタイナーさんは。」
「おい。」
ニヤニヤ笑うデイヴィッドを後で絶対殴ろうと心に決めた。
シュタイナーはやや引き攣った顔をしているが、それは私の発言かデイヴィッドの発言どちらによるものかは分からない。
傍から見ていた他の面々も口を挟む。
「そうさのぅ。妾もミリアムが誰ぞの手に掛かれば、その輩を滅するかのぅ。」
「うはっ!それは嬉しいですが、そこは銀華さんの番の人がにしておきましょうよ。」
「あやつは滅多な事では死なんから、考えるだけ無駄な事。それよりもお主の方が人間の身であるからの。」
「うへ、うへへ。ありがとうございます。」
銀華さんに心配していただきました!
いやぁ、私もチート機能があるのでちょっとやそっとでは死なないけどね?
気恥ずかしい思いで気持ち悪い笑いをしていると、アリスが手を挙げて主張してきた。
「私も!私も!ミリアムが誰かに悪い事されたら、その人を、ええと・・・。」
可愛いなぁ・・・。
具体的に何をするかが良い子だから、思い付かない所が兎に角可愛い。
アリスの頭を撫でくり、撫でくり。
頬染めるアリスも可愛いよぉおおおお!!
「ありがとう。私もアリスに害を為す輩が居たら、腸引きずり出してそれを巻き取ってやるからね!」
きらりと爽やかな笑顔で言った瞬間、少し赤い顔をしていたアリスの顔が真っ青になった。
あれ?どうしたの?
そこは喜ぶ所じゃないの?
「ミリアムさぁ、そういう所だぞ。普通の女の人が腸とか言わないし、報復の仕方がドン引きするレベルだから。
よくそんな事さらっと思いつくよな。
やっぱり魔王だよ。」
嬉しそうに言ってる。
「お前、後でどうなるか分かってんだろうな。」
ドスの効いた声でデイヴィッドに優しく諭す。
素知らぬ顔で口笛吹いてやがる。
「ね?シュタイナーさん、どっちが魔王っぽいかって皆に聞いたら、全員がミリアムって答えるから。
もう気にしない方がいい。
どうなるか分からない先の事を考えて暗くなるより、今を楽しもう。」
この超楽観的思考も変わってない。
先行きの見えない将来を悩んでいた私を、今の様に笑って励ましてくれた。
ただ私が彼の上を行く超悲観的思考の持ち主なので、何でもかんでもイケるばっかり言いやがってと、お尻に回し蹴りを喰らわしたのも良い思い出だ。
きっとシュタイナーは私程悲観的では無いだろう。
その証拠にデイヴィッドの事を眩しい物を見る様な目で見ているから。
私の開き直りと違って、彼の場合は本当に大丈夫!と思っている。
羨ましい性格だ。
「そ、そうかな・・・。」
何か素に戻ってるシュタイナーが手を胸の前で組む。
デイヴィッドは二カッと笑顔で答える。
その笑顔に漸くシュタイナーの表情が明るくなる。
はぁ、と私は溜息を吐く。
そこをアリスがどうしたのかと尋ねて来た。
「やっぱりなぁと思って。」
「何が?」
更に不思議そうな顔になるアリス。
空気と化したセイさんも分かったみたいで苦笑している。
凄く苦い気持ちで私は言葉を吐き出す。
「アリス、前に私の事人たらしとか言ってたでしょ。」
「え?ああ、うん。だってファンクラブとかも出来てるし。銀華さんにも気に入られてるじゃない?」
銀華さんはドラゴンだが、それはいいとして。
「真の人たらしというものがどれほど恐ろしいか、今に分かるよ・・・。」
「真の人たらし?」
そうだ、私の様に作られたもんじゃなく、天然物のな。
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