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学園編
悪魔は敵か味方か(王太子ラインハルト視点)
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執務室にて、頭を抱える私に、愛しい婚約者はちょっと困った顔をした。
そして、婚約者の妹は、キラキラした瞳をしている。
「凄い! 凄いですわ! お義兄様! メルアは天才ですわよ!」
「いつ、あの悪魔のような男と友人になったんだい? ティーア?」
騎士団に入った情報。リュゼ公爵家次男が立ち上げた商会、ユーア商会がガラスの偽宝石を高値で取引しているというもの。
ご丁寧に証拠まで突きつけて……だ。
確かに、バーナード公子には、摘発する理由はある。元は自分がやった事業であり、それを悪徳商人が使えば、彼の店のガラス細工も売れなくなる可能性がある。
商売は信用。その信用を守るためなら、手段は厭うてられない。ただし、あの男に関しては別だ。
確かに商人としても優秀なのだろうが、あいつは信用で成り立っているようで違う。貴族らしい、腹の探り合いと、蹴落とし合いで成り立っている。
自分にとって邪魔だと思えば、嬉々として罠に嵌めるだろうし、相手が嵌ったとわかれば、本気で潰してくる。
恐らくそれは、我らが王家に対しても同じ。それでも、キャロという爆弾を抱えているのだから。
だからこそ、円満な婚約破棄又は白紙なのだ。第二王子を無事に生活させたいなら、王家が醜聞を抱えたくないならば、穏便に済ませろという。
「……ティーア、公子は信用し過ぎるな。あまりにも危険過ぎる」
「確かにちょっと怖い雰囲気はありますけど、悪い人ではありませんわよ?」
良いか悪いかで判断可能な男ではないだろう! これから、どれだけ社交界が荒れることか……。
「王家も、痛手を追うことは覚悟しないとダメか……?」
「ラインハルト様、彼を貴方側に引き込むことはできませんの?」
「アレは、誰だろうと味方にも敵にもならない性格だ。互いに利点がある内は味方だろうが……」
それが無ければ敵又は傍観者だ。そして、王家は既に傍観者の立場から抜け出してしまった。
婚約破棄……か。
「愚弟が馬鹿なことをする前に手を打った方がいいか……? 痛手は少ない方がいいしな」
準備だけでもしておかねば、取り返しがつかないことになる気がする。
そして、婚約者の妹は、キラキラした瞳をしている。
「凄い! 凄いですわ! お義兄様! メルアは天才ですわよ!」
「いつ、あの悪魔のような男と友人になったんだい? ティーア?」
騎士団に入った情報。リュゼ公爵家次男が立ち上げた商会、ユーア商会がガラスの偽宝石を高値で取引しているというもの。
ご丁寧に証拠まで突きつけて……だ。
確かに、バーナード公子には、摘発する理由はある。元は自分がやった事業であり、それを悪徳商人が使えば、彼の店のガラス細工も売れなくなる可能性がある。
商売は信用。その信用を守るためなら、手段は厭うてられない。ただし、あの男に関しては別だ。
確かに商人としても優秀なのだろうが、あいつは信用で成り立っているようで違う。貴族らしい、腹の探り合いと、蹴落とし合いで成り立っている。
自分にとって邪魔だと思えば、嬉々として罠に嵌めるだろうし、相手が嵌ったとわかれば、本気で潰してくる。
恐らくそれは、我らが王家に対しても同じ。それでも、キャロという爆弾を抱えているのだから。
だからこそ、円満な婚約破棄又は白紙なのだ。第二王子を無事に生活させたいなら、王家が醜聞を抱えたくないならば、穏便に済ませろという。
「……ティーア、公子は信用し過ぎるな。あまりにも危険過ぎる」
「確かにちょっと怖い雰囲気はありますけど、悪い人ではありませんわよ?」
良いか悪いかで判断可能な男ではないだろう! これから、どれだけ社交界が荒れることか……。
「王家も、痛手を追うことは覚悟しないとダメか……?」
「ラインハルト様、彼を貴方側に引き込むことはできませんの?」
「アレは、誰だろうと味方にも敵にもならない性格だ。互いに利点がある内は味方だろうが……」
それが無ければ敵又は傍観者だ。そして、王家は既に傍観者の立場から抜け出してしまった。
婚約破棄……か。
「愚弟が馬鹿なことをする前に手を打った方がいいか……? 痛手は少ない方がいいしな」
準備だけでもしておかねば、取り返しがつかないことになる気がする。
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