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後編
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気づいたとき、咲子は青くてきれいな水の中をぐんぐんと下に落ちていくところでした。
咲子はおどろいてあわてて手を口にあて、またおどろきました。
息ができるのです。
咲子はいまよりほんのすこし幼い時に家族でプールに行ったことがあります。
とってもとっても暑い日で冷たい水が気持ちよくて、つい深いところに行ってしまい咲子はおぼれかけました。
お父さんが助けてくれましたが、咲子はプールがきらいになり、息ができないのはもっときらいになりました。
そのとき咲子はお魚になりたいとお父さんに言って笑われました。
咲子は今、お魚のようなぶくぶくなどなくて、それでも咲子は自由に息ができるのです。
けれども、咲子はだんだんと不安になって、落ちながら周りを見まわしました。
下へ下へとものすごい速さのはずなのに、不思議と景色は少しずつしかかわらないのです。
ゆらゆらとおどる大きな水草の森も、ごつごつとおおきな石も、たしかに咲子の家にある泉の中の、神さまの世界なのに、ほんの少しずつしか近づいてこないのです。
それでも、何回かはまっかできれいな金魚がそばを通ったり、ザリガニが岩の上に立ってぼんやりとむこうがわをながめているのをみたりしました。
咲子はゆっくりと落ちていくのにまっかできれいな金魚はすーいすーいと咲子よりも早く泳いでいくのでした。
咲子はだんだん眠くなってきました。水の中はとろん、としていて、まるで、冬の日に日なたぼっこをしているようにあたたかくてやさしいのです。
ふと、目を下にむけると、咲子が落ちていく暗い岩のあいだで、なにかが青くきらり、とまたたきました。
それがなにかわからなかったので、咲子がぐっと首をのばして岩のあいだを見つめていると。
金魚でした。青く青い、それはとびっきりきれいな青い金魚でした。
ひらひらとしっぽを水におどらせて、上から差し込むちょっとの光でうろこが少しだけきらきらと光る、青い目がきらり、とかがやいて光りを放つ、とても大きな青い金魚でした。
ついうっとりとその金魚にみとれていると、青い金魚はとつぜん、口からたくさんのあわをはきだしました。
それはぶくぶくと咲子をかこみ、まとわりつき、咲子はびっくりして手や足をじたばたとふりまわしました。
そのときにあんまりふりまわしたせいでしょうか、咲子の右足からサンダルがすり抜け、いたずらな水の風に流されてしまいました。
咲子があっとおもったときにはもう遅く、サンダルは手が届かないくらい遠くへ行ってしまいました。
しかし、そんなことは関係なくたくさんあるあわのひとつが咲子をつつみこんでしまいます。
ふわふわとしたあわの中で、咲子は夢をみました。
それはさっき、青いクレヨンを買ってきたお母さんに咲子が「大っきらい!」と言ったところでおわり、ぱちん、とはじけました。
すぐに別のあわが咲子をつつみこむと、それは一週間前、なかよしのちえちゃんとけんかをして泣きながら帰ってきた咲子をお母さんがぎゅっとしているところだったり、先月、久しぶりに帰ってきたお父さんと家族三人で楽しくご飯をたべているところだったり、だんだん前へと戻っていくのでした。
あわはたくさん咲子をつつんで夢をみせてははじけて、なくなっていきました。
あんなにあったあわがとうとう2つしかなくなり、それにつつまれたとき、咲子はまだ赤ん坊で、お母さんの腕の中にいました。
まっしろなおくるみにつつまれた咲子をお母さんはほっそりとした両腕で大事に抱きしめ、ベッドの横に座っていたお父さんに話かけました。
「みてくださいな、あなた。私たちの子、とってもかわいいのよ」
「そうか?おれにはサルに見えるぞ」
お父さんは産まれたばかりの咲子をまじまじと見て、まるでサルのようだといいました。
咲子はむっとしてなかなか開かない目を一生懸命に開けてお母さんを見ました。
「まぁ、こんなにかわいい子をサルだなんて。ふふ、おかしいわ。
あら、おはよう。あなたも笑ってしまうでしょう? そうよね。お父さまったらひどいわね。……本当になんてかわいいのかしら。まるで花が咲くように笑うのね。
そうだわ、あなた、『咲子』なんてどうかしら。花が咲くように笑う、かわいい子。あなたにぴったりだわ」
くすくすと笑うお母さんにつられて咲子はふにゃふにゃと笑いました。
お母さんのやさしい、甘い匂いのする胸に抱かれて、咲子は目を閉じました。
ぱちん、とはじける音にはっと目を開けると同時に、咲子の目の前は真っ暗になりました。
さっきまでのあたたかいお母さんの腕はもうありません。
びっくり怖くなって周りを見わたすと途方もない闇のどこからか声がきこえてきました。
それは幾重にもかさなって、近くから遠くからひびいてきました。
「産まれておいで」「待っているよ」「うまれておいで」と。
それはお母さんの声であったし、お父さんの声であったし、まったく知らない声でありました。
真っ暗の中、気がつくと近くに、あの青いきれいな金魚がきていました。
きらり、と光る青い目で咲子を見ていました。
なので咲子もじっと金魚の青い目を見つめかえしました。
それはずっと長くにも思えましたし、ほんの少しの時間にも思えました
やがて真っ暗は咲子をのこしてぐらぐらと揺れはじめたのです。
どこからか耳が痛いほどの風の音が聞こえて、咲子は揺れとびっくりにしりもちをついてしまいました。
青い金魚はすーいすーいと咲子の前まで来ると座りこんだ咲子にあわせて、ぱっくりと口を開きました。
まるで、お入りなさいとでもいうように口を開けて、金魚は待っていました。
誘われるようにおそるおそるのぞいてみた口の中はきらきらと白くかがやいていて、そこにもその先にもなにがあるかはわかりませんでした。
胸をどきどきさせながらみていると風がごうごうと強くなり、真っ暗はもっと大きく揺れだしました。
どこからか聞こえてきていた声はもうしませんでしたが、咲子にはわかりました。
産まれるのです。咲子は、これから青い金魚におくりだされて、お母さんとお父さんの子どもになるのです。
そして、このたくさんのきらきらと一緒に、生きていくのです。
咲子は口を開いたまま待ってくれている金魚の青い目を見ました。
すーい、とせかすようにぎりぎりにまで近づいてきた青い金魚の目が、大丈夫だよ、とやさしく笑った気がして
咲子は急にお母さんに会いたくなって、金魚の口の中にとびこみました。
金魚はお母さんみたいなあたたかい目をして、口の中にとびこんできた咲子を抱きしめるようにゆっくり青い目を閉じて、もう一度開けるときらりと光らせて、またすーいすーいとどこかへおよいでいってしまいました。
泉の前で、咲子は目をさましました。
ちょっとだけぼんやりしながらあたりを見まわして、咲子ははっ、と泉の中をのぞきこみました。
泉の中にはもう、きらり、と光るものは見えませんでした。
ただこんこんと冷たい水が湧き、中には咲子が縁日なんかですくってきた真っ赤な金魚がすーいすーいとおよいでいるだけでした。
静かでにぎやかな、咲子の大好きな泉があるばかりでした。
「夢、だったのかしら」
咲子はちょっとがっかりしました。
でも、たとえ夢だったのだとしても咲子は今、とてもしあわせな気分でした。
だからうれしくなって一人でくすくすと笑っていると、遠くで咲子を呼ぶお母さんの声がしました。
おもわずお母さん、とつぶやくとどうしてもたまらなくお母さんに会いたくなって、ぎゅっとしてほしくて。
咲子は立ち上がって、おもいっきり走りだしました。
まず、ごめんなさいを言うわ。その後に大好き、って言ってぎゅってして、青い金魚の話をするの。
それから、お母さんが買ってきてくれたとびっきりきれいな青のクレヨンを使って、あの金魚の神さまをかくのよ。
かけたらお母さんに見せて、泉にいる青い金魚の神さまがわたしをお母さんとお父さんのところにおくりだしてくれたのよっておしえてあげよう。
わくわくとした気持ちで前だけしか見えていない咲子の右足にお気に入りのサンダルがないのを今はただ、泉の中ですーいすーいとおよぐ金魚だけが見ていました。
咲子はおどろいてあわてて手を口にあて、またおどろきました。
息ができるのです。
咲子はいまよりほんのすこし幼い時に家族でプールに行ったことがあります。
とってもとっても暑い日で冷たい水が気持ちよくて、つい深いところに行ってしまい咲子はおぼれかけました。
お父さんが助けてくれましたが、咲子はプールがきらいになり、息ができないのはもっときらいになりました。
そのとき咲子はお魚になりたいとお父さんに言って笑われました。
咲子は今、お魚のようなぶくぶくなどなくて、それでも咲子は自由に息ができるのです。
けれども、咲子はだんだんと不安になって、落ちながら周りを見まわしました。
下へ下へとものすごい速さのはずなのに、不思議と景色は少しずつしかかわらないのです。
ゆらゆらとおどる大きな水草の森も、ごつごつとおおきな石も、たしかに咲子の家にある泉の中の、神さまの世界なのに、ほんの少しずつしか近づいてこないのです。
それでも、何回かはまっかできれいな金魚がそばを通ったり、ザリガニが岩の上に立ってぼんやりとむこうがわをながめているのをみたりしました。
咲子はゆっくりと落ちていくのにまっかできれいな金魚はすーいすーいと咲子よりも早く泳いでいくのでした。
咲子はだんだん眠くなってきました。水の中はとろん、としていて、まるで、冬の日に日なたぼっこをしているようにあたたかくてやさしいのです。
ふと、目を下にむけると、咲子が落ちていく暗い岩のあいだで、なにかが青くきらり、とまたたきました。
それがなにかわからなかったので、咲子がぐっと首をのばして岩のあいだを見つめていると。
金魚でした。青く青い、それはとびっきりきれいな青い金魚でした。
ひらひらとしっぽを水におどらせて、上から差し込むちょっとの光でうろこが少しだけきらきらと光る、青い目がきらり、とかがやいて光りを放つ、とても大きな青い金魚でした。
ついうっとりとその金魚にみとれていると、青い金魚はとつぜん、口からたくさんのあわをはきだしました。
それはぶくぶくと咲子をかこみ、まとわりつき、咲子はびっくりして手や足をじたばたとふりまわしました。
そのときにあんまりふりまわしたせいでしょうか、咲子の右足からサンダルがすり抜け、いたずらな水の風に流されてしまいました。
咲子があっとおもったときにはもう遅く、サンダルは手が届かないくらい遠くへ行ってしまいました。
しかし、そんなことは関係なくたくさんあるあわのひとつが咲子をつつみこんでしまいます。
ふわふわとしたあわの中で、咲子は夢をみました。
それはさっき、青いクレヨンを買ってきたお母さんに咲子が「大っきらい!」と言ったところでおわり、ぱちん、とはじけました。
すぐに別のあわが咲子をつつみこむと、それは一週間前、なかよしのちえちゃんとけんかをして泣きながら帰ってきた咲子をお母さんがぎゅっとしているところだったり、先月、久しぶりに帰ってきたお父さんと家族三人で楽しくご飯をたべているところだったり、だんだん前へと戻っていくのでした。
あわはたくさん咲子をつつんで夢をみせてははじけて、なくなっていきました。
あんなにあったあわがとうとう2つしかなくなり、それにつつまれたとき、咲子はまだ赤ん坊で、お母さんの腕の中にいました。
まっしろなおくるみにつつまれた咲子をお母さんはほっそりとした両腕で大事に抱きしめ、ベッドの横に座っていたお父さんに話かけました。
「みてくださいな、あなた。私たちの子、とってもかわいいのよ」
「そうか?おれにはサルに見えるぞ」
お父さんは産まれたばかりの咲子をまじまじと見て、まるでサルのようだといいました。
咲子はむっとしてなかなか開かない目を一生懸命に開けてお母さんを見ました。
「まぁ、こんなにかわいい子をサルだなんて。ふふ、おかしいわ。
あら、おはよう。あなたも笑ってしまうでしょう? そうよね。お父さまったらひどいわね。……本当になんてかわいいのかしら。まるで花が咲くように笑うのね。
そうだわ、あなた、『咲子』なんてどうかしら。花が咲くように笑う、かわいい子。あなたにぴったりだわ」
くすくすと笑うお母さんにつられて咲子はふにゃふにゃと笑いました。
お母さんのやさしい、甘い匂いのする胸に抱かれて、咲子は目を閉じました。
ぱちん、とはじける音にはっと目を開けると同時に、咲子の目の前は真っ暗になりました。
さっきまでのあたたかいお母さんの腕はもうありません。
びっくり怖くなって周りを見わたすと途方もない闇のどこからか声がきこえてきました。
それは幾重にもかさなって、近くから遠くからひびいてきました。
「産まれておいで」「待っているよ」「うまれておいで」と。
それはお母さんの声であったし、お父さんの声であったし、まったく知らない声でありました。
真っ暗の中、気がつくと近くに、あの青いきれいな金魚がきていました。
きらり、と光る青い目で咲子を見ていました。
なので咲子もじっと金魚の青い目を見つめかえしました。
それはずっと長くにも思えましたし、ほんの少しの時間にも思えました
やがて真っ暗は咲子をのこしてぐらぐらと揺れはじめたのです。
どこからか耳が痛いほどの風の音が聞こえて、咲子は揺れとびっくりにしりもちをついてしまいました。
青い金魚はすーいすーいと咲子の前まで来ると座りこんだ咲子にあわせて、ぱっくりと口を開きました。
まるで、お入りなさいとでもいうように口を開けて、金魚は待っていました。
誘われるようにおそるおそるのぞいてみた口の中はきらきらと白くかがやいていて、そこにもその先にもなにがあるかはわかりませんでした。
胸をどきどきさせながらみていると風がごうごうと強くなり、真っ暗はもっと大きく揺れだしました。
どこからか聞こえてきていた声はもうしませんでしたが、咲子にはわかりました。
産まれるのです。咲子は、これから青い金魚におくりだされて、お母さんとお父さんの子どもになるのです。
そして、このたくさんのきらきらと一緒に、生きていくのです。
咲子は口を開いたまま待ってくれている金魚の青い目を見ました。
すーい、とせかすようにぎりぎりにまで近づいてきた青い金魚の目が、大丈夫だよ、とやさしく笑った気がして
咲子は急にお母さんに会いたくなって、金魚の口の中にとびこみました。
金魚はお母さんみたいなあたたかい目をして、口の中にとびこんできた咲子を抱きしめるようにゆっくり青い目を閉じて、もう一度開けるときらりと光らせて、またすーいすーいとどこかへおよいでいってしまいました。
泉の前で、咲子は目をさましました。
ちょっとだけぼんやりしながらあたりを見まわして、咲子ははっ、と泉の中をのぞきこみました。
泉の中にはもう、きらり、と光るものは見えませんでした。
ただこんこんと冷たい水が湧き、中には咲子が縁日なんかですくってきた真っ赤な金魚がすーいすーいとおよいでいるだけでした。
静かでにぎやかな、咲子の大好きな泉があるばかりでした。
「夢、だったのかしら」
咲子はちょっとがっかりしました。
でも、たとえ夢だったのだとしても咲子は今、とてもしあわせな気分でした。
だからうれしくなって一人でくすくすと笑っていると、遠くで咲子を呼ぶお母さんの声がしました。
おもわずお母さん、とつぶやくとどうしてもたまらなくお母さんに会いたくなって、ぎゅっとしてほしくて。
咲子は立ち上がって、おもいっきり走りだしました。
まず、ごめんなさいを言うわ。その後に大好き、って言ってぎゅってして、青い金魚の話をするの。
それから、お母さんが買ってきてくれたとびっきりきれいな青のクレヨンを使って、あの金魚の神さまをかくのよ。
かけたらお母さんに見せて、泉にいる青い金魚の神さまがわたしをお母さんとお父さんのところにおくりだしてくれたのよっておしえてあげよう。
わくわくとした気持ちで前だけしか見えていない咲子の右足にお気に入りのサンダルがないのを今はただ、泉の中ですーいすーいとおよぐ金魚だけが見ていました。
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