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15 勘違いの熱いなにか
しおりを挟む「ここでの生活はどうだ?」
と、唐突に、ご質問されましたが。
これって、貴族の位剥奪して神殿送りにしてやったが、ねぇねぇいまどんな気持ち?
的な……やつでしょうか?
それとも単純に気になった? どちらですかね?
とりあえずわかりませんので正直に、私の1日の生活をおはようから、おやすみまで語らせていただきました。
なかなかに充実した勤労活動!
ただ、やはり仕事量があまりにも少ないのが少々欲求不満です。
なのに、この方は
「っ……!そんなに働かされているのか? それに床に這いつくばらされて……! 床を手で掃除させられて……?!」
と、よくわかりませんが、大変驚かれているご様子……。
やっぱり仕事量足りませんよね。
「孤児院のほうは、頼まれておりませんよ? 勝手に行ってるだけです。夜に子ども達と過ごしますと、よくねむれるのです。」
「……そうか。」
よくわかりませんが、納得されたご様子。
それは、よかったよかった。
「では、私はまだお仕事が残っておりますので……失礼致します。」
「……ああ。」
なんだったんですかね、あれは。
まあ私に俗世などもう無関係なのでこの充実した神殿の神官生活を引き続き、楽しみたいと思います。
なんだあれ……。
いくら貴族の位を剥奪して神殿に送ったからと言って……。
元貴族の令嬢が、あんな粗末な下級神官の服を着せられて、平民専用の礼拝堂で……?
仕事をさせられているだと?!
あんなぼろ布のようなもので? この寒さの中で?
髪も…、あんな短く切られて。
あれじゃまるで罪人じゃないか。
それに日の出前から……深夜まで……スカーレットは、ずっと働かされているのか?
彼女は確かに多少頭がおかしいというか、変わってるというか……。
アレな所が……、奇行が目立っていたが。
貴族の位を剥奪したのも……スカーレットが侯爵令嬢のままだと殿下の婚姻の邪魔になると命令されただけだったのに。
こんなことになっているだなんて!!
手もあかぎれだらけで……あんなに痩せて?!
俺たちは、一体何をしてしまったんだ、彼女に。
プロの社畜に名前すら覚えられていない攻略対象者1は、勘違いの熱い炎を燃やす。
神官服がボロボロなのも手があかぎれだらけなのも、それはスカーレットの社畜魂が燃え上がり頼まれてもない、仕事を勝手に行い、今日も幼児達にヨダレで汚されただけである。
下級神官服というが、貴族や神殿長等の役職者以外はみんな下級神官の服を着るのだ。
なのでこれが、一般的だし中に服を着てるのでそんなに寒くないのだが。
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