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十二話
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私はエンデルス家の庭にあるガゼボでお茶をしていた。紅茶を口に含み、対面にいるカミラを見た。風で揺れるさらさらな赤髪を手で押さえながら、とても柔らかい笑みを浮かべてスカイブルーの瞳でこちらを見てくる。ついにその表情に心奪われてしまいそうになった。もし私が男であったなら、今すぐに婚約を申し込んでいたことだろう。このカミラの素晴らしさが分からないバルトロメウスの神経を疑う。
「ありがとう! アデリナ。あなたのおかげであの人と婚約を解消ができたわ!」
カミラは私の手を柔らかいて触り心地の良い両手で握りそう言った。私はついついクールぶって言ってしまった。
「いえ、私の大切の友人のためですもの。それにエンデルス家があのような輩に奪われる訳にはいかないもの」
「もう~、無粋なことを付け足して言う必要ないじゃない」
カミラは口先を少し前に出すようにして拗ねて言った。
「ごめん、ごめん。何だろう? 素直になれない彼氏面をして見たくなったの」
「またアデリナが意味の分からないことを言っているわ」
カミラは紅茶の入っているカップに唇を当てそう言った。そしてカミラは私を見て
「それに、エンデルス家とアーレンス家は言い方が少しおかしいかもしれないけど、比翼連理のような関係ですものね。どちらかに倒れられたら困るのは事実だものね」
と言った。
「そうね。作物の改良で世界最高のと評される小麦と毎年高音がつくワインを生産するエンデルス家と外交大臣を代々排出したノウハウを使って帝国最大の貿易港と呼ばれる港を作り上げたアーレンス家はまさにそのような関係ね。カミラの言葉を借りるなら、アーレンス家が夫でエンデルス家が妻ね。相変わらず詩的な表現をするわね。カミラはクールぶって現実主義者っぽく振る舞っているけど、結構ロマンティストですものね」
私は少しからかうように言った。カミラは後になって少し恥ずかしくなったのか顔を赤らめていた。
「もうからかわないで! 事実だけど……。それよりも! 聞いた? リシャール公が開く夜会について」
カミラは誤魔化すようにそう言った。だけどその話題は私たちにとって重要な話であったので真面目な表情で私は言った。
「えぇ、私のところにも招待状が届いたわ。カミラも?」
「えぇ」
私たちは心底面倒臭そうにため息を吐いた。
「本当にリシャール公の皇帝陛下第一主義には困ったものね」
私はそう言った。このリシャール公という人物は皇帝陛下に篤い信仰心を抱いていることで有名な人物である。今回は陛下の政策での婚約の多くが解消されているということを知り、夜会を開き、寄りを戻させるまたは他の婚約者を見つけさせようと言う考えなのだろう。なかなか鬱陶しいお節介である
「本当に。でも今回は没落しかけている家も成功している家も両方混ざっているのでしょう? ちょっとはマシじゃないかしら」
カミラは少し楽観しているようだ。
「カミラ。そうは言っても圧倒的に没落している家が多いのよ。きっと素敵な殿方にはわらわらとそのような家の令嬢たちが囲ってしまうに違いないわ。それに私たちはその逆の目に会うのよ。恐怖以外の何者でもないわ」
私は本当に身の毛がよだつな話であるとカミラに言った。カミラもその事実に気づきその情景を想像したのか両手で自分を抱きしめて震えていた。
「……私、今すぐにでも欠席したくなって来たわ」
「でも、相手は格上よ。よっぽどの事がない限り欠席は許されないわ。もし不適切な理由で欠席すれば、社交界での私たちの家の立場がなくなってしまうわ」
私たちはまた深くため息を吐いたのであった。
「ありがとう! アデリナ。あなたのおかげであの人と婚約を解消ができたわ!」
カミラは私の手を柔らかいて触り心地の良い両手で握りそう言った。私はついついクールぶって言ってしまった。
「いえ、私の大切の友人のためですもの。それにエンデルス家があのような輩に奪われる訳にはいかないもの」
「もう~、無粋なことを付け足して言う必要ないじゃない」
カミラは口先を少し前に出すようにして拗ねて言った。
「ごめん、ごめん。何だろう? 素直になれない彼氏面をして見たくなったの」
「またアデリナが意味の分からないことを言っているわ」
カミラは紅茶の入っているカップに唇を当てそう言った。そしてカミラは私を見て
「それに、エンデルス家とアーレンス家は言い方が少しおかしいかもしれないけど、比翼連理のような関係ですものね。どちらかに倒れられたら困るのは事実だものね」
と言った。
「そうね。作物の改良で世界最高のと評される小麦と毎年高音がつくワインを生産するエンデルス家と外交大臣を代々排出したノウハウを使って帝国最大の貿易港と呼ばれる港を作り上げたアーレンス家はまさにそのような関係ね。カミラの言葉を借りるなら、アーレンス家が夫でエンデルス家が妻ね。相変わらず詩的な表現をするわね。カミラはクールぶって現実主義者っぽく振る舞っているけど、結構ロマンティストですものね」
私は少しからかうように言った。カミラは後になって少し恥ずかしくなったのか顔を赤らめていた。
「もうからかわないで! 事実だけど……。それよりも! 聞いた? リシャール公が開く夜会について」
カミラは誤魔化すようにそう言った。だけどその話題は私たちにとって重要な話であったので真面目な表情で私は言った。
「えぇ、私のところにも招待状が届いたわ。カミラも?」
「えぇ」
私たちは心底面倒臭そうにため息を吐いた。
「本当にリシャール公の皇帝陛下第一主義には困ったものね」
私はそう言った。このリシャール公という人物は皇帝陛下に篤い信仰心を抱いていることで有名な人物である。今回は陛下の政策での婚約の多くが解消されているということを知り、夜会を開き、寄りを戻させるまたは他の婚約者を見つけさせようと言う考えなのだろう。なかなか鬱陶しいお節介である
「本当に。でも今回は没落しかけている家も成功している家も両方混ざっているのでしょう? ちょっとはマシじゃないかしら」
カミラは少し楽観しているようだ。
「カミラ。そうは言っても圧倒的に没落している家が多いのよ。きっと素敵な殿方にはわらわらとそのような家の令嬢たちが囲ってしまうに違いないわ。それに私たちはその逆の目に会うのよ。恐怖以外の何者でもないわ」
私は本当に身の毛がよだつな話であるとカミラに言った。カミラもその事実に気づきその情景を想像したのか両手で自分を抱きしめて震えていた。
「……私、今すぐにでも欠席したくなって来たわ」
「でも、相手は格上よ。よっぽどの事がない限り欠席は許されないわ。もし不適切な理由で欠席すれば、社交界での私たちの家の立場がなくなってしまうわ」
私たちはまた深くため息を吐いたのであった。
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