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春日部⑥
朝、堀田を起こして帰らせた。
目は覚めてたらしくて、起こすのに苦労せずに済んだ。
町屋を起こさなかったのは、まだ起きるのには早い時間だったのと、気まずかったから。
堀田がいるのに、浴室でいつも通り、いや、いつも以上のことをしちまった。
幸い、堀田には全くバレていねぇ。朝からテンション高めのいつもの堀田で、ホッとした。
寝たらまず起きねぇことは分かってたけど、万が一ってこともあるし、内心かなりビビってた。
町屋との関係がバレるのもやべぇけど、何より自分のハズい声を聞かれんのが一番やべぇ。羞恥で死ぬ。
じゃあ、そんなやべぇことすんなよって話なんだろうけど、昨日のことは、町屋が全面的に悪い。
寝てるとは言え、堀田の前で俺に対してあんな風にするなんて思ってもみなかった。
不意を突かれて、唖然として、目の前の町屋を凝視してたら、勃起した。
だって、ついさっきまで「この玉子あんかけ美味しい」って邪気の無い顔して笑ってた奴が、すげぇいやらしく誘ってくるなんて、惑わされて当然だ。多分、聖人君子だって即堕ちする。
結局、からかわれただけで、涼しい顔して片付けを始めようとした町屋に腹が立った。
俺をその気にさせやがったくせに、町屋は平気なのかって。
蠱惑的に蠢く赤い舌と艶めく唇を、近くで見せつけられたんだから、堪んねーよ。
思いっきり奉仕させてやりたくなって、浴室まで引っ張ってった。
でも町屋は思い通りになんて、なんなかった。
キスしたのは俺からなのに、いつの間にか服を脱がされて、浴室に連れ込まれて、気付けばチンチンを尻に擦り付けられてた。
これはいくらなんでもやべぇって思うのに、チンチンと乳首も気持ちよくされて、思うように抵抗できなくて、最終的にはケツ穴にザーメンまでかけられちまってた。
指を入られて、舐められて、擦られて、ぶっかけられて。
どこかでストップをかけなきゃってのは分かってんだけど、やべぇことに、ケツが気持ちいいってことに俺は気付いちまった。
「神経が集まってるから」
「誰だって気持ちいい場所」
町屋が言ってた通りだった。
昨日も町屋の硬いチンチンがケツ穴に触れる度に、気持ちよくて体が震えた。
認めたくなくて「イヤだ」と口に出すと、弱々しい上に、どこか媚びてるみてぇな声が出て、羞恥でまた震えた。
それだけじゃねぇ。
俺のケツに興奮してる町屋が、どこかいじらしく感じちまって、馬鹿みてぇだって思ったけど興奮した。
それでも頭では、間違って入ったらどうすんだって恐怖もあって「ケツだけは止めろ!」って怒鳴ってやろうと考えてた。
でも「気持ちいいよ、春日部」ってやべぇ声で言われて、背中にキスをされると、自分は町屋にすげぇ求められてんだって気にさせられて、胸にぐっと来て、なんか泣きそうになっちまった。
このままじゃマズイ。
いつか「春日部の中入りたい」なんて言われたら、俺は断れなくなっちまうんじゃないだろうか。
でも町屋は、俺はゲイにはならない、大丈夫だ、って言ってたし、そもそもやるつもりはねぇのかも。
――大体入るのか?俺みたいな素人に。
町屋の立派なチンチンぶちこまれたら、切れ痔どころの騒ぎじゃねぇ。
一応、アナルセックスの方法をスマホで調べてみた。
「……うわ。」
やり方を検索したはずなのに、男同士が裸で絡み合う画像を見ちまって、気分が悪くなった。
以前、町屋とエロいことをする前も、こういう画像、つーか、エロ動画を間違って見ちまったことがあった。で、やっぱり今と同じように「うわっ」て思った。
今も昔も、男の裸を積極的に見たい訳じゃねぇ。
俺は何も変わってねぇ。
やっぱり俺はゲイじゃねぇ。
そのことにホッとした。
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