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春日部⑯

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    アナルセックス、やべぇ。

    ケツにチンチンが欲しくて堪んねぇ。
    前からやべぇとは思ってたけど、チンチン扱かれなくても、中だけでイケるようになっちまってからは、マジでやべぇ。
    チンチンを扱いてザーメン絞り出すんじゃなく、中から押し出されて出てくる感覚がすっげぇ快感。

    しかも、入れられてる間は、賢者タイムなしで、射精前の気持ち良さと、射精中の気持ち良さが交互に何回か続くから、イッてもイッても気持ち良くて、頭がおかしくなっちまいそうだ。

    実際、おかしくなってんのかも。

    中でザーメン出されんのが、やみつきになってる。

    出されてそのままでいると腹が痛くなるし、掻き出されんのはハズイ。だから外に出してもらった方がいいのに気付けば「中で出せ」って言っちまってる。

    イク瞬間、アイツのチンチンがデカくなって、ドクドク震えてんのを感じると鳥肌立つみてぇに、ぶわっ、て脳が痺れて、出てきた熱いザーメンを感じると充実感?なのかよく分かんねぇけど、感動した時みてぇに胸が熱くてじんわり涙が出てくる。マジやみつき。


    最近は中出しどころか、結構アブノーマルな行為でも受け入れちまってる。
    常識的に考えて、やべぇだろ、ってことも「お願い」って言われるとやってやりたくなる。


    大学のトイレで、やっちまった。

    その日は、町屋は3限からで、俺は2限目が空きコマで、早めに大学に来た町屋と人もまばらな学食で茶飲んで雑談してた。
    けど、急にアイツが困った顔して「どうしよ」って言ってきてどうしたのか聞いたら「勃ってきちゃった」って。
    ごくフツーの会話してたのに、何でだよ、マジかって思って「我慢できなきゃトイレで抜いてこい」って言った。
    そしたらアイツは「春日部に見られながら抜きたい」とかふざけたこと言い出して。
    嫌だって言ったんだけど「だめ?」って眉尻下げてお願いされて、その顔がすげぇ色っぽくて学食でするような顔じゃねぇから、誰かに見られたらマズイと思ってトイレ連れてった。

    見てやるつもりなんか無かったのに、個室に引っ張り込まれてキスされたら、俺もエロい気分になっちまって。

    結局見るだけじゃなく、しゃぶってやったし、ハメられちまった。

「興奮し過ぎて我慢できないっ」
「ちょっとだけでいいから入れたい」
「このままじゃ、これからの講義に集中できないよ、お願い」

    なんて言われて、「じゃあちょっとだけだぞ」なんて返事しちまった。

    あんま使われてねぇような場所のトイレに行ったけど、いつ誰が来るか分かんねぇ状態なのに、声が出ちまって、アイツの指咥えながら必死に堪えてた。

    町屋もあんま音が鳴らないようにゆっくりゆっくり突いてきて、もどかしいのに、もしバレたらってスリルに興奮して、やべぇくらいに感じてた。

    公共の場でこんなこと、女ともしたことがねぇのに。しかも興奮するなんて俺はマジでおかしい。

    でも、町屋だって大概オカシイから、似た者同士が親友で良かったのかもしれねぇ。
    他の奴じゃ満たせねぇ欲を俺は町屋に満たしてもらってる。町屋にとっても俺がそんな存在であればいいなって、思う。





「プレゼントなんていらねぇって。」

    親友は俺の誕生日を祝ってくれる気でいたらしい。

    夕飯を一緒に食ってる時に「春日部、来月誕生日だよね?プレゼント何がいい?」って聞かれた。
    その気持ちは嬉しいが、世話になってる分際でプレゼントなんて買ってもらうのは申し訳ねぇと思って断った。

「えー、だめだよ。僕の誕生日も祝ってくれたし、春日部の誕生日だって祝いたいんだよ。何でもいいから言ってみてよ、あるでしょ、欲しい物。」

    そりゃ欲しいモンはいっぱいあっけど、町屋にそこまで甘えられねぇ。

「……特に欲しいモンなんてねーから、マジで気持ちだけでいいって。」
「僕の誕生日の時もそう言ったのに、春日部は寝袋買ってくれて、キャンプにも連れてってくれたよね?」
「そりゃ、お前には世話になってっから。」
「僕だって世話になってる。春日部と一緒に暮らす前は、朝食はコーヒーで夕飯はプロテインだったんだから。」

    引く気が無さそうな親友に、何と返事をすれば丸く収まるのか。
    暫く考えて、閃いた。

「あ、じゃあ、ドライブに付き合ってくれよ。多分誕生日までには免許取れてっからよ。」

    初心者の地獄のドライブに付き合わせる。
    運転に慣れたいけど、一人じゃ不安なドライブ。町屋が助手席にいてくれたら心強い。

    町屋は、ドライブなんていつでも付き合うのに、と少し不服そうな顔をしたものの、納得してくれたようだった。



    俺は見事学科試験に合格し、免許を取得した。

    そして誕生日当日ドライブに行くことにした。
    平日だけど、大学は今週から春休みだ。

    レンタカーは自分で借りるつもりだったが、町屋がそれくらい出させて欲しいとレンタカー屋でゴネたから申し訳なかったけど、払ってもらった。

    選んだ車はセダンタイプ。
    教習所の車と近いタイプの方が運転しやすいだろうってことで。

    緊張したけど町屋のナビは的確で、高速に乗って隣県までたどり着いた。そこから田舎道を走って手打ちそばの店を見付けて昼飯食って、道の駅寄ったりしてたら時刻は午後2時。あっと言う間に時間が過ぎてた。
    戻るのに丁度いい時間だから、帰るかってなったんだけど、帰りは町屋が運転するって言い出した。
    「疲れたでしょ」って。
    確かにかなりの距離を運転してたし、緊張してたから肩も張ってる。運転に慣れるっていう目標は取り敢えず達成出来たし、有り難く交代してもらうことにした。


「眠かったら寝ていいよ。」

    滑らかなハンドル捌きに、言われるままに寝てしまった。

「着いたよ、春日部。」

    目を開けると結構薄暗い。

「……わりぃ、かなり寝ちまったな……ん? ここ、どこだ?」

    どこかの駐車場。
    雪が積もってる。

「サプライズ成功! 春日部が寝ててくれて助かったー。」
「サプライズ?」
「うん。ここは、温泉だよ。僕のバイトの話した時、春日部、温泉いいなって言ってたでしょ?」
「あー、言ったな。でも、レンタカーの返却時間ヤバくねぇか?」

    返却時間は6時。
    ここがどこだか分かんねぇけど、雪があるってことは結構距離がありそうだ。温泉に浸かってる時間なんてあんだろうか。

「変更しといたから大丈夫。返却は明日の夜だよ。」
「……は?」
「春日部に、車両の確認しに外に行ってもらったよね?その間に変更しといたんだ。……さ、行こ?」

    ニコニコしてる町屋が指差した先にあったのは、純和風旅館だった。

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