【完結】身代わりの仮婚約者になったら、銀髪王子に人生丸ごと買い占められた件

ななせくるみ

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第7話:窓一枚の背徳感。王子の愛は止まらない

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「……っ、蓮……離して……!」

壁に押し付けられたまま、私は必死に声を絞り出す。
けれど、私の手首を掴む彼の指先は、びくともしない。

「離さないと言っただろう。……あいつの声がそんなに気になるなら、もっと聞こえないようにしてやる」

一条様は冷たく微笑むと、私の体を軽々と抱き上げ、あえて悠真が叫んでいる大きな窓際へと見せつけるように私を運んだ。

「な、何を……!?」

窓一枚を隔てたすぐ外では、木に登った悠真が必死に私の名前を呼んでいる。一条様は私を、窓に背を向けるように立たせると、逃げ場を塞ぐように両腕を窓枠についた。

「おい、悠真! よく見ておけ。お前が必死に守ろうとしているひまりが、今、誰の腕の中にいるのかをな」

「っ、蓮! やめて……!」

一条様は外の悠真を冷酷に射抜いたまま、私の首筋に深く、熱い吸い付くようなキスを落とした。

「……んぁっ……!」

わざと声を漏らさせるような、執拗な愛撫。
そのまま彼は、私の耳元に唇を寄せ、吐息だけで私を溶かすように囁く。

「ひまり……あんな男の声、聞かなくていい。俺の愛の言葉だけ、お前の頭の中に刻み込んでやる……」

「あ、蓮……っ、だめ、そんな……」

拒もうとする私の手のひらを、彼は指を絡めて窓に押し付けた。指が絡み合う、恋人繋ぎのまま。

「だめじゃないだろ。……ほら、こんなに熱くなってる」

一条様の唇が、今度は私の唇を乱暴に、けれどどこか愛おしそうに塞いだ。悠真の絶叫がガラス越しに聞こえてくるけれど、今の私には、一条様の舌が私の中をかき回す感触と、彼から香る爽やかなシトラスの香りしか感じられない。

「ん、んん……っ! ふ、あ……」

何度も角度を変えて重ねられる、深く甘い口づけ。
一条様の手が、私の腰を強く引き寄せ、密着させる。
心臓の音が重なり合って、どっちのものかわからないほど。

「……ひまり。お前の心臓は、俺にキスされただけでこんなに速く動いてる。あいつに、はっきり言ってやれ。『私は、蓮に愛されてるから幸せだ』ってな」

「っ……あ……」

一条様は私の目尻に溜まった涙を、優しく舌ですくい取った。
その時の彼の瞳は、獲物をいたぶるドSな輝きと、守りたくて仕方がないという熱い愛しさが混ざり合っていて。

「さあ……言えないなら、もっと奥まで、君を俺の色に染め上げてやる」

そう言って、彼は再び、甘く深い沼へと私を連れ去るように唇を重ねてきた。外にいる幼なじみの存在なんて、もう、どうでもよくなるくらいに。
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