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第8話:全校生徒の前で。逃げ場なしの婚約発表
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悠真が連れ去られた後、蓮から逃げられないことを思い知らされた私は、そのまま彼の用意した車で学園へと向かうことになった。
(昨夜の今日で、全校集会なんて……)
首元に付けられた「印」を隠すように、制服の襟を必死に整える。学園の講堂に集まった生徒たちは、どこかソワソワしていた。
それもそのはず。学園の王子であり、一条グループの次期後見人である蓮が、壇上で「大事な話がある」と告知していたからだ。
「……静かにしろ」
蓮が壇上に立ち、マイクを通さずに冷徹な声を響かせる。
一瞬で静まり返る講堂。その圧倒的なオーラに、誰もが息を呑んだ。
「今日は皆に、俺の私事について報告がある」
ざわっ、と波立つ生徒たち。その中には、さっきから私を不安げに見つめる悠真の姿もあった。彼はボディガードに解放された後、ボロボロの姿で登校してきたらしい。
「――俺には、婚約者ができた。……ひまり、こっちへ来い」
「え……っ!?」
名前を呼ばれ、心臓が跳ね上がる。
全校生徒の視線が、一斉に私に突き刺さった。足が震えて動けない私に、蓮は壇上から冷たく、けれど逃げ場を許さない瞳で命じる。
「聞こえなかったか? 隣に来いと言っているんだ。…ひまり」
逃げ出すことなんてできない。私は促されるまま、震える足で壇上へと上がった。蓮は私の肩を、これ見よがしに力強く抱き寄せ、全校生徒を見下ろしながら宣言した。
「以後、彼女に気安く触れることは、この一条蓮への敵対行為とみなす。……特に、そこの幼なじみ。二度と、俺の女に近づくな」
講堂中が、割れんばかりの悲鳴とどよめきに包まれた。
「嘘だろ!?」「あの庶民の特待生が一条様の……!?」
悠真が絶望に顔を歪め、壇上の私に手を伸ばそうとした、その時だった。
「――言葉だけでは、信じられない奴もいるようだな」
蓮が低く笑うと、私の腰を引き寄せ、全校生徒の目の前で、私の顎をクイッと持ち上げた。
「あ……蓮?」
拒む隙なんてなかった。何千人もの視線が注がれる中、蓮の唇が、私の唇を深く、激しく塞いだ。
「ん、んんっ……!?」
講堂が、水を打ったように静まり返る。
一条様の舌が、見せつけるように私の口内を侵食していく。逃げようとしても、後頭部を大きな手で固定され、私はただ、彼の熱に浮かされるしかなかった。
数秒……いや、永遠にも感じられる時間の後。
ようやく唇を離した蓮は、銀髪を揺らしながら、満足げに全校生徒を見据えた。
「見たか。……ひまりは俺の婚約者であり、俺の所有物だ。二度と忘れるな」
そう言って、彼は私の耳元で、わざとマイクに拾われるくらいの声で囁いた。
「……これで、もうどこにも逃げられない。全校生徒が、君の飼い主が誰かを知ったんだからな。……いいな、ひまり?」
フラッシュのような視線と、遠くで崩れ落ちる悠真の姿。
私はただ、蓮の強引な腕の熱さに支配され、全校生徒の前で彼の色に染め上げられてしまった。
(昨夜の今日で、全校集会なんて……)
首元に付けられた「印」を隠すように、制服の襟を必死に整える。学園の講堂に集まった生徒たちは、どこかソワソワしていた。
それもそのはず。学園の王子であり、一条グループの次期後見人である蓮が、壇上で「大事な話がある」と告知していたからだ。
「……静かにしろ」
蓮が壇上に立ち、マイクを通さずに冷徹な声を響かせる。
一瞬で静まり返る講堂。その圧倒的なオーラに、誰もが息を呑んだ。
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「え……っ!?」
名前を呼ばれ、心臓が跳ね上がる。
全校生徒の視線が、一斉に私に突き刺さった。足が震えて動けない私に、蓮は壇上から冷たく、けれど逃げ場を許さない瞳で命じる。
「聞こえなかったか? 隣に来いと言っているんだ。…ひまり」
逃げ出すことなんてできない。私は促されるまま、震える足で壇上へと上がった。蓮は私の肩を、これ見よがしに力強く抱き寄せ、全校生徒を見下ろしながら宣言した。
「以後、彼女に気安く触れることは、この一条蓮への敵対行為とみなす。……特に、そこの幼なじみ。二度と、俺の女に近づくな」
講堂中が、割れんばかりの悲鳴とどよめきに包まれた。
「嘘だろ!?」「あの庶民の特待生が一条様の……!?」
悠真が絶望に顔を歪め、壇上の私に手を伸ばそうとした、その時だった。
「――言葉だけでは、信じられない奴もいるようだな」
蓮が低く笑うと、私の腰を引き寄せ、全校生徒の目の前で、私の顎をクイッと持ち上げた。
「あ……蓮?」
拒む隙なんてなかった。何千人もの視線が注がれる中、蓮の唇が、私の唇を深く、激しく塞いだ。
「ん、んんっ……!?」
講堂が、水を打ったように静まり返る。
一条様の舌が、見せつけるように私の口内を侵食していく。逃げようとしても、後頭部を大きな手で固定され、私はただ、彼の熱に浮かされるしかなかった。
数秒……いや、永遠にも感じられる時間の後。
ようやく唇を離した蓮は、銀髪を揺らしながら、満足げに全校生徒を見据えた。
「見たか。……ひまりは俺の婚約者であり、俺の所有物だ。二度と忘れるな」
そう言って、彼は私の耳元で、わざとマイクに拾われるくらいの声で囁いた。
「……これで、もうどこにも逃げられない。全校生徒が、君の飼い主が誰かを知ったんだからな。……いいな、ひまり?」
フラッシュのような視線と、遠くで崩れ落ちる悠真の姿。
私はただ、蓮の強引な腕の熱さに支配され、全校生徒の前で彼の色に染め上げられてしまった。
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