【完結】身代わりの仮婚約者になったら、銀髪王子に人生丸ごと買い占められた件

ななせくるみ

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第11話:密室の熱。独占の甘いお仕置き

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「ん……んんっ……!」

西園寺さんが残していった冷たい空気さえも、蓮の熱い吐息に一瞬で塗り潰されていく。強引なキスの衝撃に思考が真っ白になり、私はただ、彼のシャツの胸元をぎゅっと掴んで耐えることしかできなかった。どれくらい時間が経っただろうか。ようやく、吸い付くような音を立てて唇が離れる。

蓮の瞳には、さっきまでの冷酷な光は微塵もなく、私を射抜くような、ひどく熱く濁った情熱が宿っていた。

「……はぁ、ひまり……。あんな女に怯えて、勝手にいなくなろうとするな。お前の居場所は、俺の腕の中だけだと言っただろう」

「でも、私……蓮に、迷惑をかけてばかりで……っ」

「迷惑なのは、お前が俺から目をそらすことだ」

蓮は私の弱気な言葉を奪うように、今度は優しく、とろけるようなキスを落とした。

そのまま私の腰を抱き寄せると、彼はソファに深く腰を下ろし、あろうことか私を自分の膝の上に抱き上げた。

「……っ!? れ、蓮……っ、ここ、学校ですよ……っ」

「だからどうした。鍵は掛かっているし、ここに入ることを許されているのは俺だけだ」

彼の声は、低く、甘く、私の鼓動を狂わせる。

大きな手が私の背中を愛おしそうになぞり、そのまま首筋の「印」に触れる。彼の体温がダイレクトに伝わってきて、心臓の音がうるさいくらいに鳴り響いた。

「いいか、ひまり。お前を誰にも渡さないために、俺がどれだけの金を払い、どれだけの敵を潰してきたと思っている。……お前はただ、俺に愛されることだけを義務だと思え」

そう言って、蓮は私の首筋に顔を埋め、深く、深く、私の香りを吸い込んだ。まるで、自分の所有物であることを確かめるような、独占欲の塊のような仕草。首元に当たる彼の熱い息が、肌を粟立てる。

「一億円なんて安すぎる。君の指先から、その声、その心まで……全部俺の所有物だ。……誰にも一ミリも触れさせたくない」

「蓮……」

彼の囁きは、あんなに怖かったはずの執着が、今はどうしようもなく甘い毒のように私の身体中に回っていく。
あんなに高慢だった西園寺さんが、今はもう遠い世界の出来事のようだった。私の世界は、今この瞬間、この腕の中に集約されている。

「……不安にさせたお仕置きが必要だな。お前の頭の中を、俺の愛だけでいっぱいにしてやる」

蓮の指が、私のブラウスのリボンにゆっくりと伸びた。
その指先が震えていることに気づいて、私は息を呑む。
冷徹で完璧なこの人が、私を前にして、余裕を失っている――。

「……ひまり。俺以外の名前を呼ぶな。俺以外の男を映すな。……分かったか?」

「っ……」

「返事は?」

「……わかりました、蓮……」

「いい子だ……」

再び重なる唇は、さっきよりもずっと熱く、深かった。
窓の外では、授業再開を告げるチャイムが鳴り響いている。けれど、そんなものは今の私たちには関係ない。
私は一条蓮という名の深い愛の檻に、自ら喜んで閉じ込められていくのだった。
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