難攻不落の精強軍隊 〜異世界転移してスローライフかと思ったら、乱世が舞台だったので世界統一を目指します〜

尾関 天魁星

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【第一章】第一次セトラ村攻防戦

【第四話】突然の使者

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 秋も深まった頃、セトラ村に来訪者がやって来た。


 村人が通りに集まってザワついていたので、僕も気になって表に出た。


 やって来たのは三人で、馬に乗っている。


 そして三人とも、軽鎧に身を包んでいた。
 初めて見た僕でも、三人がどこかの兵士であることはすぐに分かった。


 三騎は、まっすぐ村長の家に向かっていた。


 何か良くない事が起こるような気がして、僕は不安を覚えた。


「なあなあ、あの兵士は、何しに来たんだろうな?」


 そう声を掛けてきたのは、テジムだった。


「僕が分かるわけないだろう? そもそも、どこの兵隊なんだ?」


「そうだったそうだった。お前はこの辺のこと知らないんだもんな」


 テジムは何かを企んでいるようだった。


「あいつらはこの村の西にある【オトラス王国】の軍隊さ。どうせ、王国の支配下に入れとか言いに来たんだろう」


 オトラス王国の名前は、僕がこの村で目を覚ました時に聞いたことがある。


「たしか、この村はどこの国にも属していないんだろう?」


「そうさ。でもこの何年か、オトラス王国は周辺の集落に片っ端から声を掛けて支配下に置いているらしい。村を通り掛かった商人に聞いた話だけどな」


 その一環で、この村にも使者を送ってきたのだろうか。


「おいカイト、あの兵士は村長の家に向かったよな?」


「そうみたいだね」


「ちょっと何の話してるか、聞きに行かないか?」


 やはりテジムは、企んでいた。


「バレたら村長やカシュカに叱られるぞ」


「なぁに、バレはしないさ」


 そう言って、僕は半ば強制的に村長の家の裏手まで連れてこられた。


 家の前には三頭の馬が停められており、兵士が一人で警備していた。
 あとの二人はすでに村長の家の中に入っている。


 僕とテジムは家の裏に積んである木箱に上り、窓の近くで耳をすませた。


「オトラス王国軍先遣隊長のジラサと申します。事前の訪いも入れず、ご無礼をお許しください」


 ちょうど、話が始まるところだったようだ。


 村長とカシュカが、対応している。


「こんな田舎の集落に、何の用だね」


「以前から、数回にわたって王国から書簡が来ているはずです。しかし、それに対する返事が一度もない。それで、この私が直接返事を受け取りに来たというわけです」


「書簡とは、この集落もオトラス王国の支配下に入れとかいうあれかね」


 テジムの予想は当たったようだ。


「そうです。それで返答は」


「断わる。元より、その意味で返答は出さなかったのだがな」


 カラバ村長は、はっきりと言い放った。


「断わると言うのですか? 王国からの提案を」


「この集落は、ご存知の通り自給自足で生活しております。王国の支配下に入ったら、若者を兵隊に取られてしまうでしょう? そうなったら、この村は働き手を失ってしまう」


 カラバ村長は、本気でこの集落のことを考えているようだった。
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