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【第二章】蓮牙山同盟
【第二十九話】ドライスの過去
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拘束されていたガンテスは、驚いた顔でドライスの方を向いた。
「ドライスって、王室近衛隊の専属武術師範だった、あのドライスか」
ガンテスはそう言ったが、ドライスは全く動じずにいる。
「ほう、名が一緒とは」
冷静にドライスは言ったが、ガンテスは首を横に振って続けた。
「いや、あなたは本人だろう。あらゆる武術を極めた武術師範のドライスと言ったら、オトラス王国では知らない者はいない」
ドライスはこの村に来てから、自身の名前以外はほとんど明かさなかった。
何か事情のある旅だとは思っていたが、まさか王室近衛隊の武術師範をしていたとは思わなかった。
「ドライス殿、それは本当ですか」
つかの間ドライスは黙ったが、しばらくしてドライスは村長に頭を下げた。
「隠しても仕方がないですね。この村には、匿ってくれた恩がある。全て、話しましょう」
ガンテスは拘束されたまま、大人しくしている。
逃げようという気は、無いようだった。
◆◆◆◆◆
ドライスは、自分のことを淡々と話し始めた。
ガンテスの言う通り、彼はオトラス王国の王室近衛隊の武術師範だった。
王室近衛隊は、王国軍の中でも選び抜かれた兵士だけが所属する、最強と言われる部隊である。
その部隊の兵士に武術を教えて鍛え上げるのが、武術師範の役目だという。
しかし、王室近衛隊の隊長が軍費や物資を横流ししているのを知ってしまい、それを軍の上層部に訴え出ようとすると、逆に不正を働いたとして捕縛されそうになったという。
「なぜ、ドライス殿が捕縛されなければならないのですか」
カシュカが、語気を強めて言う。
「確かな事は分からぬ。だが多分、横領した事を隠すために、私に罪を着せたのだろう。王室近衛隊の隊長と言えど、その位のことはしてもおかしくない人物なのだ」
オトラス王国軍は汚職軍人が多く、かなり腐敗していると言う。
ドライスは捕縛される直前で王都から母を連れて逃亡し、今に至るのだった。
冤罪だった。
無実とはいえ、それが通る国でもないらしい。
反逆罪として捕縛されれば、一族全員処断されてしまうのだ。
だから、ドライスは母も連れて逃亡したのだ。
「そんな、言われもない理由で捕縛されるなど」
カシュカは、怒りをあらわにしている。
彼は不正や悪事を、人一倍嫌っているのだ。
「俺ら山賊の耳にも、ドライス武術師範の逃亡は噂で耳にしている。王室近衛隊の軍費や物資を横領した罪を犯したと、王国内の街や村に手配書が回っているとも」
「私の事はこれくらいにして、この頭領の処遇について話し合うべきだろう」
「ドライスって、王室近衛隊の専属武術師範だった、あのドライスか」
ガンテスはそう言ったが、ドライスは全く動じずにいる。
「ほう、名が一緒とは」
冷静にドライスは言ったが、ガンテスは首を横に振って続けた。
「いや、あなたは本人だろう。あらゆる武術を極めた武術師範のドライスと言ったら、オトラス王国では知らない者はいない」
ドライスはこの村に来てから、自身の名前以外はほとんど明かさなかった。
何か事情のある旅だとは思っていたが、まさか王室近衛隊の武術師範をしていたとは思わなかった。
「ドライス殿、それは本当ですか」
つかの間ドライスは黙ったが、しばらくしてドライスは村長に頭を下げた。
「隠しても仕方がないですね。この村には、匿ってくれた恩がある。全て、話しましょう」
ガンテスは拘束されたまま、大人しくしている。
逃げようという気は、無いようだった。
◆◆◆◆◆
ドライスは、自分のことを淡々と話し始めた。
ガンテスの言う通り、彼はオトラス王国の王室近衛隊の武術師範だった。
王室近衛隊は、王国軍の中でも選び抜かれた兵士だけが所属する、最強と言われる部隊である。
その部隊の兵士に武術を教えて鍛え上げるのが、武術師範の役目だという。
しかし、王室近衛隊の隊長が軍費や物資を横流ししているのを知ってしまい、それを軍の上層部に訴え出ようとすると、逆に不正を働いたとして捕縛されそうになったという。
「なぜ、ドライス殿が捕縛されなければならないのですか」
カシュカが、語気を強めて言う。
「確かな事は分からぬ。だが多分、横領した事を隠すために、私に罪を着せたのだろう。王室近衛隊の隊長と言えど、その位のことはしてもおかしくない人物なのだ」
オトラス王国軍は汚職軍人が多く、かなり腐敗していると言う。
ドライスは捕縛される直前で王都から母を連れて逃亡し、今に至るのだった。
冤罪だった。
無実とはいえ、それが通る国でもないらしい。
反逆罪として捕縛されれば、一族全員処断されてしまうのだ。
だから、ドライスは母も連れて逃亡したのだ。
「そんな、言われもない理由で捕縛されるなど」
カシュカは、怒りをあらわにしている。
彼は不正や悪事を、人一倍嫌っているのだ。
「俺ら山賊の耳にも、ドライス武術師範の逃亡は噂で耳にしている。王室近衛隊の軍費や物資を横領した罪を犯したと、王国内の街や村に手配書が回っているとも」
「私の事はこれくらいにして、この頭領の処遇について話し合うべきだろう」
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