クラスカースト最下位の僕、ジョブが【レジスタンス】だったので追放されました。でもなんかムカつくので実際に反乱軍を組織して国家転覆を目指します

尾関 天魁星

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【第四章】

【第四十七話】下山を見据えて

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 一年が、経ったのだ。
 
 
 僕は寝る時、ふとそう思った。
 
 
 散々な一年だったが、今はこうして穏やかな日々を送れている。
 
 
 有り難いことだったが、いつまでもこうしてはいられなかった。
 
 
 全ては、志のためなのだ。
 
 
 僕はよく、そのように考えるようになっていた。
 
 
 僕がこの世界に召喚された意味とは、【レジスタンス】のジョブが示しているのだ。
 
 
 いつの間にか十九歳になったのか、と僕は思い、気付いたら眠りについていた。
 
 
 ◇◇◇◇◇
 
 
 少しずつ、ハンス老人の動きについていけるようになっていた。
 
 
 勝てはしないものの、ハンス老人に汗をかかせるくらいにはなっている。
 
 
 修行の成果が、現れてきているのだ。
 
 
「ユキトは、監獄を抜けてきたのじゃったな」
 
 
 その日の修行を終えると、ハンス老人が行った。
 
 
「はい」
 
 
「それでは、手配書が回っているのかもしれん」
 
 
 それは、僕でも予想していたことだった。
 
 
 脱走した囚人は、死刑しかないのだ。
 
 
「ユキト、名を変えなさい」
 
 
「えっ、名前ですか?」
 
 
「そうじゃ、ただでさえジョブの件で王国から目を付けられておるのに、脱獄までしたとなると、おそらく軍は血眼になって探しておることじゃろう」
 
 
「しかし、名前を変えると言っても、どうしたら・・・」
 
 
 小屋に入ると、ヘルベルトとザイフェルトが夕食の支度をして待っていた。
 
 
 暖炉の火のおかけで、中はとても暖かい。
 
 
 ◇◇◇◇◇
 
 
「名前か、たしかに必要だな」
 
 
 ザイフェルトが言った。
 
 
「脱獄したという意味では、お主らも同じだろう」
 
 
「しかし、俺とヘルベルトは目立っていないし、ユキトと関わりがある事を知っている兵士も、ごく限られていた」
 
 
 やはり軍から一番追われているのは、僕なのだろう、と思った。
 
 
 ちなみに雪斗という名前にどんな意味が込められているのか、僕は知らない。
 
 
 産まれたのは九月で、冬も雪も関係がないのだ。
 
 
「・・・アイラト」
 
 
 全員が、僕を見た。
 
 
「適当に思い浮かんだだけなんだけどね」
 
 
「うん、悪くないと思います」
 
 
 ヘルベルトが頷きながら言った。
 
 
「じゃ、よそではアイラトと呼ばせてもらうぜ」
 
 
 ザイフェルトは、楽しそうだった。
 
 
 そしてハンス老人の助言で、口調や言葉遣いも変えた方が良いとの事だった。
 
 
 少々違和感があったが、何とか意識して生活するようになった。
 
 
「今年は例年に比べて雪解けが早い。三月になったら一度山を下りるぞ」
 
 
「山を下りてどうするんだ、ハンス老人」
 
 
 ザイフェルトは興味深そうだった。
 
 
「冬の間に作った動物のなめし革を売りに行くだけだ。わしは、それ以外で山を下りることは滅多にない」
 
 
 
 
 
 
 ハンス老人は、何かから隠れているのではないか。
 
 
 ふと、そんな疑問が湧き上がった。
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