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【第四章】
【第四十八話】※ヘルベルト視点
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窓から、ユキトとハンス老人の修行が見えた。
二人は毎日のように、修行している。
最初は武器を持たない体術などをやっていたが、今では剣、槍、棒、弓など、様々な武器を遣うようになっていた。
この短期間でそれだけの武器を使いこなすのは、ありえないことだった。
普通は、自分に素質がある武器に絞って、修行するのだ。
自分は、それが体術だったのだ。
ユキトは、どの武器もそれなりに使いこなしているようだった。
ユキトのジョブのおかげもあったが、なによりハンス老人の教え方が上手いのだ。
毎日のように見ていて、自分はそう思った。
もう、自分では勝てないだろう。
あの修行を見ていると、しみじみと思った。
起きて生活を送れるようにはなったが、激しい動きをすると苦しかった。
そしてそれは、もう治らないもののような気がするのだ。
得意の体術は、もう使えない。
これではユキトを守れないのだ。
何もしていないとそう考えてしまうので、ザイフェルトの家事を余計に手伝うようになった。
自分も何か、世直しになるようなことをしたいと思っているのだ。
◇◇◇◇◇
四人で、夕食を食べている時だった。
「なあ、ユキト」
ザイフェルトが、話し出した。
「どうしたの?」
「王国を打倒しようと思ったら、多くの仲間が要るだろう? どうやって集めるつもりなんだ?」
ユキトは、返答に困っているようだった。
「まずは、同じように王国に反感を持っている集団に、声を掛けるところからだろう」
そう言うと、ザイフェルトとユキトが頷いた。
「王国内でも、規模は小さいものの、各地に野盗や山賊が拠点を構えたりしている。それらに声を掛け、束ねる」
「そう、ヘルベルトの言う通りだ」
ザイフェルトは、初めからそう考えていたようだ。
「そこで提案なんだが、ただ声を掛けるだけだと、話しを聞いてもらえないかもしれない。そこでだ」
ザイフェルトは、紙の束を取り出した。
「ユキトが考える国の在り方とか、王国の腐敗、そして志について、お前が語ったものを文字にしようと思うんだ」
ユキトは首を傾げたが、悪くない方法だと思った。
言葉よりも、形に残るものだ。
さらに多くの人々に志を伝えることが出来る。
「私も、それには賛成だ。なるべく多くの冊子にして、これぞと思った人物に広めよう」
「ぼ、僕が内容を語るのかい・・・?」
ユキトしか居ない。
反乱軍の指導者になるには、ユキトしか居ないのだ。
その日から、早速ザイフェルトはユキトの言葉を文字に起こした。
どんな理不尽な目に逢い、どれだけこの王国が腐っているのか。
そして、どのような国でなければならないのか。
その為に、今我々は何をしていかなければならないのか。
ユキトは毎晩それを語り、ザイフェルトが書きまとめた。
二人は毎日のように、修行している。
最初は武器を持たない体術などをやっていたが、今では剣、槍、棒、弓など、様々な武器を遣うようになっていた。
この短期間でそれだけの武器を使いこなすのは、ありえないことだった。
普通は、自分に素質がある武器に絞って、修行するのだ。
自分は、それが体術だったのだ。
ユキトは、どの武器もそれなりに使いこなしているようだった。
ユキトのジョブのおかげもあったが、なによりハンス老人の教え方が上手いのだ。
毎日のように見ていて、自分はそう思った。
もう、自分では勝てないだろう。
あの修行を見ていると、しみじみと思った。
起きて生活を送れるようにはなったが、激しい動きをすると苦しかった。
そしてそれは、もう治らないもののような気がするのだ。
得意の体術は、もう使えない。
これではユキトを守れないのだ。
何もしていないとそう考えてしまうので、ザイフェルトの家事を余計に手伝うようになった。
自分も何か、世直しになるようなことをしたいと思っているのだ。
◇◇◇◇◇
四人で、夕食を食べている時だった。
「なあ、ユキト」
ザイフェルトが、話し出した。
「どうしたの?」
「王国を打倒しようと思ったら、多くの仲間が要るだろう? どうやって集めるつもりなんだ?」
ユキトは、返答に困っているようだった。
「まずは、同じように王国に反感を持っている集団に、声を掛けるところからだろう」
そう言うと、ザイフェルトとユキトが頷いた。
「王国内でも、規模は小さいものの、各地に野盗や山賊が拠点を構えたりしている。それらに声を掛け、束ねる」
「そう、ヘルベルトの言う通りだ」
ザイフェルトは、初めからそう考えていたようだ。
「そこで提案なんだが、ただ声を掛けるだけだと、話しを聞いてもらえないかもしれない。そこでだ」
ザイフェルトは、紙の束を取り出した。
「ユキトが考える国の在り方とか、王国の腐敗、そして志について、お前が語ったものを文字にしようと思うんだ」
ユキトは首を傾げたが、悪くない方法だと思った。
言葉よりも、形に残るものだ。
さらに多くの人々に志を伝えることが出来る。
「私も、それには賛成だ。なるべく多くの冊子にして、これぞと思った人物に広めよう」
「ぼ、僕が内容を語るのかい・・・?」
ユキトしか居ない。
反乱軍の指導者になるには、ユキトしか居ないのだ。
その日から、早速ザイフェルトはユキトの言葉を文字に起こした。
どんな理不尽な目に逢い、どれだけこの王国が腐っているのか。
そして、どのような国でなければならないのか。
その為に、今我々は何をしていかなければならないのか。
ユキトは毎晩それを語り、ザイフェルトが書きまとめた。
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