クラス転移で一人だけ地味スキル【回避】が無能だと判断され理不尽にも追放された男の復讐劇

Leiren Storathijs

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第2章 エリクシア

第50話 アルカーナ大迷宮

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 僕は秘薬エリクシアの製法を知るために古城クリュプトンへ行くと、700年前に栄えていたとされるクリュプトンの住人、マルクス・アンドレーに出会った。まさか生きていることに驚いたが、それはエリクシアの呪いというもので、クリュプトンの歴史が終わった原因でもあることを知った。

 そこで僕は更にエリクシアの製法が保管されている所がクリュプトンの地下、アルカーナ大迷宮だということを聞き、僕とガルムラルクの皆と地下へ入った。

 地下への階段を下ると、地上とほぼ同じ広さの大広間に出る。

「でっけぇなぁ……」

「一体なんの為に作られた迷宮なんだろう? エリクシアの製法を保管すると言っても流石に規模が大きすぎないか?」

「あぁ、思い出す。あの頃を……全員気を付けろ。既に此処は異界とよべる場所だ。魔物の気配が更に地下からひしひしと伝わってくる」

 ジンが全員に警告する。僕には魔物の気配なんてわからないが、開けた地上と比べて地下1階の時点で、張り詰めた空気が確かに漂っている。
 それに既にもう何千体にも数えられる人間の白骨体がそこら中に散らばっており、多くの人が此処で命を落としているということがはっきりと分かる。

 大広間は天井も真っ暗な石壁で入り口意外完全に閉鎖されているが、円形の大広間の壁には等間隔でランタンのような灯りが灯されており、例え入り口が塞がってもある程度の明るさがあるようだ。

「んで、ここの何処にあんだ目的のエリクシアってのは」

「ここはアルカーナ大迷宮って場所でエリクシアはここの最下層にあるらしいよ」

「最下層は何層だ?」

「さぁ?」

「さぁっておま! 地下1階でこの広さだ。地下に何層もあるってんなら、こいつあ相当深いぜ!?」

「そういうものなのかい?」

「あぁ、俺らもこういうタイプの地下空間に入った事はあるが、まぁ特別な目的が無い限りは最下層に行くことなんてねぇな。
 それも此処は迷宮なんだろう? 多分地下2階から一気に雰囲気変わるぜ。大迷宮って言うくらいなんだからそれは相当なデカさを持っているんだろうけど、幻の薬をこんなところに保管するほどだ。
 簡単には最下層にはいけねぇぞ」

「それは用心しないとだね。じゃあ行こう。ついでにレベルも上がるかも知れない。少しでも強くなれるならそれが目的がでもいいんじゃないかな」

 そうして僕は皆んなと一緒に地下2階へと降りた。階段の隣には昇降機のような機械があったが既に完全に機能が停止されていた。

 地下2階は特にレオンの情報とは違く、一階とほぼ同じ雰囲気で、魔物が数匹屯っていた。

「アイツはゴブリンって野郎だなぁ。地上にいる奴らなら知能も無くて、戦闘能力も低い。ガキの頃の俺らでも戦える魔物だ。
 だが用心しろよ。お前も一階の有様を見たろ? 死者が多すぎるってなぁ。どうせこのゴブリンも地上とは違うはずだ……」

 前に大熊を容易に吹き飛ばしたレオンでさえも、目の前のゴブリンに対して警戒していた。それは僕にも理解出来た。
 空想の物語で見るゴブリンという魔物は大抵弱い魔物に分類されるが、この大迷宮の魔物はどうやって入ってきたのかは分からないが、地上の魔物と比べていくつかは成長しているだろう。
 正にレオンが警戒する知能のある魔物へとだ。

「先ずは俺が牽制で仕掛ける。それで相手の強さを見極めるんだ。大抵の野郎はこれで怯えるぜぇ!」

 最初に動いたのはレオン。真っ赤な燃えるようなオーラを纏う大剣をゴブリンの集団に向けて振り下ろす。

「ギッギイィッ!?」

 今の今まではきっとのんびりしていたのだろう。ゴブリンは突然のオーラに飛び上がった。

「斬る……!」

 そこにジンが駆け込む。ゴブリンの集団をたったの全ての振りで確実に首を切り落とす。

「んだよ。警戒して損したぜ!」

「いや、多分これはまだまだ最初だからでしょ。レオンの言う通りここがもっと深い大迷宮なら地下深くはもっと強い魔物がいる筈だ。警戒して損は無いよ」

「そうだな。流石に手応え無さ過ぎて油断するところだったぜ……」

 僕は続いて地下3階へ降りる。そこにはウルフがいた。これも2階と同じ強さなのだろうか? いや、そもそも僕の体力は27。雑魚に見える魔物でもワンパンは必至。レオン達が強すぎて弱く見えてしまうんだ。僕も警戒しないと……。

 ウルフはざっと10匹。僕は過去に2~30匹を一斉に相手したことはあったがきっと状況は違うだろ。

 ここは一旦様子を見て……。

「良い、ひんやりとした空気だ……」

 動いたのはコール。一人で指を鳴らすと、目の前のウルフが一斉にして氷像化した。

「斬る……!!」

 その次に全く同じ流れでジンが全てのウルフを切断していった。

 そうさ。まだ最初だから余裕なんだ。現に魔物化した炎鬼にはジン以外誰も手も足も出せなかったんだ。
 つまり、この先に炎鬼程に強い魔物もいる可能性があると言うことだ。一気に駆け降りよう。

 それから僕はレオン達を頼りに地下4階、5階、6階~10階へと降りて行った。
 途中で見たこともない、飛行型や岩のような魔物を見かけたが、ここに至るまでレオンとコールとジンのコンビネーションが確実に切り抜けていた。

 そうして地下11階。今回は骸骨とゾンビと思わしき身なりの白骨体と動く死体が数百体にもなって僕たちを囲んでいた。
 数も数で、いくらレオンやコールでも最早肉の壁と化しているゾンビと骸骨の人壁は、なかなかに切り開けなかった。
 当然僕はタイマン向けだからね。集団戦は向いて無さすぎる。戦えなくは無いけど。

「ゾンビの野郎ならレイクの出番だなぁ!」

「レイク?」

「堕ちろ……」

「え?」

 レイクは骸骨とゾンビの集団のど真ん中まで歩くと、勢いよく親指を下へ落す。
 すると、僕を囲んでいた全てのゾンビと骸骨が突然魂が抜けたかのように静かになり、バタバタと倒れて行った。

 そんな。僕の見せ場は何処にあるんだい? この先の魔物はさらに強く、最終的に守ってもらえないと先に進めないなんてことになるのは避けなくちゃならない。

 どうか。どうか僕でも戦えるくらいであって欲しいと願うしかない。

 こうして僕はどんどんとアルカーナ大迷宮の地下を降りるのだった。
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