7 / 49
【1章】婚活令嬢ロゼッタ
7.綺麗事
しおりを挟む
「ライノア様はどのようにして公爵様とお知り合いになったのですか?」
他の夫人たち同様好意的に見えるようロゼッタはふわりと微笑む。
「公爵様とは仕事でお世話になったんです」
「まあ、仕事というのは文官のですか?」
「……そうですが」
ライノアの反応を見るふりをしながら、ロゼッタはちらりと夫人たちに目配せをする。
(皆様、どうかお気づきになって! この方はただの文官! 皆様が接してきた成功者たちとは格が違うのですわ!)
「たしか、ライノア様は王太子殿下のそば仕えをしていらっしゃるのよね?」
と、話題を引き継いだのは公爵夫人だった。ライノアは「ええ」と短く返事をする。
「まあ! 殿下は本当に優秀な方しかそばに置かないと有名だから……」
「あなたの年齢で殿下に引き立てられるなんて、本当にすごいことよ」
「将来は宰相かしら?」
ロゼッタの目論見も虚しく、夫人たちのライノアへの好印象は変わらない。皆、関心を失うどころか興味津々だ。
「今ね、ロゼッタ嬢のお相手にライノア様がいいんじゃないかって話していたの」
「僕が……ですか?」
返事をしつつ、ライノアがふっと小さく笑う。ロゼッタは思わず目を見開いた。
(まさか、ライノア様はここでわたくしの本性をバラすおつもりなのでは!?)
二度目ましての際、ロゼッタはライノアに対して「興味がない」とはっきり言い放った。自分には金が全てなのだと主張してはばからなかった。それ自体はなんら恥じることはないけれど、夫人たちに対してその事実を明かしてほしくはない。もちろん、彼女たちはすでにロゼッタがどういう価値観で動いているか気づいているのだけど……。
(やめて……お願いだからやめてよ)
ロゼッタの心臓がバクバクと鳴る。喉がキュッとしまるような心地がし、ロゼッタはゴクリと息をのむ。
「――そうですね」
ライノアが口を開く。ロゼッタは思わず目をぎゅっとつぶった。
「こんなに美しいご令嬢のお相手にとおっしゃっていただけて、とても光栄です。ありがとうございます」
「……え?」
ふと顔を上げれば、ライノアは至極柔らかな笑みを浮かべている。恥ずかしさのあまり、ロゼッタは顔が熱くなった。
「けれど、今の僕はなんの実績もない文官ですから。いつかほんとうの意味でロゼッタ嬢のような女性に見合う、結果を出せる男になりたいと思っています」
「まあ……!」
「なんて謙虚なの!」
「素敵だわ! 私応援しちゃう!」
夫人たちがライノアを取り囲み、大いに盛り上がる。ロゼッタはもう、口を挟む気にはなれなかった。
***
「さっきはありがとう」
帰りの馬車に揺られつつ、ロゼッタはライノアにお礼を言う。
行きは乗り合いの馬車を利用したのだが、公爵夫人のはからいにより、同じ方向であるライノアとともに送ってもらえることになったのだ。
「――なにがですか?」
「わたくしのこと。皆様に言わないでいてくださったでしょう?」
「ああ」
ライノアは無表情のまま返事をする。それからロゼッタのほうをちらりと見た。
「そのぐらい、当たり前です。女性に恥をかかせるなんて男のすることじゃありませんよ」
「そ……そう?」
ロゼッタは思わずドキリとする。
(わたくしはライノア様のこと『ただの文官』だって皆様に伝えようとしたのに)
どうやらライノアという男は大層な人格者らしい。なんだか自分が恥ずかしくなる。
動揺を悟られぬよう、ロゼッタはライノアからそっと視線をそらした。
「それで? あなたがあのお茶会にいたのは、夫人たちから金持ちと結婚する方法を聞くためだったんですか?」
「ええ、そうよ。だって、成功者に話を聞くのが一番効率がいいでしょう?」
「……僕の記憶が正しければ、あなたは愛人でも構わないとおっしゃっていたと思うのですが、あのご夫人方と競うつもりはないんですね」
ライノアがふふっと小さく笑う。ロゼッタは思わず唇を尖らせた。
「そりゃあ、まったく選択肢になかったかって聞かれたら、そんなことはないのよ? だけど、あの方々に張り合うのは難しいと思ったんだもの。わたくしだって、自分の分はわきまえてますわ。敵わない相手には潔く頭を下げて学ぶべし。これ、わたくしのポリシーですの」
「そうですか」
ふわりと微笑むライノアに、ロゼッタは胸がざわざわする。
(なんなのでしょう、この感覚は)
これまで感じたことのない浮遊感。ライノアと一緒にいると、ソワソワとして落ち着かない。あまり接したことのないタイプだからだろうか? どんなふうに接するのが正解かわからないのだ。
「――ロゼッタ嬢はどうして、そんなにもお金にこだわるのですか?」
「え?」
ライノアからの問いかけに、ロゼッタは思わず目を丸くする。
「着るに困らず、雨風のしのげる家で眠ることができ、お腹を空かせることもない――それだけでも十分幸せなことだと思います。もちろん、数着に一着贅沢なドレスを持つとか、機能性のいい部屋に住むとか、たまの贅沢で高価な料理を食べること自体は否定しませんけど」
「綺麗事ね」
自分でも驚くほどの冷たい声。ロゼッタはキッとライノアを見つめた。
「衣食住に困らなければそれでいい? なにを愚かなことを。全部揃っていたほうがいいに決まっているじゃありませんか! そんなの、欲しくても持つことができないものの負け惜しみですわ」
「……ロゼッタ嬢?」
身体が燃えるように熱い。苦しい。ロゼッタの瞳から知らず涙がこぼれ落ちる。
「お金はね、いくらあってもいいんです! なくて困ることはあっても、あって困ることはないんですから! はじめから持つことを諦めて、今あるもので十分なんて、そんなふうにわたくしは思えません」
「……でしたら、あなたは今、幸せではないのですか?」
ライノアが静かに問いかける。ロゼッタは「え?」と息をのんだ。
(わたくしが今、幸せかどうかですって?)
そんなこと、考えたこともなかった。なぜならロゼッタは未来のことしか見ていない。いつか金持ちを捕まえて、思う存分お金を使って、そうして幸せになることしか考えていないのだから。
「し……幸せじゃありませんわ」
きっと、そう。だって、ロゼッタの願いは叶っていないのだから。幸せであるはずがない。ロゼッタは自分に言い聞かせる。
「そうですか。けれどロゼッタ嬢、世の中にはお金よりも大切なものがあるでしょう?」
ライノアがまた問いかける。ロゼッタは瞳いっぱいに涙をため、ぶんぶんと大きく首を横に振った。
「いいえ! この世で一番大切なものはお金です! お金なんです! それ以外が存在するはずがありません」
「……そうですか」
二人を乗せた馬車がガタゴトと揺れる。先程までの和やかなムードから一転、なんとも重苦しい空気だ。
(やっぱりわたくし、ライノア様のことは好きになれませんわ)
密かにため息をつきつつ、ロゼッタは窓の外を眺めるのだった。
他の夫人たち同様好意的に見えるようロゼッタはふわりと微笑む。
「公爵様とは仕事でお世話になったんです」
「まあ、仕事というのは文官のですか?」
「……そうですが」
ライノアの反応を見るふりをしながら、ロゼッタはちらりと夫人たちに目配せをする。
(皆様、どうかお気づきになって! この方はただの文官! 皆様が接してきた成功者たちとは格が違うのですわ!)
「たしか、ライノア様は王太子殿下のそば仕えをしていらっしゃるのよね?」
と、話題を引き継いだのは公爵夫人だった。ライノアは「ええ」と短く返事をする。
「まあ! 殿下は本当に優秀な方しかそばに置かないと有名だから……」
「あなたの年齢で殿下に引き立てられるなんて、本当にすごいことよ」
「将来は宰相かしら?」
ロゼッタの目論見も虚しく、夫人たちのライノアへの好印象は変わらない。皆、関心を失うどころか興味津々だ。
「今ね、ロゼッタ嬢のお相手にライノア様がいいんじゃないかって話していたの」
「僕が……ですか?」
返事をしつつ、ライノアがふっと小さく笑う。ロゼッタは思わず目を見開いた。
(まさか、ライノア様はここでわたくしの本性をバラすおつもりなのでは!?)
二度目ましての際、ロゼッタはライノアに対して「興味がない」とはっきり言い放った。自分には金が全てなのだと主張してはばからなかった。それ自体はなんら恥じることはないけれど、夫人たちに対してその事実を明かしてほしくはない。もちろん、彼女たちはすでにロゼッタがどういう価値観で動いているか気づいているのだけど……。
(やめて……お願いだからやめてよ)
ロゼッタの心臓がバクバクと鳴る。喉がキュッとしまるような心地がし、ロゼッタはゴクリと息をのむ。
「――そうですね」
ライノアが口を開く。ロゼッタは思わず目をぎゅっとつぶった。
「こんなに美しいご令嬢のお相手にとおっしゃっていただけて、とても光栄です。ありがとうございます」
「……え?」
ふと顔を上げれば、ライノアは至極柔らかな笑みを浮かべている。恥ずかしさのあまり、ロゼッタは顔が熱くなった。
「けれど、今の僕はなんの実績もない文官ですから。いつかほんとうの意味でロゼッタ嬢のような女性に見合う、結果を出せる男になりたいと思っています」
「まあ……!」
「なんて謙虚なの!」
「素敵だわ! 私応援しちゃう!」
夫人たちがライノアを取り囲み、大いに盛り上がる。ロゼッタはもう、口を挟む気にはなれなかった。
***
「さっきはありがとう」
帰りの馬車に揺られつつ、ロゼッタはライノアにお礼を言う。
行きは乗り合いの馬車を利用したのだが、公爵夫人のはからいにより、同じ方向であるライノアとともに送ってもらえることになったのだ。
「――なにがですか?」
「わたくしのこと。皆様に言わないでいてくださったでしょう?」
「ああ」
ライノアは無表情のまま返事をする。それからロゼッタのほうをちらりと見た。
「そのぐらい、当たり前です。女性に恥をかかせるなんて男のすることじゃありませんよ」
「そ……そう?」
ロゼッタは思わずドキリとする。
(わたくしはライノア様のこと『ただの文官』だって皆様に伝えようとしたのに)
どうやらライノアという男は大層な人格者らしい。なんだか自分が恥ずかしくなる。
動揺を悟られぬよう、ロゼッタはライノアからそっと視線をそらした。
「それで? あなたがあのお茶会にいたのは、夫人たちから金持ちと結婚する方法を聞くためだったんですか?」
「ええ、そうよ。だって、成功者に話を聞くのが一番効率がいいでしょう?」
「……僕の記憶が正しければ、あなたは愛人でも構わないとおっしゃっていたと思うのですが、あのご夫人方と競うつもりはないんですね」
ライノアがふふっと小さく笑う。ロゼッタは思わず唇を尖らせた。
「そりゃあ、まったく選択肢になかったかって聞かれたら、そんなことはないのよ? だけど、あの方々に張り合うのは難しいと思ったんだもの。わたくしだって、自分の分はわきまえてますわ。敵わない相手には潔く頭を下げて学ぶべし。これ、わたくしのポリシーですの」
「そうですか」
ふわりと微笑むライノアに、ロゼッタは胸がざわざわする。
(なんなのでしょう、この感覚は)
これまで感じたことのない浮遊感。ライノアと一緒にいると、ソワソワとして落ち着かない。あまり接したことのないタイプだからだろうか? どんなふうに接するのが正解かわからないのだ。
「――ロゼッタ嬢はどうして、そんなにもお金にこだわるのですか?」
「え?」
ライノアからの問いかけに、ロゼッタは思わず目を丸くする。
「着るに困らず、雨風のしのげる家で眠ることができ、お腹を空かせることもない――それだけでも十分幸せなことだと思います。もちろん、数着に一着贅沢なドレスを持つとか、機能性のいい部屋に住むとか、たまの贅沢で高価な料理を食べること自体は否定しませんけど」
「綺麗事ね」
自分でも驚くほどの冷たい声。ロゼッタはキッとライノアを見つめた。
「衣食住に困らなければそれでいい? なにを愚かなことを。全部揃っていたほうがいいに決まっているじゃありませんか! そんなの、欲しくても持つことができないものの負け惜しみですわ」
「……ロゼッタ嬢?」
身体が燃えるように熱い。苦しい。ロゼッタの瞳から知らず涙がこぼれ落ちる。
「お金はね、いくらあってもいいんです! なくて困ることはあっても、あって困ることはないんですから! はじめから持つことを諦めて、今あるもので十分なんて、そんなふうにわたくしは思えません」
「……でしたら、あなたは今、幸せではないのですか?」
ライノアが静かに問いかける。ロゼッタは「え?」と息をのんだ。
(わたくしが今、幸せかどうかですって?)
そんなこと、考えたこともなかった。なぜならロゼッタは未来のことしか見ていない。いつか金持ちを捕まえて、思う存分お金を使って、そうして幸せになることしか考えていないのだから。
「し……幸せじゃありませんわ」
きっと、そう。だって、ロゼッタの願いは叶っていないのだから。幸せであるはずがない。ロゼッタは自分に言い聞かせる。
「そうですか。けれどロゼッタ嬢、世の中にはお金よりも大切なものがあるでしょう?」
ライノアがまた問いかける。ロゼッタは瞳いっぱいに涙をため、ぶんぶんと大きく首を横に振った。
「いいえ! この世で一番大切なものはお金です! お金なんです! それ以外が存在するはずがありません」
「……そうですか」
二人を乗せた馬車がガタゴトと揺れる。先程までの和やかなムードから一転、なんとも重苦しい空気だ。
(やっぱりわたくし、ライノア様のことは好きになれませんわ)
密かにため息をつきつつ、ロゼッタは窓の外を眺めるのだった。
22
あなたにおすすめの小説
【完結】レイハート公爵夫人の時戻し
風見ゆうみ
恋愛
公爵夫人である母が亡くなったのは、私、ソラリアが二歳になり、妹のソレイユが生まれてすぐのことだ。だから、母の記憶はないに等しい。
そんな母が私宛に残していたものがあった。
青色の押し花付きの白い封筒に入った便箋が三枚。
一枚目には【愛するソラリアへ】三枚目に【母より】それ以外、何も書かれていなかった。
父の死後、女性は爵位を継ぐことができないため、私は公爵代理として、領民のために尽くした。
十九歳になった私は、婚約者に婿入りしてもらい、彼に公爵の爵位を継いでもらった。幸せな日々が続くかと思ったが、彼との子供を授かったとわかった数日後、私は夫と実の妹に殺されてしまう。
けれど、気がついた時には、ちょうど一年前になる初夜の晩に戻っており、空白だったはずの母からの手紙が読めるようになっていた。
殺されたことで羊の形をした使い魔が見えるようになっただけでなく『時戻しの魔法』を使えるようになった私は、爵位を取り返し、妹と夫を家から追い出すことに決める。だが、気弱な夫は「ソラリアを愛している。別れたくない」と泣くばかりで、離婚を認めてくれず――。
私が生きていたことは秘密にしてください
月山 歩
恋愛
メイベルは婚約者と妹によって、崖に突き落とされ、公爵家の領地に倒れていた。
見つけてくれた彼は一見優しそうだが、行方不明のまま隠れて生きて行こうとする私に驚くような提案をする。
「少年の世話係になってくれ。けれど人に話したら消す。」
【完結】白い結婚を終えて自由に生きてまいります
なか
恋愛
––アロルド、私は貴方が結婚初日に告げた言葉を今でも覚えている。
忘れもしない、あの時貴方は確かにこう言った。
「初めに言っておく、俺達の婚姻関係は白い結婚として……この関係は三年間のみとする」
「白い結婚ですか?」
「実は俺には……他に愛する女性がいる」
それは「公爵家の令嬢との問題」を理由に、三年間だけの白い結婚を強いるもの。
私の意思を無視して三家が取り決めたものであったが、私は冷静に合意を決めた
――それは自由を得るため、そして『私自身の秘密を隠すため』の計算でもあった。
ところが、三年の終わりが近づいたとき、アロルドは突然告白する。「この三年間で君しか見えなくなった。白い結婚の約束をなかったことにしてくれ」と。
「セシーリア、頼む……どうか、どうか白い結婚の合意を無かった事にしてくれ」
アロルド、貴方は何を言い出すの?
なにを言っているか、分かっているの?
「俺には君しかいないと、この三年間で分かったんだ」
私の答えは決まっていた。
受け入れられるはずがない。
自由のため、私の秘密を守るため、貴方の戯言に付き合う気はなかった。
◇◇◇
設定はゆるめです。
とても強い主人公が自由に暮らすお話となります。
もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
【完結】地味令嬢の願いが叶う刻
白雨 音
恋愛
男爵令嬢クラリスは、地味で平凡な娘だ。
幼い頃より、両親から溺愛される、美しい姉ディオールと後継ぎである弟フィリップを羨ましく思っていた。
家族から愛されたい、認められたいと努めるも、都合良く使われるだけで、
いつしか、「家を出て愛する人と家庭を持ちたい」と願うようになっていた。
ある夜、伯爵家のパーティに出席する事が認められたが、意地悪な姉に笑い者にされてしまう。
庭でパーティが終わるのを待つクラリスに、思い掛けず、素敵な出会いがあった。
レオナール=ヴェルレーヌ伯爵子息___一目で恋に落ちるも、分不相応と諦めるしか無かった。
だが、一月後、驚く事に彼の方からクラリスに縁談の打診が来た。
喜ぶクラリスだったが、姉は「自分の方が相応しい」と言い出して…
異世界恋愛:短編(全16話) ※魔法要素無し。
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁
瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。
彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。
白い結婚は終わりました。――崩れない家を築くまで
しおしお
恋愛
「干渉しないでくださいませ。その代わり、私も干渉いたしません」
崩れかけた侯爵家に嫁いだ私は、夫と“白い結婚”を結んだ。
助けない。口を出さない。責任は当主が負う――それが条件。
焦りと慢心から無謀な契約を重ね、家を傾かせていく夫。
私は隣に立ちながら、ただ見ているだけ。
放置された結果、彼は初めて自分の判断と向き合うことになる。
そして――
一度崩れかけた侯爵家は、「選び直す力」を手に入れた。
無理な拡張はしない。
甘い条件には飛びつかない。
不利な契約は、きっぱり拒絶する。
やがてその姿勢は王宮にも波及し、
高利契約に歪められた制度そのものを立て直すことに――。
ざまあは派手ではない。
けれど確実。
焦らせた者も、慢心した者も、
気づけば“選ばれない側”になっている。
これは、干渉しない約束から始まる静かな逆転劇。
そして、白い結婚を終え、信頼で立つ家へと変わっていく物語。
隣に立つという選択こそが、最大のざまあでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる