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【英雄との会合】
しおりを挟む~〇
北棟へ進む。そこは非公開の到着ロビー。
やがて、轟音もなく列車が滑り込んできた。
四両編成。
一両目からは無表情のドイツ兵。
二両目からは眠る幼児。
三両目からは檻に入った獣。赤い眼光がシートの隙間から覗く。
四両目から降り立ったのは――二メートルを超えるアンドロイドだった。
軍服にハーケンクロイツとSSの徽章。
名を呼ぶ声が響く。
「ロンメル閣下!」
~〇
汽笛を鳴らさずに車輪の音だけをさせながら列車が入って来る。
そして静かに停車する。
車両は4つ。
停車の反動で各車両がぶつかり合って〈ガシャンガシャン〉と金属音を出す。
1両目が開く。
ウージーを腰だめに構えたドイツ兵が降りてくる。
列車に沿って一列に整列。
2両目。
天使の様な幼児が抱き抱えられながら降りて来る。
3両目。
檻だ。
鉄柵に入れられたケダモノが運ばれて行く。
檻にはシートが掛けられているので中は分からないがシートが僅かに捲れ上がった時に赤い爛々とした眼光が見えた。
4両目。
〈プシュ~〉と機械式の機密ドアが開く。
列車の闇から現れたのは二メートルを超える巨影。
鉄と油の匂いをまとい、軍服の胸には赤黒く滲むハーケンクロイツとSSゲシュタポのマーク。
足音はまるで戦車――床板ごと震わせながら、アンドロイドはゆっくりと歩み出た。
規律正しい歩き方でドイツ兵の前を悠然と闊歩する。
ドイツ兵の隊長格が「ロンメル閣下、全員列車から降りました」と報告する。
その言葉を聞き終わる前にアンドロイドは手を水平に伸ばしてP38を俺に向ける。
ロンメルと呼ばれたサイボーグは幼児達の盾になる様に俺との線上に立ちはだかる。
P38の弾丸は正確に俺の眉間を撃ち抜く。
俺は糸の切れたパペットの様に倒れる。
倒れた先はホームの排水を流す側溝だった。
そのまま奈落に落ちる。
底は羽黒山の源泉からの水が勢いよく流れる地下の川だった。
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