10 / 11
【英雄との会合】
しおりを挟む~〇
北棟へ進む。そこは非公開の到着ロビー。
やがて、轟音もなく列車が滑り込んできた。
四両編成。
一両目からは無表情のドイツ兵。
二両目からは眠る幼児。
三両目からは檻に入った獣。赤い眼光がシートの隙間から覗く。
四両目から降り立ったのは――二メートルを超えるアンドロイドだった。
軍服にハーケンクロイツとSSの徽章。
名を呼ぶ声が響く。
「ロンメル閣下!」
~〇
汽笛を鳴らさずに車輪の音だけをさせながら列車が入って来る。
そして静かに停車する。
車両は4つ。
停車の反動で各車両がぶつかり合って〈ガシャンガシャン〉と金属音を出す。
1両目が開く。
ウージーを腰だめに構えたドイツ兵が降りてくる。
列車に沿って一列に整列。
2両目。
天使の様な幼児が抱き抱えられながら降りて来る。
3両目。
檻だ。
鉄柵に入れられたケダモノが運ばれて行く。
檻にはシートが掛けられているので中は分からないがシートが僅かに捲れ上がった時に赤い爛々とした眼光が見えた。
4両目。
〈プシュ~〉と機械式の機密ドアが開く。
列車の闇から現れたのは二メートルを超える巨影。
鉄と油の匂いをまとい、軍服の胸には赤黒く滲むハーケンクロイツとSSゲシュタポのマーク。
足音はまるで戦車――床板ごと震わせながら、アンドロイドはゆっくりと歩み出た。
規律正しい歩き方でドイツ兵の前を悠然と闊歩する。
ドイツ兵の隊長格が「ロンメル閣下、全員列車から降りました」と報告する。
その言葉を聞き終わる前にアンドロイドは手を水平に伸ばしてP38を俺に向ける。
ロンメルと呼ばれたサイボーグは幼児達の盾になる様に俺との線上に立ちはだかる。
P38の弾丸は正確に俺の眉間を撃ち抜く。
俺は糸の切れたパペットの様に倒れる。
倒れた先はホームの排水を流す側溝だった。
そのまま奈落に落ちる。
底は羽黒山の源泉からの水が勢いよく流れる地下の川だった。
1
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる