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第二章「傷だらけの汐苑」
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「・・・あ~っ 怖かった・・・」
ヨーロッパのホラー映画はハリウッドにはない独特の不気味さがあるので、由希は好きだった。
今回見た映画は、薄幸の美少年が周囲の人間を殺めていく内容のサイコスリラーだ。
(やっぱりホラーは心霊物よりもサイコ系の方が精神的にくるな・・・)
午後11時、由希はテレビの電源を切り、洗面所に向かった。
ホラー映画を見た後なので、鏡を見るのも怖く、部屋中の電気を全部つけて壁に背をつけながら歯を磨いた。
そして恐る恐る寝室のベッドに向かい、布団の中に入った。
(眠れない・・・ まあ私、もう社畜じゃないし別にいいんだけどさ・・・)
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
それから一時間ほどが経った頃、突然玄関のチャイムが鳴った。
「ひっ・・・!!」
折角眠りにつきかけていた由希は起き上がった。
「誰・・・?こんな夜中に」
冴えた目で恐る恐る玄関に向かい、ドアスコープを覗いた。
「ぎゃあああああああああああああああああ!!」
思わず由希は叫び、尻餅をついてしまった。
「なしたんだ由希ちゃん!強盗でも来たのか!」
アルメルスが由希の叫び声を聞きつけ、書庫からトコトコと走ってきた。
「お、お化けが・・・」
「お化け!? どら、見せてみ」
由希はアルメルスをドアスコープまで持ち上げた。
「・・・はんかくせ者(※「馬鹿」の意味) よく見てみ。紗南でねえか」
「へ? 紗南ちゃん?」
由希はもう一度ドアスコープを覗いた。
色白の肌に長い髪で、俯いた姿はどこか幽霊にも見えたが、よくみてみると確かに紗南だ。
水色のパジャマを着た紗南は愛用の枕を抱きしめている。急いでドアを開けて中に入れてあげた。
「さ、紗南ちゃん。どうしたの、こんな時間に・・・」
紗南は由希を見つめると、突然涙ぐんで
「う、うう。ごめんなさい。怖くてどうしても・・・」
話を聞いてみると、それなりの事情があった。
紗南の母親である結衣は、どうしても外せない出張で留守にしているという。
「本当に一人でいいの?」と心配する結衣に対し、
「うん。私ももう3年生だし。一人でも大丈夫だよ」
と紗南は胸を張って言ったという。
しかし、夜中突然目が覚めてしまい、初めて過ごす一人の夜に耐えきれずに由希の部屋に来たという。
「そういうことなら仕方がないね。じゃあ泊まってもいいよ」
「は、はい。お邪魔します。なんかさっき、叫び声が聞こえましたけど・・・」
「うーん? 気のせいじゃない? ね、アルちゃん」と由希は嘯く。
「んだ。オラは何にも聞いてね」
(幽霊と間違ったなんて、とても言えないよ・・・)
ベッドに入るや否や、紗南は安心したのかすぐに眠ってしまった。
(この前のお風呂もそうだけど、これって法的には大丈夫なんだろうか)
由希はそんなことを考えながら目を閉じて、再び夢の中にへと戻って行った。
ヨーロッパのホラー映画はハリウッドにはない独特の不気味さがあるので、由希は好きだった。
今回見た映画は、薄幸の美少年が周囲の人間を殺めていく内容のサイコスリラーだ。
(やっぱりホラーは心霊物よりもサイコ系の方が精神的にくるな・・・)
午後11時、由希はテレビの電源を切り、洗面所に向かった。
ホラー映画を見た後なので、鏡を見るのも怖く、部屋中の電気を全部つけて壁に背をつけながら歯を磨いた。
そして恐る恐る寝室のベッドに向かい、布団の中に入った。
(眠れない・・・ まあ私、もう社畜じゃないし別にいいんだけどさ・・・)
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
それから一時間ほどが経った頃、突然玄関のチャイムが鳴った。
「ひっ・・・!!」
折角眠りにつきかけていた由希は起き上がった。
「誰・・・?こんな夜中に」
冴えた目で恐る恐る玄関に向かい、ドアスコープを覗いた。
「ぎゃあああああああああああああああああ!!」
思わず由希は叫び、尻餅をついてしまった。
「なしたんだ由希ちゃん!強盗でも来たのか!」
アルメルスが由希の叫び声を聞きつけ、書庫からトコトコと走ってきた。
「お、お化けが・・・」
「お化け!? どら、見せてみ」
由希はアルメルスをドアスコープまで持ち上げた。
「・・・はんかくせ者(※「馬鹿」の意味) よく見てみ。紗南でねえか」
「へ? 紗南ちゃん?」
由希はもう一度ドアスコープを覗いた。
色白の肌に長い髪で、俯いた姿はどこか幽霊にも見えたが、よくみてみると確かに紗南だ。
水色のパジャマを着た紗南は愛用の枕を抱きしめている。急いでドアを開けて中に入れてあげた。
「さ、紗南ちゃん。どうしたの、こんな時間に・・・」
紗南は由希を見つめると、突然涙ぐんで
「う、うう。ごめんなさい。怖くてどうしても・・・」
話を聞いてみると、それなりの事情があった。
紗南の母親である結衣は、どうしても外せない出張で留守にしているという。
「本当に一人でいいの?」と心配する結衣に対し、
「うん。私ももう3年生だし。一人でも大丈夫だよ」
と紗南は胸を張って言ったという。
しかし、夜中突然目が覚めてしまい、初めて過ごす一人の夜に耐えきれずに由希の部屋に来たという。
「そういうことなら仕方がないね。じゃあ泊まってもいいよ」
「は、はい。お邪魔します。なんかさっき、叫び声が聞こえましたけど・・・」
「うーん? 気のせいじゃない? ね、アルちゃん」と由希は嘯く。
「んだ。オラは何にも聞いてね」
(幽霊と間違ったなんて、とても言えないよ・・・)
ベッドに入るや否や、紗南は安心したのかすぐに眠ってしまった。
(この前のお風呂もそうだけど、これって法的には大丈夫なんだろうか)
由希はそんなことを考えながら目を閉じて、再び夢の中にへと戻って行った。
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