14 / 38
第二章:動き出す終末の歯車
第十話:愛しい兎に想い馳せ…
しおりを挟む
イタリアまで飛行してきたエルヴィスは、アドリア海に浮かぶ無人島の一つに降り立った。
飛行している最中、この島から血のにおいがしたのだ。
ライアンの目印を感じたのもこの島だった。
広葉樹と針葉樹が入り交じって茂る、穏やかな無人島。
その中央付近にたどり着くと、地面に血の跡があった。
足跡も地面に多数残っており、ここで何かあったのは間違いなかった。
「この血の匂い・・・・・・ライアンのものではないな」
少しだけ安心した。
では、この血は誰の血なのだろう。
指で血をなぞると、ねっとりとした人の血とは違う、柔らかな感触をしていた。
どうやらヴァンパイアの血のようだ。
この足跡と血の量、そして・・・・・・。
「ライアンにつけた目印が、解けそうになっているな」
王族の付けた目印を解くには、相当強い気力か王族にしか不可能。
それ以外に考えられる方法はーー死だけだ。
今にも消えてしまいそうなライアンの気配に、エルヴィスは全神経を向けた。
場所はーー難攻不落と言われた空中城塞「聖騎士団本部」だ。
もう、兎を離して遊んでいられないのかもしれない。
頭に流れ込んできたライアンの感情ーー怒り、悲しみ、焦燥が何を示すのか分からない。
だが、彼が助けを求めているのは確かだった。
「王族がすべて滅んだと思って、崖の上などに城を構えたのが運の尽きだ」
王族の翼を持ってすれば、あの程度の城は落とせる。
ライアンも救い出せる。
彼を連れ戻したら、今度こそ眷属として血の契りを交わそう。
未来永劫自分の側に置き、再び夜の国を再建するのだ。
「今迎えに行くぞ、ライアン」
エルヴィスは両翼を広げると、赤と紫に染まった空に向けて飛翔した。
飛行している最中、この島から血のにおいがしたのだ。
ライアンの目印を感じたのもこの島だった。
広葉樹と針葉樹が入り交じって茂る、穏やかな無人島。
その中央付近にたどり着くと、地面に血の跡があった。
足跡も地面に多数残っており、ここで何かあったのは間違いなかった。
「この血の匂い・・・・・・ライアンのものではないな」
少しだけ安心した。
では、この血は誰の血なのだろう。
指で血をなぞると、ねっとりとした人の血とは違う、柔らかな感触をしていた。
どうやらヴァンパイアの血のようだ。
この足跡と血の量、そして・・・・・・。
「ライアンにつけた目印が、解けそうになっているな」
王族の付けた目印を解くには、相当強い気力か王族にしか不可能。
それ以外に考えられる方法はーー死だけだ。
今にも消えてしまいそうなライアンの気配に、エルヴィスは全神経を向けた。
場所はーー難攻不落と言われた空中城塞「聖騎士団本部」だ。
もう、兎を離して遊んでいられないのかもしれない。
頭に流れ込んできたライアンの感情ーー怒り、悲しみ、焦燥が何を示すのか分からない。
だが、彼が助けを求めているのは確かだった。
「王族がすべて滅んだと思って、崖の上などに城を構えたのが運の尽きだ」
王族の翼を持ってすれば、あの程度の城は落とせる。
ライアンも救い出せる。
彼を連れ戻したら、今度こそ眷属として血の契りを交わそう。
未来永劫自分の側に置き、再び夜の国を再建するのだ。
「今迎えに行くぞ、ライアン」
エルヴィスは両翼を広げると、赤と紫に染まった空に向けて飛翔した。
0
あなたにおすすめの小説
路地裏の王子様と秘密のカフェ ―10年ぶりに再会した親友はトップアイドルでした―
たら昆布
BL
大学生の千秋がバイト帰りの路地裏で助けたのは、今をときめくアイドル『GALAXY』のセンター、レオだった。
以来、レオは変装して千秋の働くカフェへ毎日通い詰めるようになる。
「千秋に会うと疲れなんて全部消えちゃうんだ」
トップアイドルとは思えないほど素直に懐いてくるレオに、千秋は戸惑いながらも多忙な彼を支えたいと願うようになる。
しかし、千秋はまだ知らない。
レオが10年前に「また絶対会おう」と約束して別れた泣き虫な親友の玲央本人だということに。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~
トモモト ヨシユキ
BL
魔物の国との和議の証に結ばれた公爵家同士の婚約。だが、婚約することになった姉が拒んだため6男のシャル(俺)が代わりに婚約することになった。
突然、オーガ(鬼)の嫁になることがきまった俺は、ショックで前世を思い出す。
有名進学校に通うDKだった俺は、前世の知識と根性で自分の身を守るための剣と魔法の鍛練を始める。
約束の10年後。
俺は、人類最強の魔法剣士になっていた。
どこからでもかかってこいや!
と思っていたら、婚約者のオーガ公爵は、全くの塩対応で。
そんなある日、魔王国のバーティーで絡んできた魔物を俺は、こてんぱんにのしてやったんだが、それ以来、旦那様の様子が変?
急に花とか贈ってきたり、デートに誘われたり。
慣れない溺愛にこっちまで調子が狂うし!
このまま、俺は、絆されてしまうのか!?
カイタ、エブリスタにも掲載しています。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
目立たないでと言われても
みつば
BL
「お願いだから、目立たないで。」
******
山奥にある私立琴森学園。この学園に季節外れの転入生がやってきた。担任に頼まれて転入生の世話をすることになってしまった俺、藤崎湊人。引き受けたはいいけど、この転入生はこの学園の人気者に気に入られてしまって……
25話で本編完結+番外編4話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる