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第三章:蘇る過去
第二話:従兄さんに、分かってほしい
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他の護衛兵も下がるよう命令すると、エルヴィスがいるからか、素直に庭から出て行った。
俺達以外のヴァンパイアがいなくなると、エルヴィスはその場に勢いよく腰を下ろした。
「俺はお前の考えがまるで分からない」
「従兄様?」
「人間は餌だ。なのになぜ、お前は連れてこられた人間を自分の城で守り育てている? 育てて食うわけでもないだろう」
「従兄様、彼らの存在があってこそ、ヴァンパイアの生活が成り立つのです。父と選ぶ道は逸れますが、俺は人との共存という道を歩みたいです」
人間は餌にすぎないと言う、ヴァンパイア古来の考えを持つエルヴィスにとって、俺の考えは理解できないだろう。
だが、いずれ王位を継いだとき、エルヴィスには俺の考えに同調してほしい。
互いに王家と王弟一家の一人息子の為、時代が移り変わったとき、種族を守るのは俺達だ。
考えが噛み合っていなければ、これ以上繁栄はできない。
「いずれ従兄様にも、お分かりいただきたいです」
「・・・・・・ふん」
エルヴィスは眉間にしわを寄せると、立ったままだった俺の腕を勢いよく掴み、自分の方へ引っ張った。
身構えていなかった俺は、簡単に体勢を崩す。
芝生に座っていたエルヴィスの膝の上に倒れ込み、対面する形で落ち着いた。
突然間近に現れたエルヴィスの整った顔に、心臓が飛び跳ねる。
俺の頬に指を添え、従兄はことさら深く眉間にしわを寄せた。
「今は二人きりなんだから、その敬語口調をやめろ」
「・・・・・・酷いな。これでも王族のイメージを守ろうと頑張ってるんだよ」
「今は守る必要もないだろ。俺達以外、誰もいない」
エルヴィスの目が潤んでいる。
血を欲しているのだ。
彼は俺の襟に手を沿わせ、ボタンをゆっくり外していく。
はだけた胸元をエルヴィスの前にさらし、俺はおとなしく座っていた。
遠征で王族の血を飲んでいなかったエルヴィスは、今まで飢えているのを隠していたのだろう。
俺の素肌に手を滑らせ、彼は長い吐息を付いた。
「・・・・・・いいか?」
「いいよ。そのために護衛を下がらせたんだ」
「はっ、さすがは我が殿下だ」
にやりと口角をつり上げたかと思うと、エルヴィスは俺の首筋に食らいついた。
ずぶりと太い牙が皮膚を突き破り、血管に穴を空ける。
そこから溢れだした血を、エルヴィスは夢中で吸い上げていた。
人間ほど吸血に対して快楽を感じはしないが、自分の血がエルヴィスの体を構築するものの一部になると思うと
、満ち足りた気分になる。
幼子をあやすように頭を撫でていると、エルヴィスは俺の首から唇を離した。口紅を引いたように赤く色づいた唇を舐めながら、微笑する。
「お前も飢えているだろ? 飲むか?」
「従兄さん、疲れてるんだろう? 休んでからでいいよ」
戦いから帰ったばかりの体に牙を突き立てるのは、なんだか申し訳ない。
服装を整えながら立ち上がると、城で飼われている人間が着る、白い制服に身を包んだ十代ほどの少年が、箱庭に現れた。
俺達以外のヴァンパイアがいなくなると、エルヴィスはその場に勢いよく腰を下ろした。
「俺はお前の考えがまるで分からない」
「従兄様?」
「人間は餌だ。なのになぜ、お前は連れてこられた人間を自分の城で守り育てている? 育てて食うわけでもないだろう」
「従兄様、彼らの存在があってこそ、ヴァンパイアの生活が成り立つのです。父と選ぶ道は逸れますが、俺は人との共存という道を歩みたいです」
人間は餌にすぎないと言う、ヴァンパイア古来の考えを持つエルヴィスにとって、俺の考えは理解できないだろう。
だが、いずれ王位を継いだとき、エルヴィスには俺の考えに同調してほしい。
互いに王家と王弟一家の一人息子の為、時代が移り変わったとき、種族を守るのは俺達だ。
考えが噛み合っていなければ、これ以上繁栄はできない。
「いずれ従兄様にも、お分かりいただきたいです」
「・・・・・・ふん」
エルヴィスは眉間にしわを寄せると、立ったままだった俺の腕を勢いよく掴み、自分の方へ引っ張った。
身構えていなかった俺は、簡単に体勢を崩す。
芝生に座っていたエルヴィスの膝の上に倒れ込み、対面する形で落ち着いた。
突然間近に現れたエルヴィスの整った顔に、心臓が飛び跳ねる。
俺の頬に指を添え、従兄はことさら深く眉間にしわを寄せた。
「今は二人きりなんだから、その敬語口調をやめろ」
「・・・・・・酷いな。これでも王族のイメージを守ろうと頑張ってるんだよ」
「今は守る必要もないだろ。俺達以外、誰もいない」
エルヴィスの目が潤んでいる。
血を欲しているのだ。
彼は俺の襟に手を沿わせ、ボタンをゆっくり外していく。
はだけた胸元をエルヴィスの前にさらし、俺はおとなしく座っていた。
遠征で王族の血を飲んでいなかったエルヴィスは、今まで飢えているのを隠していたのだろう。
俺の素肌に手を滑らせ、彼は長い吐息を付いた。
「・・・・・・いいか?」
「いいよ。そのために護衛を下がらせたんだ」
「はっ、さすがは我が殿下だ」
にやりと口角をつり上げたかと思うと、エルヴィスは俺の首筋に食らいついた。
ずぶりと太い牙が皮膚を突き破り、血管に穴を空ける。
そこから溢れだした血を、エルヴィスは夢中で吸い上げていた。
人間ほど吸血に対して快楽を感じはしないが、自分の血がエルヴィスの体を構築するものの一部になると思うと
、満ち足りた気分になる。
幼子をあやすように頭を撫でていると、エルヴィスは俺の首から唇を離した。口紅を引いたように赤く色づいた唇を舐めながら、微笑する。
「お前も飢えているだろ? 飲むか?」
「従兄さん、疲れてるんだろう? 休んでからでいいよ」
戦いから帰ったばかりの体に牙を突き立てるのは、なんだか申し訳ない。
服装を整えながら立ち上がると、城で飼われている人間が着る、白い制服に身を包んだ十代ほどの少年が、箱庭に現れた。
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