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出会いましょう、新しい世界と共に
第二十九話 安定しないなら慣れるまで
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…加護の付け方に関しては、焦る必要もないのでゆっくりと学んでほしい。
下手にやばいものが付いたりすれば、それこそ目も当てられない事態になりかねない可能性だってあるのだから。
「…風の噂で、メラドゥス帝国に暴風聖皇女が爆誕したとか言うのが、良い例なのかな」
いや、良い悪いの判断はできないが…ルドたちがこれ以上関わることはないだろう。
所詮、平民と貴族の身分の差もあり、今回の件が無ければ再び顔を合わせることは無いと思われるからだ。
そう、絶対にハクロのせいだと思わないようにして、見て見ぬふりを知れやり過ごした方が良いと判断したわけではない…多分。
うん、絶対に無関係だと貫き通したい。噂ではいくつもの悪の組織的なものが壊滅しまくって断末魔が上がっているとかなんとか…
そんなことはさておき、騒動もありつつも平穏な日常は進み、気が付けば王都に来てから数か月が経過しており、時期的には前世でいうところの夏と同じような状態になっていた。
異世界となるとそのあたりの季節の変化まで同じところはあるのかとツッコミを入れたいが、そこはまぁ、色々と同じような転生者が過去にもいたようで、慣れているところは用意しておきたいのか既に決められた部分が多かったらしい。
だがしかし、過去に向かって意見を出せるならば、一つだけ思いっきり言いたいことがある。
「…うぐぅ…夏季休暇前の、テストラッシュ…地味に…きつい」
【旦那様、大丈夫ですか?】
夏季休暇前のお約束というべきか、しっかりと学んだことを確認するためのテストがぶっ続けで行われまくってしまった。
一週間ずっとテスト付け…理由としてはここで思いっきり印象に残しておくことで、夏季休暇明けに忘れ切ってしまうことが無いようにするためというのがあるらしいが、それでも物事には限度があると言いたい。
転生者ならば知識チートがどっぷりあって楽勝かと思いそうだが、あいにくそこは前世の記憶も役に立たない今世の知識がたっぷり必要になるものもある。
授業をまじめに受けてきたからこそ、まだましな方なのだろうが…
「し、死にそう…これ、下手したら補習が…」
「うぐぐぐぐ…だ、だが、明日の結果発表を乗り切りさえすれば…」
「おごごおご…遊びたい、遊びたいよぉ…」
本日の午前中でようやく終わったテスト週間なのだが、学園の食堂内は学年を問わずに死屍累々の状況が広がっていた。
全員、根性でやり切ったようであり、どことなく戦友のような一体感を感じ取れるような気がするだろう。
【なんというか、人間って学ぶ場所でも生きていくのは大変なんですね】
「そういや、ハクロは受けてないんだよなぁ」
聖女様の養子になったとはいえ、彼女は生徒になったわけではない。
戸籍を得たとしても魔獣なことには変わりはなく、大きく立場が変わることはないのだ。
それでも授業にはちょくちょく顔を出しているため、生徒と同じような扱いに見えるのだが…テストを受ける必要はなかったらしい。
【夏季休暇明けあたりから勉強に本腰を入れてみて、免許を取って教員にならないかって教師陣から誘われましたけどね】
「あ、学ぶ側から教える側へ変えないかってことか」
【うーん、旦那様の専用教師になるのも良いのですが…やっぱり、お嫁さんのほうになりたいですからね。教師としての時間を持つと、一緒に過ごせる時間が割かれそうなのが嫌なので断ってます】
「なるほど」
【でも、お嫁さん以外になる気はないのですが…一応、聖女様から聖女の力の扱い方蚊に関しての学びは始めましたよ。旦那様にしっかり加護を与えたいなら、知識を持つのが一番でしょうし、それに他にも何やら便利そうな聖女様の力ってあるみたいですからね…ふふふ、全部、旦那様に使えるようにしたいです】
「へ、へぇ…」
真面目に学ぶのは良いことのはず。
でも、何故なのだろうか。何かもっと、余計にやばいことをやらかされているような予感がするのは。
聖女になる気がないけど、聖女の力は得ようというような目論見というだけならば、どことなく不穏な文にもなるはずだが…うん、気にしたら負けなのかもしれない。
「ハクロ、学ぶのは良いけどさ、それ絶対に極めてからとかにしてね」
【え?うーん、中途半端にやっても微妙ですし…はい、わかりましたよ、旦那様。満足いくようなものにして、施せるようにしますね】
うんうん、これで大丈夫なはず。
学べばどこまでが良い範囲になって、行き過ぎたらどれほど不味いのか、理解してくれるだろう。
ちょっとは加減を…あれ?どこまでやって良いのか分かるようになるってことは、その限界を攻めるってことはないよね?
危険を回避したつもりが、余計なものを招き入れてしまっていないだろうか。
そんな不安を思わず抱いたが、どうしようもないのであった…
「…悲劇を生むような呪詛でもないのなら、別に良いか」
【いやいや、ウニウニの魔女様に、呪いの類を教えてもらったことはありますけれども、旦那様にかけませんって】
「え、教えてもらっているってことは使えるの?」
【一応、教本ももらってまして…こちら、ウニウニの魔女様が自費出版(発売当日に禁止及び回収)された呪詛百科もあるので、やろうと思えばできますよ】
…何をやっているのだろうか、ウニウニの魔女。
ハクロ、それ絶対に今後、使うことが無いようしてほしい。確実に、ろくでもないものしかないだろうなぁ…
下手にやばいものが付いたりすれば、それこそ目も当てられない事態になりかねない可能性だってあるのだから。
「…風の噂で、メラドゥス帝国に暴風聖皇女が爆誕したとか言うのが、良い例なのかな」
いや、良い悪いの判断はできないが…ルドたちがこれ以上関わることはないだろう。
所詮、平民と貴族の身分の差もあり、今回の件が無ければ再び顔を合わせることは無いと思われるからだ。
そう、絶対にハクロのせいだと思わないようにして、見て見ぬふりを知れやり過ごした方が良いと判断したわけではない…多分。
うん、絶対に無関係だと貫き通したい。噂ではいくつもの悪の組織的なものが壊滅しまくって断末魔が上がっているとかなんとか…
そんなことはさておき、騒動もありつつも平穏な日常は進み、気が付けば王都に来てから数か月が経過しており、時期的には前世でいうところの夏と同じような状態になっていた。
異世界となるとそのあたりの季節の変化まで同じところはあるのかとツッコミを入れたいが、そこはまぁ、色々と同じような転生者が過去にもいたようで、慣れているところは用意しておきたいのか既に決められた部分が多かったらしい。
だがしかし、過去に向かって意見を出せるならば、一つだけ思いっきり言いたいことがある。
「…うぐぅ…夏季休暇前の、テストラッシュ…地味に…きつい」
【旦那様、大丈夫ですか?】
夏季休暇前のお約束というべきか、しっかりと学んだことを確認するためのテストがぶっ続けで行われまくってしまった。
一週間ずっとテスト付け…理由としてはここで思いっきり印象に残しておくことで、夏季休暇明けに忘れ切ってしまうことが無いようにするためというのがあるらしいが、それでも物事には限度があると言いたい。
転生者ならば知識チートがどっぷりあって楽勝かと思いそうだが、あいにくそこは前世の記憶も役に立たない今世の知識がたっぷり必要になるものもある。
授業をまじめに受けてきたからこそ、まだましな方なのだろうが…
「し、死にそう…これ、下手したら補習が…」
「うぐぐぐぐ…だ、だが、明日の結果発表を乗り切りさえすれば…」
「おごごおご…遊びたい、遊びたいよぉ…」
本日の午前中でようやく終わったテスト週間なのだが、学園の食堂内は学年を問わずに死屍累々の状況が広がっていた。
全員、根性でやり切ったようであり、どことなく戦友のような一体感を感じ取れるような気がするだろう。
【なんというか、人間って学ぶ場所でも生きていくのは大変なんですね】
「そういや、ハクロは受けてないんだよなぁ」
聖女様の養子になったとはいえ、彼女は生徒になったわけではない。
戸籍を得たとしても魔獣なことには変わりはなく、大きく立場が変わることはないのだ。
それでも授業にはちょくちょく顔を出しているため、生徒と同じような扱いに見えるのだが…テストを受ける必要はなかったらしい。
【夏季休暇明けあたりから勉強に本腰を入れてみて、免許を取って教員にならないかって教師陣から誘われましたけどね】
「あ、学ぶ側から教える側へ変えないかってことか」
【うーん、旦那様の専用教師になるのも良いのですが…やっぱり、お嫁さんのほうになりたいですからね。教師としての時間を持つと、一緒に過ごせる時間が割かれそうなのが嫌なので断ってます】
「なるほど」
【でも、お嫁さん以外になる気はないのですが…一応、聖女様から聖女の力の扱い方蚊に関しての学びは始めましたよ。旦那様にしっかり加護を与えたいなら、知識を持つのが一番でしょうし、それに他にも何やら便利そうな聖女様の力ってあるみたいですからね…ふふふ、全部、旦那様に使えるようにしたいです】
「へ、へぇ…」
真面目に学ぶのは良いことのはず。
でも、何故なのだろうか。何かもっと、余計にやばいことをやらかされているような予感がするのは。
聖女になる気がないけど、聖女の力は得ようというような目論見というだけならば、どことなく不穏な文にもなるはずだが…うん、気にしたら負けなのかもしれない。
「ハクロ、学ぶのは良いけどさ、それ絶対に極めてからとかにしてね」
【え?うーん、中途半端にやっても微妙ですし…はい、わかりましたよ、旦那様。満足いくようなものにして、施せるようにしますね】
うんうん、これで大丈夫なはず。
学べばどこまでが良い範囲になって、行き過ぎたらどれほど不味いのか、理解してくれるだろう。
ちょっとは加減を…あれ?どこまでやって良いのか分かるようになるってことは、その限界を攻めるってことはないよね?
危険を回避したつもりが、余計なものを招き入れてしまっていないだろうか。
そんな不安を思わず抱いたが、どうしようもないのであった…
「…悲劇を生むような呪詛でもないのなら、別に良いか」
【いやいや、ウニウニの魔女様に、呪いの類を教えてもらったことはありますけれども、旦那様にかけませんって】
「え、教えてもらっているってことは使えるの?」
【一応、教本ももらってまして…こちら、ウニウニの魔女様が自費出版(発売当日に禁止及び回収)された呪詛百科もあるので、やろうと思えばできますよ】
…何をやっているのだろうか、ウニウニの魔女。
ハクロ、それ絶対に今後、使うことが無いようしてほしい。確実に、ろくでもないものしかないだろうなぁ…
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