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ver.1.0 ~始まりの音色~
ver.1.1.1-44話
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「補償の品がハウス内に届くってあったけれども‥‥‥まさか、プレゼントボックス風に包装された状態で届くとはね」
「きちんとお詫びの文章がつづられたカードも用意されて、細かいな」
ダンジョンを大体都合が良いところで切り上げ、出た後にハウスシステムを起動させ、僕らは今ハウス内に戻っていた。
招待機能を使って中三病さんとティラリアさんも一緒にいるのだが、ハウス内に戻ってすぐにお出迎えした僕らの前にあったのは、巨大なプレゼントボックス。クリスマスに枕もとで置かれていそうな包装ではあるのだが、そのサイズがちょっとおかしい。
「普通なら手ごろなサイズなのに、大きすぎないかコレ?」
「そうデースね。人が包装されていてもおかしくないのデース」
開封してみたところ、中から出てきたのは大きな黒い箱。
テカテカとした黒光りをしており、蓋のようなものも見当たらず、ただの黒い立方体のようだが‥‥‥なんだろうか、これは。
よく見れば箱の上部分にもう一枚手紙が置かれており、どうやらこちらの方が本文に当たるようだ。
――――――
『運営よりお詫びの品:次回アップデート先行体験』
この度、アルケディア・オンライン内で深刻なERROR被害を確認し、お詫び申し上げます。
補償として次回アップデートに予定されているハウスシステムにつく新しい機能に対して、有効に使用可能なセットをお送りいたします。
『インスタント使用人セット』
次回アップデートで追加される、新しい機能「使用人システム」。ハウス内での装飾品の入れ替えやお勧めの組み合わせ、料理を用意しての全員へのバフの付与や改築時の費用減少などの効果をもたらし、使用人によっては戦闘に参加することも可能である。
本来であればALで雇うシステムではあるが、今回のお詫びの品に限りALが発生しない特別な使用人を用意させていただきました。戦闘に参加をさせるのであれば、武器を装備する必要がありますが、装備品によってステータスや使用可能なスキルが変化しますので確認をお忘れないようにしてください。
―――――
「つまり、この中に次回アップデートで追加される使用人が内蔵されているってことなの?」
それにしても、中身が入っていたとしても蓋がなさそうなのでどうやって出てくるのかという疑問があったが、続きを読んでいくと開封手順が書いてあった。
どうやらここで既に出ているのだけれども、アイテム欄を見直せば記述されており、そこで開封を選択すれば開くらしい。
「あ、本当だ。『インスタント使用人セット』が入っているね」
―――――
>開封いたしますか?
>‥‥‥選択が受理されました。開封されます。
―――――
すぐに「はい」の選択肢を迷うことなく決めると、箱が開封され始めた。
イメージ的にはこう、パカッとどこかの蓋が開くかと思ったが、リンゴの皮むきのように端っこの方から黒い包装が捲れて中身が露わになった。
【‥‥『■■■■試験型M-66型0号機』。名称『ロロ』、起動いたしまシタ。この度は運営より送られましたので、今後どうぞよろしくお願いいたしマス】
礼儀正しくお辞儀をして出てきたのは、一体のメイド。
メイド喫茶などにいるようなメイドではなく、きちんとしたロングスカートとカチューシャをしており、顔つきとしては整っており、髪はショートカットでまとめられて、淡い水色の髪色と目をしているようだ。
「使用人というか、メイドさん?」
「ふむ、使用人システムとやらでメイドか‥‥‥もしかすると執事とかもいるのか?」
「なんというか、礼儀正しそうな人デース。しかし、メイドとなると‥‥‥」
っと、各々が感想を口にしたところで、ふとティアラさんが僕の方に目を向けた。
「‥‥‥先ほど、ミーが発言していた4人であれば四天王っぽい悪の組織ですが、この子でちょうど揃いましたのデース」
「いや、流石にメイドがそんな立場に収まるとは思わないんだけど」
「ありえない話ではないのデース。ミーの親戚のいとこの叔母の祖母もメイドをしていたのデースが、その当時の悪の組織の女首領の顔を持っていたはずなのデース」
「どんな人だよソレ!?」
ツッコミどころがあるが、まぁお詫びの品としてアップデートの先行体験ができるのであれば悪くはないだろう。
しかし、四天王発言があっても流石にメイドがそんなことになることは無いと思いたい。というかそもそも、僕ら悪の組織でもないんだが。
何にしても、新しいメンバーが出来た喜びもあるというか、お詫びの品としては人身売買みたいな気にもなるので、何とも言えない気分になるのであった…‥‥
【人身売買の心配をされてますが、大丈夫デス。人ではなく、ゲームの中なのでそこまで深刻に思わなくてもいいのデス。そもそも売買にもなってませんからネ】
「さらっと心を読まないで。というか読めるの?」
【ハイ。アルケディア・オンラインの開発元が、介護事業にも手を伸ばし始めて、介護用AIに関してのデータをここでも集めようと計画しているのデス。その為、ある程度の思考の確認をして、快適に過ごせるように設定されてますので、ご心配なさらずにお過ごしくだサイ】
‥‥‥VRMMO内で現実の話とはこれいかに。しかし、介護用AIとなるとゲームとは理屈が違うとは思うけれども、そこをどうする気なのか?それはそれで気になるなぁ‥‥‥
「きちんとお詫びの文章がつづられたカードも用意されて、細かいな」
ダンジョンを大体都合が良いところで切り上げ、出た後にハウスシステムを起動させ、僕らは今ハウス内に戻っていた。
招待機能を使って中三病さんとティラリアさんも一緒にいるのだが、ハウス内に戻ってすぐにお出迎えした僕らの前にあったのは、巨大なプレゼントボックス。クリスマスに枕もとで置かれていそうな包装ではあるのだが、そのサイズがちょっとおかしい。
「普通なら手ごろなサイズなのに、大きすぎないかコレ?」
「そうデースね。人が包装されていてもおかしくないのデース」
開封してみたところ、中から出てきたのは大きな黒い箱。
テカテカとした黒光りをしており、蓋のようなものも見当たらず、ただの黒い立方体のようだが‥‥‥なんだろうか、これは。
よく見れば箱の上部分にもう一枚手紙が置かれており、どうやらこちらの方が本文に当たるようだ。
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『運営よりお詫びの品:次回アップデート先行体験』
この度、アルケディア・オンライン内で深刻なERROR被害を確認し、お詫び申し上げます。
補償として次回アップデートに予定されているハウスシステムにつく新しい機能に対して、有効に使用可能なセットをお送りいたします。
『インスタント使用人セット』
次回アップデートで追加される、新しい機能「使用人システム」。ハウス内での装飾品の入れ替えやお勧めの組み合わせ、料理を用意しての全員へのバフの付与や改築時の費用減少などの効果をもたらし、使用人によっては戦闘に参加することも可能である。
本来であればALで雇うシステムではあるが、今回のお詫びの品に限りALが発生しない特別な使用人を用意させていただきました。戦闘に参加をさせるのであれば、武器を装備する必要がありますが、装備品によってステータスや使用可能なスキルが変化しますので確認をお忘れないようにしてください。
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「つまり、この中に次回アップデートで追加される使用人が内蔵されているってことなの?」
それにしても、中身が入っていたとしても蓋がなさそうなのでどうやって出てくるのかという疑問があったが、続きを読んでいくと開封手順が書いてあった。
どうやらここで既に出ているのだけれども、アイテム欄を見直せば記述されており、そこで開封を選択すれば開くらしい。
「あ、本当だ。『インスタント使用人セット』が入っているね」
―――――
>開封いたしますか?
>‥‥‥選択が受理されました。開封されます。
―――――
すぐに「はい」の選択肢を迷うことなく決めると、箱が開封され始めた。
イメージ的にはこう、パカッとどこかの蓋が開くかと思ったが、リンゴの皮むきのように端っこの方から黒い包装が捲れて中身が露わになった。
【‥‥『■■■■試験型M-66型0号機』。名称『ロロ』、起動いたしまシタ。この度は運営より送られましたので、今後どうぞよろしくお願いいたしマス】
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メイド喫茶などにいるようなメイドではなく、きちんとしたロングスカートとカチューシャをしており、顔つきとしては整っており、髪はショートカットでまとめられて、淡い水色の髪色と目をしているようだ。
「使用人というか、メイドさん?」
「ふむ、使用人システムとやらでメイドか‥‥‥もしかすると執事とかもいるのか?」
「なんというか、礼儀正しそうな人デース。しかし、メイドとなると‥‥‥」
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「‥‥‥先ほど、ミーが発言していた4人であれば四天王っぽい悪の組織ですが、この子でちょうど揃いましたのデース」
「いや、流石にメイドがそんな立場に収まるとは思わないんだけど」
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しかし、四天王発言があっても流石にメイドがそんなことになることは無いと思いたい。というかそもそも、僕ら悪の組織でもないんだが。
何にしても、新しいメンバーが出来た喜びもあるというか、お詫びの品としては人身売買みたいな気にもなるので、何とも言えない気分になるのであった…‥‥
【人身売買の心配をされてますが、大丈夫デス。人ではなく、ゲームの中なのでそこまで深刻に思わなくてもいいのデス。そもそも売買にもなってませんからネ】
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‥‥‥VRMMO内で現実の話とはこれいかに。しかし、介護用AIとなるとゲームとは理屈が違うとは思うけれども、そこをどうする気なのか?それはそれで気になるなぁ‥‥‥
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