375 / 718
Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.2-17 ミステリートレイン 最終日
しおりを挟む
…吸血によって、ファンタジックアイランドで遊べる最終日には、ミーちゃんはすっかり回復していた。
血を吸うだけでここまでの回復があるとは、僕の血が相当効いたのか、真祖ゆえの回復力の高さだからか、他にもいろいろとあるのか…何にしても、前日にバラバラにされていたとは思えないほどの気力があっただろう。
しいて問題を言うのであれば…吸血によって真祖としての力のほうが強化されるのか、まともな勝負では加減ができなくなっているぐらいか。
「…吸血鬼どころか吸血種の特徴として、一度生き血を食したら、しばらく活性化しちゃうようで…飲み慣れた人なら制御しやすいそうだけど、私の場合はそんなに飲んでないから制御しにくいんだよね」
「これだと普通の力比べとかの類ができないな…純粋に身体能力が跳ね上がっているもんね」
一緒に遊べるのは良いが、勝負がしづらい状態。
どうも瞬発力や判断力、その他の力も一時的に上昇しまくっているようで、勝負するには少々厳しい状態。
これで真正面からできるほどの力があればよかったが、あいにく一般人の春にはそんな真祖と真っ向勝負できるほどの力はない。
「女神人形はまだあるけど、アレを使うのも何か違うしなぁ…いや、女神浸かっても張り合えたらそれはそれですさまじい様な」
「それでこの島が消えたら、元も子もないと思うんだけど」
…消す気はないけど、力のぶつかり合いがどうなるのかは大体わかるので女神は無し。
その代わりに何か別の方法がないかと模索した結果、一つの方法があった。
「しりとり用変身粘土『メタモルッチ』か…」
「しりとりで出た内容に対して変身する粘土の人形で、答えるまで粘土が襲ってきます…なるほど」
ちょっとした遊具の一種で、見た目的にわかりやすいものになっているらしい。
しりとりのルール自体は単純だが、次に答えるまで追いかけまわされるようで、鬼ごっこの要素も少しだけ混ざっているような気がする。
「タッチされるまでに次の言葉を言えなかったり、あるいは『ん』で終わったら負け…シンプルだけど、面白そうかな」
「鬼ごっこもあるなら、今の身体能力だと私負けないよ?」
「そこはまぁ、ハンデが欲しいかな」
都合の良いハンデとして、筋トレ用道具の『ギガトンリング』という道具をミーちゃんに付けてもらった。
リング状の重しだが、ダイヤルを操作して重さを自由に操作できるらしく、最大の10tでやってもらうことにする。
「というか、10tでも動けるミーちゃんがすごいけど、この重さでトレーニングできる奴がいるのだろうか…」
「tの重さが選択できるだけでも、十分規格外すぎるよね。需要あるのかなぁ?」
そこそこの重さだけでも十分なのに、度が過ぎたレベルの重さになる道具は意味があるのか。
その疑問を抱きつつも、このハンデだけでも十分なので、早速やってみることにする。
「それじゃ、先行は僕から行くね」
「どうぞどうぞ。このハンデがあっても、私は負けないよ」
「それじゃ、お言葉に甘えて…最初から全力でやってしまおう。えっと、『超音速ミサイル』っと」
「いきなりどぎついのがきたんだけど!?」
…そしてそのミサイルに変形し、すぐに飛翔する粘土。
変形力の速さは技術の高さをうかがわせるが、ミーちゃんが次の内容を思いつくまで全力で追い続得ていくのであった…
「えっとえっとえっとミサイルミサイルルルル…!!『ルンバ』!!」
「バ、『バズーカー』」
「かかかか『カルビ』!!
「『ビーム』!!」
「明らかに殺意マシマシなものばかりやってない!?」
いえ、殺意はないです。ミーちゃんにそんなもの、抱くわけがない…あ、いや、女装の賭けをされたのはほんのちょっとだけ抱きそうになったかな?
…平和的なようなそうでもないような、そんなやり取りが行われていたころ。
家の方では、ロロが後片付けを行っていた。
【結局、地上に残されていた方々は、バックについていたものがいなくなったことで、帰る家がなくなりましたね…まぁ、留置場ならば問題なかったかもしれまセン】
むしろ、今回の騒動の原因となったとあるコンピューターがやらかしたことを考えると、何の成果もあげられずにそのまま帰還させなかっただけ、慈悲がある対応を行たというべきだろうか。
空と地下から攻めてきた者たちは、既に責任を取らされる形で利用されていたようだが、それらよりも遅れて行動したことが幸運だったのか、陸から襲ってきた者たちは国家権力によってとらえられて、無事で過ごすことになった。
一応、融通は多少は利かせられるし、被害もなくなったのでそのまま放置でも良いのだが…与えられていた任務をやろうとしていたその忠実さは買うものがあるだろう。
最初に襲ってきたやつらは、治療が済んだとはいえ色々と改竄しまくったようなので、使い物になることはない。
だが、まだ無事な捕えられているやつらに関しては、多少の記憶操作が必要とはいえ、利用価値はあるのかもしれない。
【そう考えると、中々幸運な方たちですネ。良かったというべきでしょうカ】
襲われていた側だったが、それでも相手のあったかもしれない未来を考えると多少は同情の余地があるし、使えるのあれば使ったほうが良い。
問題ないのであれば、そのまま利用しなおしたほうがためになるだろう。
【しかし、結局使わなかった機能もありましたし、このあたりの防衛設備に関しては再考の余地ありですネ。飛行機能、巨大ロボ変形、合体機能などありましたが…ご近所の目を考えれば、余計なものはなくして代わりのものを使ったほうが良いのかもしれまセン】
襲撃を経験した各地の同僚たちと連絡は取っており、何が良くしようされ、逆に何がほぼ使わなかったのかという情報共有済みである。
想定して用意することはできるが、実際に事が起きて見なければわからないこともあるため、今回の一件は都合の良いデータ収集にもなっただろう。
【なんにしても、主様方が帰ってくる前に多少調整作業はしておきましょウ。守りきれたのはよかったですし、無事にお迎えの用意が出来そうデス】
やることは出てきたが、今はそのことを楽しみに待つべきだろう。
情報によれば、旅行先でも心配していた通りの出来事が起きたようだが、無事に済んだとも聞く。
それはよかったのだが、一手先、二手先を読めればさらに防衛できた可能性を感がると悔しい気持ちがなくもないが…悔んだところで、既に終わったので考えないほうが良い。
【さてと、とりあえず機能整理と、帰宅に備えての準備をしましょうカ】
平穏が戻ってきた家の中で、ロロはそうつぶやいて動くのであった…
【…そういえば、黒き女神人形が無事に使用されましたが…ちょっと収集したデータがおかしいですネ?何か、横から読み取られてませんカ?】
血を吸うだけでここまでの回復があるとは、僕の血が相当効いたのか、真祖ゆえの回復力の高さだからか、他にもいろいろとあるのか…何にしても、前日にバラバラにされていたとは思えないほどの気力があっただろう。
しいて問題を言うのであれば…吸血によって真祖としての力のほうが強化されるのか、まともな勝負では加減ができなくなっているぐらいか。
「…吸血鬼どころか吸血種の特徴として、一度生き血を食したら、しばらく活性化しちゃうようで…飲み慣れた人なら制御しやすいそうだけど、私の場合はそんなに飲んでないから制御しにくいんだよね」
「これだと普通の力比べとかの類ができないな…純粋に身体能力が跳ね上がっているもんね」
一緒に遊べるのは良いが、勝負がしづらい状態。
どうも瞬発力や判断力、その他の力も一時的に上昇しまくっているようで、勝負するには少々厳しい状態。
これで真正面からできるほどの力があればよかったが、あいにく一般人の春にはそんな真祖と真っ向勝負できるほどの力はない。
「女神人形はまだあるけど、アレを使うのも何か違うしなぁ…いや、女神浸かっても張り合えたらそれはそれですさまじい様な」
「それでこの島が消えたら、元も子もないと思うんだけど」
…消す気はないけど、力のぶつかり合いがどうなるのかは大体わかるので女神は無し。
その代わりに何か別の方法がないかと模索した結果、一つの方法があった。
「しりとり用変身粘土『メタモルッチ』か…」
「しりとりで出た内容に対して変身する粘土の人形で、答えるまで粘土が襲ってきます…なるほど」
ちょっとした遊具の一種で、見た目的にわかりやすいものになっているらしい。
しりとりのルール自体は単純だが、次に答えるまで追いかけまわされるようで、鬼ごっこの要素も少しだけ混ざっているような気がする。
「タッチされるまでに次の言葉を言えなかったり、あるいは『ん』で終わったら負け…シンプルだけど、面白そうかな」
「鬼ごっこもあるなら、今の身体能力だと私負けないよ?」
「そこはまぁ、ハンデが欲しいかな」
都合の良いハンデとして、筋トレ用道具の『ギガトンリング』という道具をミーちゃんに付けてもらった。
リング状の重しだが、ダイヤルを操作して重さを自由に操作できるらしく、最大の10tでやってもらうことにする。
「というか、10tでも動けるミーちゃんがすごいけど、この重さでトレーニングできる奴がいるのだろうか…」
「tの重さが選択できるだけでも、十分規格外すぎるよね。需要あるのかなぁ?」
そこそこの重さだけでも十分なのに、度が過ぎたレベルの重さになる道具は意味があるのか。
その疑問を抱きつつも、このハンデだけでも十分なので、早速やってみることにする。
「それじゃ、先行は僕から行くね」
「どうぞどうぞ。このハンデがあっても、私は負けないよ」
「それじゃ、お言葉に甘えて…最初から全力でやってしまおう。えっと、『超音速ミサイル』っと」
「いきなりどぎついのがきたんだけど!?」
…そしてそのミサイルに変形し、すぐに飛翔する粘土。
変形力の速さは技術の高さをうかがわせるが、ミーちゃんが次の内容を思いつくまで全力で追い続得ていくのであった…
「えっとえっとえっとミサイルミサイルルルル…!!『ルンバ』!!」
「バ、『バズーカー』」
「かかかか『カルビ』!!
「『ビーム』!!」
「明らかに殺意マシマシなものばかりやってない!?」
いえ、殺意はないです。ミーちゃんにそんなもの、抱くわけがない…あ、いや、女装の賭けをされたのはほんのちょっとだけ抱きそうになったかな?
…平和的なようなそうでもないような、そんなやり取りが行われていたころ。
家の方では、ロロが後片付けを行っていた。
【結局、地上に残されていた方々は、バックについていたものがいなくなったことで、帰る家がなくなりましたね…まぁ、留置場ならば問題なかったかもしれまセン】
むしろ、今回の騒動の原因となったとあるコンピューターがやらかしたことを考えると、何の成果もあげられずにそのまま帰還させなかっただけ、慈悲がある対応を行たというべきだろうか。
空と地下から攻めてきた者たちは、既に責任を取らされる形で利用されていたようだが、それらよりも遅れて行動したことが幸運だったのか、陸から襲ってきた者たちは国家権力によってとらえられて、無事で過ごすことになった。
一応、融通は多少は利かせられるし、被害もなくなったのでそのまま放置でも良いのだが…与えられていた任務をやろうとしていたその忠実さは買うものがあるだろう。
最初に襲ってきたやつらは、治療が済んだとはいえ色々と改竄しまくったようなので、使い物になることはない。
だが、まだ無事な捕えられているやつらに関しては、多少の記憶操作が必要とはいえ、利用価値はあるのかもしれない。
【そう考えると、中々幸運な方たちですネ。良かったというべきでしょうカ】
襲われていた側だったが、それでも相手のあったかもしれない未来を考えると多少は同情の余地があるし、使えるのあれば使ったほうが良い。
問題ないのであれば、そのまま利用しなおしたほうがためになるだろう。
【しかし、結局使わなかった機能もありましたし、このあたりの防衛設備に関しては再考の余地ありですネ。飛行機能、巨大ロボ変形、合体機能などありましたが…ご近所の目を考えれば、余計なものはなくして代わりのものを使ったほうが良いのかもしれまセン】
襲撃を経験した各地の同僚たちと連絡は取っており、何が良くしようされ、逆に何がほぼ使わなかったのかという情報共有済みである。
想定して用意することはできるが、実際に事が起きて見なければわからないこともあるため、今回の一件は都合の良いデータ収集にもなっただろう。
【なんにしても、主様方が帰ってくる前に多少調整作業はしておきましょウ。守りきれたのはよかったですし、無事にお迎えの用意が出来そうデス】
やることは出てきたが、今はそのことを楽しみに待つべきだろう。
情報によれば、旅行先でも心配していた通りの出来事が起きたようだが、無事に済んだとも聞く。
それはよかったのだが、一手先、二手先を読めればさらに防衛できた可能性を感がると悔しい気持ちがなくもないが…悔んだところで、既に終わったので考えないほうが良い。
【さてと、とりあえず機能整理と、帰宅に備えての準備をしましょうカ】
平穏が戻ってきた家の中で、ロロはそうつぶやいて動くのであった…
【…そういえば、黒き女神人形が無事に使用されましたが…ちょっと収集したデータがおかしいですネ?何か、横から読み取られてませんカ?】
11
あなたにおすすめの小説
薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
つまみ食いしたら死にそうになりました なぜか王族と親密に…毒を食べただけですけど
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私は貧しい家に生まれた
お母さんが作ってくれたパイを始めて食べて食の楽しさを知った
メイドとして働くことになれて少しすると美味しそうなパイが出される
王妃様への食事だと分かっていても食べたかった
そんなパイに手を出したが最後、私は王族に気に入られるようになってしまった
私はつまみ食いしただけなんですけど…
【完結】国外追放の王女様と辺境開拓。王女様は落ちぶれた国王様から国を買うそうです。異世界転移したらキモデブ!?激ヤセからハーレム生活!
花咲一樹
ファンタジー
【錬聖スキルで美少女達と辺境開拓国造り。地面を掘ったら凄い物が出てきたよ!国外追放された王女様は、落ちぶれた国王様゛から国を買うそうです】
《異世界転移.キモデブ.激ヤセ.モテモテハーレムからの辺境建国物語》
天野川冬馬は、階段から落ちて異世界の若者と魂の交換転移をしてしまった。冬馬が目覚めると、そこは異世界の学院。そしてキモデブの体になっていた。
キモデブことリオン(冬馬)は婚活の神様の天啓で三人の美少女が婚約者になった。
一方、キモデブの婚約者となった王女ルミアーナ。国王である兄から婚約破棄を言い渡されるが、それを断り国外追放となってしまう。
キモデブのリオン、国外追放王女のルミアーナ、義妹のシルフィ、無双少女のクスノハの四人に、神様から降ったクエストは辺境の森の開拓だった。
辺境の森でのんびりとスローライフと思いきや、ルミアーナには大きな野望があった。
辺境の森の小さな家から始まる秘密国家。
国王の悪政により借金まみれで、沈みかけている母国。
リオンとルミアーナは母国を救う事が出来るのか。
※激しいバトルは有りませんので、ご注意下さい
カクヨムにてフォローワー2500人越えの人気作
異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!
心太黒蜜きな粉味
ファンタジー
※完結しました。感想をいただけると、今後の励みになります。よろしくお願いします。
これは、今まで暮らしていた世界とはかなり異なる世界に移住することになった僕の話である。
ようやく再就職できた会社をクビになった僕は、不気味な影に取り憑かれ、異世界へと運ばれる。
気がつくと、空を飛んで、口から火を吐いていた!
これは?ドラゴン?
僕はドラゴンだったのか?!
自分がドラゴンの先祖返りであると知った僕は、超絶美少女の王様に「もうヒトではないからな!異世界に移住するしかない!」と告げられる。
しかも、この世界では衣食住が保障されていて、お金や結婚、戦争も無いというのだ。なんて良い世界なんだ!と思ったのに、大いなる呪いがあるって?
この世界のちょっと特殊なルールを学びながら、僕は呪いを解くため7つの国を巡ることになる。
※派手なバトルやグロい表現はありません。
※25話から1話2000文字程度で基本毎日更新しています。
※なろうでも公開しています。
(更新終了) 採集家少女は採集家の地位を向上させたい ~公開予定のない無双動画でバズりましたが、好都合なのでこのまま配信を続けます~
にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
突然世界中にダンジョンが現れた。
人々はその存在に恐怖を覚えながらも、その未知なる存在に夢を馳せた。
それからおよそ20年。
ダンジョンという存在は完全にとは言わないものの、早い速度で世界に馴染んでいった。
ダンジョンに関する法律が生まれ、企業が生まれ、ダンジョンを探索することを生業にする者も多く生まれた。
そんな中、ダンジョンの中で獲れる素材を集めることを生業として生活する少女の存在があった。
ダンジョンにかかわる職業の中で花形なのは探求者(シーカー)。ダンジョンの最奥を目指し、日々ダンジョンに住まうモンスターと戦いを繰り広げている存在だ。
次点は、技術者(メイカー)。ダンジョンから持ち出された素材を使い、新たな道具や生活に使える便利なものを作り出す存在。
そして一番目立たない存在である、採集者(コレクター)。
ダンジョンに存在する素材を拾い集め、時にはモンスターから採取する存在。正直、見た目が地味で功績としても目立たない存在のため、あまり日の目を見ない。しかし、ダンジョン探索には欠かせない縁の下の力持ち的存在。
採集者はなくてはならない存在ではある。しかし、探求者のように表立てって輝かしい功績が生まれるのは珍しく、技術者のように人々に影響のある仕事でもない。そんな採集者はあまりいいイメージを持たれることはなかった。
しかし、少女はそんな状況を不満に思いつつも、己の気の赴くままにダンジョンの素材を集め続ける。
そんな感じで活動していた少女だったが、ギルドからの依頼で不穏な動きをしている探求者とダンジョンに潜ることに。
そして何かあったときに証拠になるように事前に非公開設定でこっそりと動画を撮り始めて。
しかし、その配信をする際に設定を失敗していて、通常公開になっていた。
そんなこともつゆ知らず、悪質探求者たちにモンスターを擦り付けられてしまう。
本来であれば絶望的な状況なのだが、少女は動揺することもあせるようなこともなく迫りくるモンスターと対峙した。
そうして始まった少女による蹂躙劇。
明らかに見た目の年齢に見合わない解体技術に阿鼻叫喚のコメントと、ただの作り物だと断定しアンチ化したコメント、純粋に好意的なコメントであふれかえる配信画面。
こうして少女によって、世間の採取家の認識が塗り替えられていく、ような、ないような……
※カクヨムにて先行公開しています。
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる