転生先はミミックでしたよ

志位斗 茂家波

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誕生・ダンジョン生活編

転機到来

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ダンジョン『ブレイク・コモンセンス』10階層~

 ついにこの階層までディーは登って来た。

 階層の確認は「鑑定眼」のスキルで調べ上げ、徐々に自身の力の加減ややり方、その他身体の調子などを一つ一つ丁寧に確認をしつつ、ついにこの階層までやってくることができた。

 魔法なんかもいろいろ扱えるが、なんというか……




「普通に体当たり攻撃でも十分強いな」

ドグシャァァ!!

 っと、派手な音を立てて潰されるモンスターたち。

 ドロップした品々は「見えざる手」で回収しつつ、収納したり、「錬金釜」の材料にしたりと、中々慣れて来たぞ。

 この世界に生まれて何日かは不明だが、人間だと通常一階層一日はかかるそうなので、それと似たような仮定を立てると、23階層から移動しているので13日……二週間ほど経過はしているであろう。


 ただまぁ、下の階層ほどモンスターが強く、数が少なかったようで、上の階層に登るにつれて弱くて数が多いモンスターが増えてきた。


 条件が整えば無双ゲームのような爽快感はあるけど、モンスターがモンスターを蹂躙するとはこれいかに。

 ま、ミミックなのでそんな疑問も収納してしまおう。



 けれども、ここまで来てふと思ったことがあった。

 この世界にも普通に人間がいそうなものだが、この階層までまったく訪れている人がいないのである。

 いやまぁ、今いる大陸の中にあるダンジョンの中で『ブレイク・コモンセンス』は相当難易度が高いダンジョンらしいからね。

 誰が好き好んで来るのだろうかと言いたくなった。


  俺か?好き好んでこの場に生まれたわけじゃないもん。責任はすべてあの神様責任逃れの野郎にある。

「『ゴブリンライダー』、『バットウルフ』、『コボルトイーター』……名前の通りなのがモンスターに多いな」


 倒していくモンスターを見ると、段々どういうやつなのか見分けがつくようになった。

 空腹になったら丸のみするけど、味がいい奴の方をできるだけ選んで食べる。


……こういう時って魔法はいいよね。火魔法で焼いて調理したりできるもん。

 死なない程度にあぶり、良い匂いがしてきたところで飲みこむ。

 おお、調理した相手を食べるミミックとは、第三者視点ならちょっと怖いな。




 話は戻すけど、やはりなかなか人に出くわすことが少ない。

 一人(一箱?)での生活も特に不自由はないとはいえ、話し相手が欲しくなるんだよね。




 まぁなんやかんやとはいえ、少しづつ階層を登ってきたが、今日はある物が「錬金釜」で偶然にも作ることができた。

「まさか、調味料ができるとはな……」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「イーターの牙」+「ダンジョン石」=「護身用香辛料」

「護身用香辛料」
目や鼻に入るだけでも涙や鼻水が止まらず、激痛が走る。皮膚に触れるだけでも真っ赤に晴れて、悲惨な状況間違いなし!!
油に少々溶かして炒め物を作れば、ちょっといい感じのスパイスにもなる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 本当に「錬金釜」って出来る物がランダムなんだよな。

 まだまだ振り回されるし、都合のいいものができるようになるまでどのくらい練習すればいいのやら。


 そして、炒め物しようにもフライパンも油もまだありません。

 当面の目標に、この二つを手に入れるというのも入れるべきか。

 というか、「鑑定眼」でみているんだけど、少しづつ変化しているような。



 まぁ、とりあえず収納しておいて手に入ったときにでも・・・

「わぁぁぁぁあぁぁ!?」
「お?」


 収納しようかと考ええていたその時、突如として悲鳴が聞こえてきた。

 モンスターの出すような鳴き声とかではなくて、はっきりとした人の悲鳴である。

という事は……異世界初めての人に出会えるかも!!



 ただ、緊迫したかのような声だったので、慌ててディーはその場へと向かうのであった。

 出会う前に全滅して死亡していたとかだったらシャレにならんからな!!
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