転生先はミミックでしたよ

志位斗 茂家波

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コモンセンスシティ生活編

厄払いと動く者

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 数日後、騎士たちの正式なクビが通達されたようで、ワイバーンに乗って今回の事を話しに行って来た冒険者たちがその知らせを持ってきた。


 あの素っ裸にされた騎士たちは恥ずかしがりつつも、身ぐるみがない状態では俺に攻撃することもできないし、これまで取ってきた態度や行動から、基本的にいい人ぞろいのこの街の人たちも厳しい目を向けて、素っ裸のまま逃走した。

 去り際のセリフが「女王陛下に言いつけてやるー!!」とかいう、物凄い三下じみた発言をしていたけど、もうあなたたちはクビですよ?

 というか、某ガキ大将についているやつの言い方だなぁ。本当にそんなやつがいるとはね。



 ワイバーンたちがいなくなっているのに気が付いて、徒歩で帰るつもりのようだが……帰国できたところで、待っているのは正面から堂々とクビを告げられることであろう。

 それ以前に、無事に帰ることができるだろうか?どう考えても変態露出魔か、わいせつ罪でお縄につきそうである。


 迷惑料としていただいた物は、街の人たちと分け合って換金し、とりあえず俺の分はルーシアにあげた。

 ダンジョンで出会ってからは世話になっているし、せっかく女の子だからおしゃれにも気を使ってほしいと思ったからね。

 ただそういったら、ルーシアの方がお金を出してきて、ダンジョンで助けられたり、こうやってサポートをしてもらっているからむしろ俺の方にお礼がしたいのだとか。


「良いのか?俺ミミックだけど……」
「ディーさんだから良いのニャ」

 そうにこやかな笑顔で返されては拒否できないじゃん。




 とはいえ、使い道の大半が食費へ消えるんだけどね。

 魔法あるし、武器はこのミミックボディだし、装飾品に興味ないし、後は適当に貯金するぐらいしかないんだよ。


 貯金したところで……いや、いつかこのミミックの身体から、人の体になれたらその時に使えるかな。

 まだまだ先も長そうだし、なれるかどうかもわからんけど。

 ディーはそう考えながらも、とりあえずはその金を収納していくのであった。

 あ、鎧のいくつかは少しそのままにしているんだよね。

 「錬金釜」のスキルで適当なものと錬金予定。物凄い防具ができればいいけど、これってほぼランダムのようなものだし、練習すればできるだけ自分の思ったものになるようだけど、未だに慣れていないからな……

 そう考えると、某RPGの釜とかが本当にすごい。材料で指定されたやつを入れさえすれば、その通りのものができるもん。

 そう都合よくいかないのが人生、いやモン生なのかな。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
SIDE騎士王国ナイトガーデン


「くっくっくっく……おーほっほっほっほっほっほ!!やっぱりあの馬鹿者たちを首にして正解だったのじゃ!!」

 騎士王国ナイトガーデンの王城、その女王の部屋にて予算の具合を見て、女王ガルティア・フォン・ナイトガーデンは笑い声をあげた。


 先日、問題ばかりを起こし、もう処分したほうが国の為じゃないかと考えた騎士たちに対して、どでかい宝石を入手してくるように命令を出し、出来なければクビという条件を付けて送り出した。


 そしたら、どうやらその騎士たちはナイトガーデンから離れた地にある街、ダンジョンの存在によって栄えるコモンセンスシティにて、見事にぼっこぼこにされたのちに、身ぐるみをはがされたそうである。

 それも、面白い報告を持ってきて。




「なるほどのぅ、知性あるミミックか」

 騎士たちのこれまでやらかしてきた問題や、その他の事項などをまとめられた報告書を読み、その部分に女王は目を通した。

 いわく、どうやら今その街には人と変わらないような感情や知能を持つミミックが生活しているのだという。

 前例がないので、今のところそのミミックとダンジョン内で一緒に協力していた冒険者である少女のところに預かりの身だそうだが、その能力がこれまた珍しいモノであった。

 

 物事を見透かすような「鑑定眼」、ランダムだが他の物を生み出す「錬金釜」、魔法を扱えるというがその使える種類が多いなどと、様々なものが詰め込まれているようである。



 その報告書自体は、国に返却されて来たワイバーンにのってきた冒険者たちが持ってきた者だが、作製したのはその街のギルドである。

 ギルドは国ともちがう第三者の機関。

 そこで作成された報告書を読み、女王ガルティアはそのミミック……名前をディーというネームドモンスターでもあるようだが、興味を持った。


「あの馬鹿者たちを処分できたどころか、面白い手土産を得られるとは全く人生とはわからぬものよ」

 とりあえず、今はその情報を集めて見て様子見をしたほうが良いのかもしれない。

 危険性がないわけでもないし、国にとって益となるか、害となるのか。

 その判断を下すために、女王は命令してしばらく探らせることにしたのであった。


「いや待てよ?いっその事我自身が変装して赴くのも面白そうじゃな」

 そうにこやかにつぶやく女王。

 思いついたその考えも、検討してみるのであった……
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