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とある司書の話 その3
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『運命とは、予想を大きく外れることがある』
その言葉を何かの本で読んだのはいつだったのか、ルーナは考えていた。
いや、現実逃避をしていたといったほうが良いだろう。
なぜならば、今彼女たちは…‥‥‥
「うわぁ……ものすごい数の兵士たちに囲まれているわね」
「この図書館、万が一のために防火対策などがたっぷり施されていたようだけれども……時間の問題かしら」
ルーナの同僚たちが外を覗きながら、そうつぶやく。
今、この図書館で彼女たちは籠城しているのであった。
事の始まりは十日ほど前、このヘブゥデル王国がアルミス皇国へ堂々と宣戦布告をして、開戦したのがきっかけである。
噂の通りと言うべきか、開戦したことに対しては、当初ルーナたちは「へぇ、そうか」程度にしか思っておらず、そこまで深刻な事にはなるまいと考えていた。
だがしかし、その考えは甘かった。
最初の頃はこの国の兵士たちは快進撃を続けているという話があったのだが…‥‥どうもそれは一種のプロパガンダ(要は宣伝)で、内容には嘘を少々‥‥‥いや、かなり混ぜていたようなのだ。
快進撃どころか全戦全敗で、一気に攻め返されてしまったそうである。
そして十日たった現在、この図書館の周辺にはアルミス皇国の兵士たちが取り囲んでいるのであった。
理由としては、戦争に負けた場所では蹂躙され、強奪などが行われるような、そんなくだらないことであろう。
まぁ、強奪とか言われてもこの図書館には本しかないので、あるとすればもう一つ…‥人間そのものを財産とか、何かしらのいやらしい目的か、もしくは労働力として狙っていることなどが挙げられる。
とはいえ、そうは問屋が卸さない。
この図書館、希少な著書が保管されているために防寒・防弾・防水などの処理が施されて、要塞としても機能するのだ。
ゆえに、図書館周囲の市民たちが流れ込み、皆で籠城しているのだが‥‥‥‥さすがに完全無敵と言うわけでもないので、もはや時間の限界であろう。
もうこれまでか‥‥‥‥そう図書館にいた者たちが思っていたその時であった。
『あん?なんだこの兵士たちは?』
『うおっつ!?何者だこいつらは!?』
『怪しい奴だぞ!!ひっとらえろ――!!』
「んん?」
なにやら外が急に騒がしくなり、そのような声が聞こえた後に、何かがバタバタと倒れる音がしていく。
『ああもぅ!うっとおしいな!!』
『兄さま、魔法で倒していいですか?』
『いいんじゃないか?』
『じゃ、行きまーす!「ギガントサンダー」!!』
ドッガァァァァァァァァン!!
『『『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?』』』
「何事なのよ!?」
突如として大きな落雷が落ち、ルーナたちは驚愕して叫ぶ。
そのままさらにドッカンドッカン連続で、明らかにおかしい雷が鳴った後…‥‥施錠されていたはずの図書館の扉が開いた。
「すいません、今日が本の返却日だったはずですが」
「あの周辺にいた人たちってどうすればいいですかねー?」
何事もなかったかのような声がして見てみれば、そこにいたのは、この図書館の常連客となっていた兄妹、ゼリアスとミーナであった。
「え?え?え?‥‥‥えーっと、どうなっているのよ!?」
二人が入ってきたことによって、混乱する周囲の人たちの代表のように、ルーナはそう叫ぶのであった。
図書館から出てみると、周辺をかこっていたはずの兵士たちの姿が無い。
と、気が付けばある一か所に集められていたのだが…‥‥なんというべきか、全員悲惨なことになっていた。
いや、これは笑うべきところであろうか。
兵士たちは身ぐるみをはがされ、全員アフロになっていたのである。
その衝撃と言うべきか、それとも笑撃と言うべきか…‥‥とにもかくにも、その異様な光景にルーナたちは驚愕した。
「この辺にいた兵士たちで、俺達をなにやら捕えようとしたし、ミーナに対しては明らかにいやらしい目で見ていたからな。全員フルボッコにしたんだよね」
「あと、ついでに電撃を加減して流したらこんな髪形になってしまったんですよ」
説明するゼリアスとミーナ。
ただ、その説明を聞いて、皆がきちんと理解するには、あと数分ほどの時間がかかるのであった‥‥‥‥
その言葉を何かの本で読んだのはいつだったのか、ルーナは考えていた。
いや、現実逃避をしていたといったほうが良いだろう。
なぜならば、今彼女たちは…‥‥‥
「うわぁ……ものすごい数の兵士たちに囲まれているわね」
「この図書館、万が一のために防火対策などがたっぷり施されていたようだけれども……時間の問題かしら」
ルーナの同僚たちが外を覗きながら、そうつぶやく。
今、この図書館で彼女たちは籠城しているのであった。
事の始まりは十日ほど前、このヘブゥデル王国がアルミス皇国へ堂々と宣戦布告をして、開戦したのがきっかけである。
噂の通りと言うべきか、開戦したことに対しては、当初ルーナたちは「へぇ、そうか」程度にしか思っておらず、そこまで深刻な事にはなるまいと考えていた。
だがしかし、その考えは甘かった。
最初の頃はこの国の兵士たちは快進撃を続けているという話があったのだが…‥‥どうもそれは一種のプロパガンダ(要は宣伝)で、内容には嘘を少々‥‥‥いや、かなり混ぜていたようなのだ。
快進撃どころか全戦全敗で、一気に攻め返されてしまったそうである。
そして十日たった現在、この図書館の周辺にはアルミス皇国の兵士たちが取り囲んでいるのであった。
理由としては、戦争に負けた場所では蹂躙され、強奪などが行われるような、そんなくだらないことであろう。
まぁ、強奪とか言われてもこの図書館には本しかないので、あるとすればもう一つ…‥人間そのものを財産とか、何かしらのいやらしい目的か、もしくは労働力として狙っていることなどが挙げられる。
とはいえ、そうは問屋が卸さない。
この図書館、希少な著書が保管されているために防寒・防弾・防水などの処理が施されて、要塞としても機能するのだ。
ゆえに、図書館周囲の市民たちが流れ込み、皆で籠城しているのだが‥‥‥‥さすがに完全無敵と言うわけでもないので、もはや時間の限界であろう。
もうこれまでか‥‥‥‥そう図書館にいた者たちが思っていたその時であった。
『あん?なんだこの兵士たちは?』
『うおっつ!?何者だこいつらは!?』
『怪しい奴だぞ!!ひっとらえろ――!!』
「んん?」
なにやら外が急に騒がしくなり、そのような声が聞こえた後に、何かがバタバタと倒れる音がしていく。
『ああもぅ!うっとおしいな!!』
『兄さま、魔法で倒していいですか?』
『いいんじゃないか?』
『じゃ、行きまーす!「ギガントサンダー」!!』
ドッガァァァァァァァァン!!
『『『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?』』』
「何事なのよ!?」
突如として大きな落雷が落ち、ルーナたちは驚愕して叫ぶ。
そのままさらにドッカンドッカン連続で、明らかにおかしい雷が鳴った後…‥‥施錠されていたはずの図書館の扉が開いた。
「すいません、今日が本の返却日だったはずですが」
「あの周辺にいた人たちってどうすればいいですかねー?」
何事もなかったかのような声がして見てみれば、そこにいたのは、この図書館の常連客となっていた兄妹、ゼリアスとミーナであった。
「え?え?え?‥‥‥えーっと、どうなっているのよ!?」
二人が入ってきたことによって、混乱する周囲の人たちの代表のように、ルーナはそう叫ぶのであった。
図書館から出てみると、周辺をかこっていたはずの兵士たちの姿が無い。
と、気が付けばある一か所に集められていたのだが…‥‥なんというべきか、全員悲惨なことになっていた。
いや、これは笑うべきところであろうか。
兵士たちは身ぐるみをはがされ、全員アフロになっていたのである。
その衝撃と言うべきか、それとも笑撃と言うべきか…‥‥とにもかくにも、その異様な光景にルーナたちは驚愕した。
「この辺にいた兵士たちで、俺達をなにやら捕えようとしたし、ミーナに対しては明らかにいやらしい目で見ていたからな。全員フルボッコにしたんだよね」
「あと、ついでに電撃を加減して流したらこんな髪形になってしまったんですよ」
説明するゼリアスとミーナ。
ただ、その説明を聞いて、皆がきちんと理解するには、あと数分ほどの時間がかかるのであった‥‥‥‥
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