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春が近づき、何かも近づく
#235 一方でこちらデス
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SIDEハクロ
【ふぅ、こっちの患者の縫合は完了ですよ!次の方どうぞ!】
シアンたちが元凶の元へ突撃しているその頃、王城の方ではハクロがロールと共に治療活動を行っていた。
戦闘も一応できるのだが、どうも怪物たちは現在突撃中のシアンの方へ割かれているらしく、数が減少しており、対処しやすい状態となっていた。
そこで今は、対処する方よりも出た怪我人の方を治療する方へハクロは動いていた。
まぁ、周囲はミニワゼシスターズで十分護衛できているし、ロールも小さい体ながらも氷魔法で床を凍らせ、スムーズに滑って患者の搬送を手伝ってくれている。
ハクロ自身、医者とかそういうものではないアラクネだが、糸を扱って治療するのは得意。
折れた骨の固定をするギプスを作製したり、切れた部分を細かく丁寧に縫合し、傷跡すらわからないようにしてしまう。
糸を操って持ち運びをしたりなどと多芸であり、治療所で活躍できていた。
【皮膚の浅い部分ですし、これは縫合の必要性は無し】
【こちらはちょっと複雑ですが、こうして固定すれば‥‥‥】
【腕丸ごと?残っていれば、これで神経部分も繋がりますね】
【あ~‥‥‥‥この程度であれば、止血して、血管代わりに糸でパイプを作って、で、縫合して…‥‥】
「‥‥‥おかあしゃんって、普段抜けているけど案外すごいにょ」
【普段抜けているって、何ですか!?】
ロールが思わずそうつぶやいたが、無理もないかもしれない。
周囲で護衛に当たっていたシスターズも、思わずうんうんと頷いていたのであった。
…‥‥ついでに、今回のハクロの活動は多くの人に見られており、すごい手際の良さやその美しさから、こっそり人々から慕われ始めていた。
もともとHWGという組織もできていたことも相まって、彼女の人気が高まる。
ただ、しいて言うのであれば彼女は既に人妻のようなものであり、恋をしても実る事は無い。
ならば、その顔に悲しみを見せないようにという想いが繋がり、HWGもそれを察知し、新たに結びつき、さらなる強大な組織として生まれ変わり、この日を境にさらなるファンが増加したのは言うまでもない。
ついでに、今回αモードで出撃し、人々の救助などをしたミニワゼシスターズの存在も理解され、正式に新たな組織が生まれようとしていた‥‥‥が、悲しむべきことなのか、ワゼに関してだけは、その手の組織は生まれなかったのであった。
いや、生まれようが無かったというべきだろうか。
裏ギルドを掌握し、さらに掌握していくための駒を彼女は作っていたのだから。
そしてそれは、今回の騒動の件を知らせたものでもあり、もう間もなくシアンの知る事にもなる‥‥‥
――――――――――――――――――――
SIDEミスティア
「…‥‥大丈夫なのかしらね?今はまだ、音沙汰ないけれども‥‥‥」
王城の方では、ミスティアは久しぶりの仕事に追われていた。
避難民の誘導による物資の輸送や、補充。怪物対策の防衛の見直しや、現状況などを細かく報告を受け、それらの対応をしていく。
まだ気が抜けない状況だが、それでも前以上に働けた。
何故ならば‥‥‥
「フフフフフフフフ、フー!!」
「ええ、それはこれで良いわね。じゃぁこっちも並行して頼むわ」
「フ!」
バージョンアップしたフィーアが、すべての補助を受け持ってくれるからである。
今回の居候の際にワゼがシスターズのバージョンアップをしたおかげで、彼女の演算機能などの処理速度が飛躍的に向上し、ただ仕事を持って来るばかりではなく、それらを如何にして効率よく進めるのかなども行い、非常に助かっているのだ。
どうもフィーア自身も、以前からミスティアの忙しさを見てどうにかしたいとも思っていたようで、武器部分の性能よりも仕事関係のパワーアップなどを願い出ていたらしい。
そのおかげで今、怪物の襲撃も相まって非常に膨大になっていたはずの仕事は、見る見る間に減少していく。
「とりあえず、今は彼らが戦ってますからね。解決後のことなども考えると、仕事を残すわけにもいきませんわ!」
「フー!」
猛烈な勢いでこなし、フィーアもまた共にこなしていく。
現在、シアンたちが怪物たちの殲滅のために動いており、解決できるのも時間の問題。
ただ、解決したらしたで別の問題もあるし、そのためにも今は残された仕事をすべて終わらせたほうがいいだろう。
‥‥‥そして仕事を完了させた頃合いで、ちょうどワゼからの通信がフィーアに入った。
無事に怪物の元凶を発見し、潰したらしい。
ひとまずは色々と終えて、彼女達はほっと安堵の息を吐くのであった…‥‥
【ふぅ、こっちの患者の縫合は完了ですよ!次の方どうぞ!】
シアンたちが元凶の元へ突撃しているその頃、王城の方ではハクロがロールと共に治療活動を行っていた。
戦闘も一応できるのだが、どうも怪物たちは現在突撃中のシアンの方へ割かれているらしく、数が減少しており、対処しやすい状態となっていた。
そこで今は、対処する方よりも出た怪我人の方を治療する方へハクロは動いていた。
まぁ、周囲はミニワゼシスターズで十分護衛できているし、ロールも小さい体ながらも氷魔法で床を凍らせ、スムーズに滑って患者の搬送を手伝ってくれている。
ハクロ自身、医者とかそういうものではないアラクネだが、糸を扱って治療するのは得意。
折れた骨の固定をするギプスを作製したり、切れた部分を細かく丁寧に縫合し、傷跡すらわからないようにしてしまう。
糸を操って持ち運びをしたりなどと多芸であり、治療所で活躍できていた。
【皮膚の浅い部分ですし、これは縫合の必要性は無し】
【こちらはちょっと複雑ですが、こうして固定すれば‥‥‥】
【腕丸ごと?残っていれば、これで神経部分も繋がりますね】
【あ~‥‥‥‥この程度であれば、止血して、血管代わりに糸でパイプを作って、で、縫合して…‥‥】
「‥‥‥おかあしゃんって、普段抜けているけど案外すごいにょ」
【普段抜けているって、何ですか!?】
ロールが思わずそうつぶやいたが、無理もないかもしれない。
周囲で護衛に当たっていたシスターズも、思わずうんうんと頷いていたのであった。
…‥‥ついでに、今回のハクロの活動は多くの人に見られており、すごい手際の良さやその美しさから、こっそり人々から慕われ始めていた。
もともとHWGという組織もできていたことも相まって、彼女の人気が高まる。
ただ、しいて言うのであれば彼女は既に人妻のようなものであり、恋をしても実る事は無い。
ならば、その顔に悲しみを見せないようにという想いが繋がり、HWGもそれを察知し、新たに結びつき、さらなる強大な組織として生まれ変わり、この日を境にさらなるファンが増加したのは言うまでもない。
ついでに、今回αモードで出撃し、人々の救助などをしたミニワゼシスターズの存在も理解され、正式に新たな組織が生まれようとしていた‥‥‥が、悲しむべきことなのか、ワゼに関してだけは、その手の組織は生まれなかったのであった。
いや、生まれようが無かったというべきだろうか。
裏ギルドを掌握し、さらに掌握していくための駒を彼女は作っていたのだから。
そしてそれは、今回の騒動の件を知らせたものでもあり、もう間もなくシアンの知る事にもなる‥‥‥
――――――――――――――――――――
SIDEミスティア
「…‥‥大丈夫なのかしらね?今はまだ、音沙汰ないけれども‥‥‥」
王城の方では、ミスティアは久しぶりの仕事に追われていた。
避難民の誘導による物資の輸送や、補充。怪物対策の防衛の見直しや、現状況などを細かく報告を受け、それらの対応をしていく。
まだ気が抜けない状況だが、それでも前以上に働けた。
何故ならば‥‥‥
「フフフフフフフフ、フー!!」
「ええ、それはこれで良いわね。じゃぁこっちも並行して頼むわ」
「フ!」
バージョンアップしたフィーアが、すべての補助を受け持ってくれるからである。
今回の居候の際にワゼがシスターズのバージョンアップをしたおかげで、彼女の演算機能などの処理速度が飛躍的に向上し、ただ仕事を持って来るばかりではなく、それらを如何にして効率よく進めるのかなども行い、非常に助かっているのだ。
どうもフィーア自身も、以前からミスティアの忙しさを見てどうにかしたいとも思っていたようで、武器部分の性能よりも仕事関係のパワーアップなどを願い出ていたらしい。
そのおかげで今、怪物の襲撃も相まって非常に膨大になっていたはずの仕事は、見る見る間に減少していく。
「とりあえず、今は彼らが戦ってますからね。解決後のことなども考えると、仕事を残すわけにもいきませんわ!」
「フー!」
猛烈な勢いでこなし、フィーアもまた共にこなしていく。
現在、シアンたちが怪物たちの殲滅のために動いており、解決できるのも時間の問題。
ただ、解決したらしたで別の問題もあるし、そのためにも今は残された仕事をすべて終わらせたほうがいいだろう。
‥‥‥そして仕事を完了させた頃合いで、ちょうどワゼからの通信がフィーアに入った。
無事に怪物の元凶を発見し、潰したらしい。
ひとまずは色々と終えて、彼女達はほっと安堵の息を吐くのであった…‥‥
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