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火種はどこにでも落ちていた
#295 膨大な計算のどこにあるのデス
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SIDE シアン
「‥‥‥うわぁ、なにこれ」
「計算した結果を、すべて表にしたものでござる」
そう言いながら、フロンはものすごく太い巻物のようにした記録用紙を持って説明しながら、演算結果を話してくれた。
目的は、悪魔グズゥエルゼ討伐のために、相手の動きを探る事。
悪魔の心がどの様に動くのかは理解できないが、ワゼいわくフロンにはありとあらゆる演算処理機能などが詰め込まれており、この世の物理法則からそれらを越え、もはや人智では達しない領域のものまで利用しまくり、ある程度の予想が立てることができるようにしたらしい。
計算式が気になったので、ちょっと書いてもらったが‥‥‥うん、これ理解できるわけがない。
もはやこれ計算式なのか?と疑問に思えるようなものでさえ組み込みまくっており、どこでどうやったのかわかるわけがない。
【全然わかりませんが‥‥‥何かこう、凄そうなのは分かりましたよ】
「うん、そうとしか言えないよね」
「これ、まず計算できていますの?」
とにもかくにも、演算処理などをさせると、大体の予測が付くのは3日後の予定であったらしいが‥‥‥本日は、2日目にしてもうすでに結果を出せたらしい。
「ひとまずは、これで大体の行動が分かったでござる。というか‥‥‥計算上の事でござっても、この悪魔非常に不快しか生まぬでござるな‥」
「式で、そんなことがわかるのか?」
「わかるのでござる。拙者はそのように作られ、式からどのように相手が動くのか予測し‥‥‥まぁ、流石に偶然などの奇跡的確率などはまだ至らぬでござるが…‥‥それでも、どの様に動くかは、これでわかったでござるよ」
そう言いながら、彼女は巻物を広げならが、説明していった。
書かれている式、僕等には一片も理解できない。
けれどもどのような内容なのかという説明は非常に分かりやすく、その式からどうしてそのような内容が出るのかが疑問に思えた。
「少なくとも、今後も犠牲者がでる可能性は100%でござる。逃亡用のマジックアイテムもある程度確保し、どの様な状況であろうとも逃げ出す手段も多く持っているようでござるし、想像以上に厄介な相手であることが、導き出せたでござる」
「犠牲者をできれば出したくないけど…‥‥」
「残念ながら、無理でござろう。何度試してみても、実験材料や実際に使う際の試作品などとしてある程度の人数が犠牲になっているでござるよ」
‥‥‥何と言うか、実験材料とか、そういう類ですでに犠牲は出ているようだ。
それもそうだろう。使うのであれば、まずそれがどの様になるのか試すことはあるだろうからね。
「それでも、次の出没ポイント程度であれば絞りこめたでござるよ」
「どこに出るんだ?」
「はるか西方の砂漠の小国。されども今は死者の国とされる『グラント』でござるな」
「死者の国?」
「なんでも、アンデッド系統のものが突如として多く発生して‥‥‥言わずもがな、どうもその悪魔が仕掛けたものみたいなものでござるよ」
――――――――――――
『グラント』
元は西方の、砂漠に点在するオアシスを中心にしてできた小国。
数カ月前までは奴隷売買などの市場があり、それなりに活気はあった。
だがしかし、ある時突如として奴隷のアンデッド化が発生し、死者であふれかえってしまった。
周辺諸国が迅速な対応をして、現在封鎖されており、浄化作業が行われているが依然として進んでいない。
――――――――――――
「ここの前に、既に被害を出していたのか…‥‥」
【アンデッド‥‥‥嫌な思い出がありますよね】
言われてみれば、アンデッドの騒動に巻き込まれたことはあった。
この世界に来たての頃、都市にアンデッドの集合体が襲撃してきて、それを光魔法でどうにかぶっとばして、消し去ったことがあったが‥‥‥あの醜悪さとかは、嫌な思い出である。
あれもまさか、その悪魔の仕業とかじゃないだろうか‥‥いや、違うかな?
何にしても、事件現場に犯人が戻ってくるというように、何故かその悪魔がその国へまた行くらしいと、計算で出たようだ。
「何の目的だろうか?」
「計算上‥‥‥アンデッドたちを利用する目的がある感じでござろう」
自分で引き起こしておいて、また利用するとか‥‥‥すっごい嫌な予感しかしないなぁ…‥‥
とりあえず、捕まえられそうであればいいが…‥‥今はそのための作戦を練ったほうが良さそうなのであった。
――――――
*作者からのお知らせ。
既に近況ボードに載せましたが、新連載を始めました。
興味があれば、ぜひ見てください。
「‥‥‥うわぁ、なにこれ」
「計算した結果を、すべて表にしたものでござる」
そう言いながら、フロンはものすごく太い巻物のようにした記録用紙を持って説明しながら、演算結果を話してくれた。
目的は、悪魔グズゥエルゼ討伐のために、相手の動きを探る事。
悪魔の心がどの様に動くのかは理解できないが、ワゼいわくフロンにはありとあらゆる演算処理機能などが詰め込まれており、この世の物理法則からそれらを越え、もはや人智では達しない領域のものまで利用しまくり、ある程度の予想が立てることができるようにしたらしい。
計算式が気になったので、ちょっと書いてもらったが‥‥‥うん、これ理解できるわけがない。
もはやこれ計算式なのか?と疑問に思えるようなものでさえ組み込みまくっており、どこでどうやったのかわかるわけがない。
【全然わかりませんが‥‥‥何かこう、凄そうなのは分かりましたよ】
「うん、そうとしか言えないよね」
「これ、まず計算できていますの?」
とにもかくにも、演算処理などをさせると、大体の予測が付くのは3日後の予定であったらしいが‥‥‥本日は、2日目にしてもうすでに結果を出せたらしい。
「ひとまずは、これで大体の行動が分かったでござる。というか‥‥‥計算上の事でござっても、この悪魔非常に不快しか生まぬでござるな‥」
「式で、そんなことがわかるのか?」
「わかるのでござる。拙者はそのように作られ、式からどのように相手が動くのか予測し‥‥‥まぁ、流石に偶然などの奇跡的確率などはまだ至らぬでござるが…‥‥それでも、どの様に動くかは、これでわかったでござるよ」
そう言いながら、彼女は巻物を広げならが、説明していった。
書かれている式、僕等には一片も理解できない。
けれどもどのような内容なのかという説明は非常に分かりやすく、その式からどうしてそのような内容が出るのかが疑問に思えた。
「少なくとも、今後も犠牲者がでる可能性は100%でござる。逃亡用のマジックアイテムもある程度確保し、どの様な状況であろうとも逃げ出す手段も多く持っているようでござるし、想像以上に厄介な相手であることが、導き出せたでござる」
「犠牲者をできれば出したくないけど…‥‥」
「残念ながら、無理でござろう。何度試してみても、実験材料や実際に使う際の試作品などとしてある程度の人数が犠牲になっているでござるよ」
‥‥‥何と言うか、実験材料とか、そういう類ですでに犠牲は出ているようだ。
それもそうだろう。使うのであれば、まずそれがどの様になるのか試すことはあるだろうからね。
「それでも、次の出没ポイント程度であれば絞りこめたでござるよ」
「どこに出るんだ?」
「はるか西方の砂漠の小国。されども今は死者の国とされる『グラント』でござるな」
「死者の国?」
「なんでも、アンデッド系統のものが突如として多く発生して‥‥‥言わずもがな、どうもその悪魔が仕掛けたものみたいなものでござるよ」
――――――――――――
『グラント』
元は西方の、砂漠に点在するオアシスを中心にしてできた小国。
数カ月前までは奴隷売買などの市場があり、それなりに活気はあった。
だがしかし、ある時突如として奴隷のアンデッド化が発生し、死者であふれかえってしまった。
周辺諸国が迅速な対応をして、現在封鎖されており、浄化作業が行われているが依然として進んでいない。
――――――――――――
「ここの前に、既に被害を出していたのか…‥‥」
【アンデッド‥‥‥嫌な思い出がありますよね】
言われてみれば、アンデッドの騒動に巻き込まれたことはあった。
この世界に来たての頃、都市にアンデッドの集合体が襲撃してきて、それを光魔法でどうにかぶっとばして、消し去ったことがあったが‥‥‥あの醜悪さとかは、嫌な思い出である。
あれもまさか、その悪魔の仕業とかじゃないだろうか‥‥いや、違うかな?
何にしても、事件現場に犯人が戻ってくるというように、何故かその悪魔がその国へまた行くらしいと、計算で出たようだ。
「何の目的だろうか?」
「計算上‥‥‥アンデッドたちを利用する目的がある感じでござろう」
自分で引き起こしておいて、また利用するとか‥‥‥すっごい嫌な予感しかしないなぁ…‥‥
とりあえず、捕まえられそうであればいいが…‥‥今はそのための作戦を練ったほうが良さそうなのであった。
――――――
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