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1章 旅立ちと始まり
1-42 コケコッコーと聞くだけだと、朝っぽい気がしなくもない
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【コケコケコケコケ!!】
ばさぁっとメスの特徴の真っ赤な翅を広げ、勢いよく駆け寄って来るチキンハーピー。
その口には大斧が加えられており、勢いをそのまま利用してぶん投げて来た。
ビュンビュンビュン!!
「おっと!?すっごい速さで飛んでくるんだけど!?」
【シュルルル!!デモコノグライ、回避!!】
負けない素早さでハクロが動き、僕を抱えてジャンプして回避して斧は通り過ぎる。
目で追って見れば、ある程度の距離で斧が消失し、すぐにチキンハーピーの背中に戻っていた。
【コケェェェ!!】
「やっぱり、魔道具の類か‥‥‥ブーメランのような軌道を描くけど、戻るまでの道はショートカットされるのか」
投げて取り戻すまでの時間を省略し、その重さや大きさだけでも十分な武器を魔物が扱うとはシャレにならない事態だろう。
だがしかし、こちらだって対応できるだけのものはもっているのだ。
【シュルル!!ラナハンマー!!】
【グラグラァ!!】
糸で結び付け、頑丈な宝箱のラナがハクロの手によってチキンハーピーに振り下ろされる。
【コケェ!!】
さっと横にかわしたようだが、地面にめり込むだけではこの攻撃は終わらない。
【グラグ!!】
ドッゴゥ!!
【コケェ!?】
地面に着弾すると同時に、すぐに真横へかっとぶラナ。
その動きに一瞬驚いたようだが、それでもすぐに斧を盾にして受け止める。
「むぅ、追撃できるからいけるかと思ったけど、状況判断力が優れているのか」
【ンー、コレデイケルト思ッタケドナー】
【グラグラ】
ばっと再び距離を取り合い、お互いに相手の出方をうかがいあう。
今の初動でどのように動くのか大体読めたのは良いのだが、如何せんそれで分かってしまうところもあった。
この戦い‥‥‥お互いに決定打が入りづらい。
どちらも素早く動き、重みのある攻撃を斧と箱で出来るのだが、隙と判断力で引っ張り合ってどうにかできてしまいがち。
つまり、ちょっとばかり相性が悪いような組めばいいような、そんな状態になっているのである。
「…‥‥どうする、コレ?」
【シュルル‥ドウシヨウ、ジーク】
じりじりと距離を取り合って相手の動きを見ているのだが、決定打が無い事にもどかしい気持ちを覚える。
そしてチキンハーピーの方も、どうやらその事実を理解してしまったようで、あちらはあちらでどうしたものかというような悩んだ表情になっていた。
【避ケテ投ゲテブツケテ、意味無イ…‥‥コウナッタラ、アレ、ヤッテミル!!】
「アレ?」
何やらこの状況をどうにかできる手段があるようで、ハクロがそう叫ぶ。
何をするのかとみていると、彼女は息を吸い込み始めた。
【シュルルル、同族、ヤッタ話聞イテ、チョット練習シタ。完全ニデキナイケレドモ、短イ距離ナライケルカモ!!必殺ノォ『ハクロビィィィム』!!】
「ビーム!?」
それは過去にナイトメアアラクネが使ったと呼ばれる攻撃方法で、何かしらの怪光線を放出するという話がある。
ただし、前にその話を聞いたときは全然何も出ず、会得はしていないのかと思ったのだがどうやら密かに方法を模索して獲得したらしい。
さぞ凄まじい感じの怪光線が出るかと思った…‥‥次の瞬間。
ポヘン
「‥‥‥はい?」
気の抜けるような音で、彼女の口から出てきたのはふよふよと浮かぶ小さな光の玉。
光線とか言う話だったのにまったく違うものにあっけにとられ、チキンハーピーの方も拍子抜けをしたようでずこっとずっこけかけていた。
【コケェ・・・・・コケコケコェ?】
「あー、訳されなくても分かるかも。真面目にやっているのって、心配されているぞ」
【大丈夫】
ゆるゆると風にあおられるかのような動きで光の玉は飛んでいき、チキンハーピーの元に着いた頃には高度が下がっており、地面に落ちようとしてた。
あまりにも微妙過ぎる攻撃に油断してた…その瞬間。
フヨフヨフヨ~、ポテ、カッ!!
「へ?」
【グラ?】
【コケ?】
地面に就いたその瞬間に凄まじい光量を解き放ち、一瞬だけすべてが真っ白になる。
そしてそのすぐ後に、本命がやって来た。
ドッガァァァァァアアアアアアアアアアアアアアン!!
【ゴゲエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!?】
「ええええええええええええええええええ!?」
【グラグラアアアアアアアアア!?】
【フフン、大成功☆】
すごい大きな爆発と共に、ふっ飛ばされるチキンハーピー。
あまりにも差があり過ぎる光景を目にして僕とラナが思わず叫んでしまったそばで、ハクロは自慢げな表情で笑うのであった。
【コレ、私ノ必殺技!!『ハクロビィィィム』!一撃デ相手ノックアウト!!】
「いや、ビーム要素が無いんだけど!?どっちかと言えば爆弾だからボンバーだよね!!」
むしろこっちの攻撃の方が、怪光線とかよりも恐ろしいんだけど!?分かっていたら回避しやすい隙だらけの攻撃だというのに、知らなかったらとんでもない衝撃でふっ飛ばされるんだけど!?
一応欠点としては飛距離がそんなになく、爆発すると言っても手足がもげるようなものでもなくてただ爆風でふっ飛ばす程度しかないらしい。
けれども、相手を油断させての攻撃手段としては、最適な様なえげつないような、そんな悪魔な技であった…‥‥
【チナミニコレ、最初危険性ヲ考エテ加減シタラ、音モナクテ服ガ破レタダケダッタノ】
「それはそれで、色々な使用方法が浮かぶな‥‥‥」
‥‥‥あ、というか今のチキンハーピー、吹っ飛んでいったけどどうなった?
ばさぁっとメスの特徴の真っ赤な翅を広げ、勢いよく駆け寄って来るチキンハーピー。
その口には大斧が加えられており、勢いをそのまま利用してぶん投げて来た。
ビュンビュンビュン!!
「おっと!?すっごい速さで飛んでくるんだけど!?」
【シュルルル!!デモコノグライ、回避!!】
負けない素早さでハクロが動き、僕を抱えてジャンプして回避して斧は通り過ぎる。
目で追って見れば、ある程度の距離で斧が消失し、すぐにチキンハーピーの背中に戻っていた。
【コケェェェ!!】
「やっぱり、魔道具の類か‥‥‥ブーメランのような軌道を描くけど、戻るまでの道はショートカットされるのか」
投げて取り戻すまでの時間を省略し、その重さや大きさだけでも十分な武器を魔物が扱うとはシャレにならない事態だろう。
だがしかし、こちらだって対応できるだけのものはもっているのだ。
【シュルル!!ラナハンマー!!】
【グラグラァ!!】
糸で結び付け、頑丈な宝箱のラナがハクロの手によってチキンハーピーに振り下ろされる。
【コケェ!!】
さっと横にかわしたようだが、地面にめり込むだけではこの攻撃は終わらない。
【グラグ!!】
ドッゴゥ!!
【コケェ!?】
地面に着弾すると同時に、すぐに真横へかっとぶラナ。
その動きに一瞬驚いたようだが、それでもすぐに斧を盾にして受け止める。
「むぅ、追撃できるからいけるかと思ったけど、状況判断力が優れているのか」
【ンー、コレデイケルト思ッタケドナー】
【グラグラ】
ばっと再び距離を取り合い、お互いに相手の出方をうかがいあう。
今の初動でどのように動くのか大体読めたのは良いのだが、如何せんそれで分かってしまうところもあった。
この戦い‥‥‥お互いに決定打が入りづらい。
どちらも素早く動き、重みのある攻撃を斧と箱で出来るのだが、隙と判断力で引っ張り合ってどうにかできてしまいがち。
つまり、ちょっとばかり相性が悪いような組めばいいような、そんな状態になっているのである。
「…‥‥どうする、コレ?」
【シュルル‥ドウシヨウ、ジーク】
じりじりと距離を取り合って相手の動きを見ているのだが、決定打が無い事にもどかしい気持ちを覚える。
そしてチキンハーピーの方も、どうやらその事実を理解してしまったようで、あちらはあちらでどうしたものかというような悩んだ表情になっていた。
【避ケテ投ゲテブツケテ、意味無イ…‥‥コウナッタラ、アレ、ヤッテミル!!】
「アレ?」
何やらこの状況をどうにかできる手段があるようで、ハクロがそう叫ぶ。
何をするのかとみていると、彼女は息を吸い込み始めた。
【シュルルル、同族、ヤッタ話聞イテ、チョット練習シタ。完全ニデキナイケレドモ、短イ距離ナライケルカモ!!必殺ノォ『ハクロビィィィム』!!】
「ビーム!?」
それは過去にナイトメアアラクネが使ったと呼ばれる攻撃方法で、何かしらの怪光線を放出するという話がある。
ただし、前にその話を聞いたときは全然何も出ず、会得はしていないのかと思ったのだがどうやら密かに方法を模索して獲得したらしい。
さぞ凄まじい感じの怪光線が出るかと思った…‥‥次の瞬間。
ポヘン
「‥‥‥はい?」
気の抜けるような音で、彼女の口から出てきたのはふよふよと浮かぶ小さな光の玉。
光線とか言う話だったのにまったく違うものにあっけにとられ、チキンハーピーの方も拍子抜けをしたようでずこっとずっこけかけていた。
【コケェ・・・・・コケコケコェ?】
「あー、訳されなくても分かるかも。真面目にやっているのって、心配されているぞ」
【大丈夫】
ゆるゆると風にあおられるかのような動きで光の玉は飛んでいき、チキンハーピーの元に着いた頃には高度が下がっており、地面に落ちようとしてた。
あまりにも微妙過ぎる攻撃に油断してた…その瞬間。
フヨフヨフヨ~、ポテ、カッ!!
「へ?」
【グラ?】
【コケ?】
地面に就いたその瞬間に凄まじい光量を解き放ち、一瞬だけすべてが真っ白になる。
そしてそのすぐ後に、本命がやって来た。
ドッガァァァァァアアアアアアアアアアアアアアン!!
【ゴゲエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!?】
「ええええええええええええええええええ!?」
【グラグラアアアアアアアアア!?】
【フフン、大成功☆】
すごい大きな爆発と共に、ふっ飛ばされるチキンハーピー。
あまりにも差があり過ぎる光景を目にして僕とラナが思わず叫んでしまったそばで、ハクロは自慢げな表情で笑うのであった。
【コレ、私ノ必殺技!!『ハクロビィィィム』!一撃デ相手ノックアウト!!】
「いや、ビーム要素が無いんだけど!?どっちかと言えば爆弾だからボンバーだよね!!」
むしろこっちの攻撃の方が、怪光線とかよりも恐ろしいんだけど!?分かっていたら回避しやすい隙だらけの攻撃だというのに、知らなかったらとんでもない衝撃でふっ飛ばされるんだけど!?
一応欠点としては飛距離がそんなになく、爆発すると言っても手足がもげるようなものでもなくてただ爆風でふっ飛ばす程度しかないらしい。
けれども、相手を油断させての攻撃手段としては、最適な様なえげつないような、そんな悪魔な技であった…‥‥
【チナミニコレ、最初危険性ヲ考エテ加減シタラ、音モナクテ服ガ破レタダケダッタノ】
「それはそれで、色々な使用方法が浮かぶな‥‥‥」
‥‥‥あ、というか今のチキンハーピー、吹っ飛んでいったけどどうなった?
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