憧れの召喚士になれました!! ~でも、なんか違うような~

志位斗 茂家波

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187 手段としては色々と考えなければいけないことも多いわけで

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じゅううぶくぶくぶく…‥‥

「‥‥‥沸騰したな。次のやつを頼む」
「了解、次はもっと、熱に強い氷用意」
「というか、水も混ぜるけど、これ本当に冷えているのか?」

 ベッドに寝かされたノインの頭の上では、氷水が沸騰し切っていた。

 かなりの熱が出ているようだが、いかんせん治療法が分からない。


 というのも、彼女の場合召喚獣であることは間違いないのだが、他の面子とは違ってややこしい体の構造というべきか‥‥‥メイドとは言えゴーレムの類ゆえに、普通の治療方法が使えないのだ。

「薬が効果あるとも思えないし、今は熱が冷めるまでどうにかしないといけないとは思うが‥‥‥誰に診せればいいんだ?」
「医者が普通だと思うのですが‥‥‥でも、彼女の場合錬金術師も入るよな?」
「そもそも病気なのか故障なのか、そこが分かりにくいでござるからなぁ」

 考え込んでも、どうすべきなのかが分からない。

 風邪を引いたのか、故障しているのか、そのあたりが分かりにくいややこしさというべきか…‥‥召喚しておいてなんだが、彼女のそう言う部分とか全然理解してなかったんだな。

「ツボはあるのでありんすが、熱冷まし用のは効果もなさそうでありんすしなぁ‥‥‥お手上げでありんす」
「儂の方も、治癒魔法が全然効かないし、故障の可能性が高いかもしれなくて専門外なのじゃ」
「わたくしも、治療薬が出せませんわ」

 治療を行えるリザ、ゼネ、カトレアたちも治療法が分からないようだ。

 うん、まぁ普通のモンスターと違うともいえるし、人間とも他の生物とも構造が色々とかけ離れえいるだろうしね…‥‥そもそも、ノインの中身ってどうなっているのやら?

「バラバラにして、中身をどうにか出して探れないのか?」
「分解手段もあるとは思うけれど…‥‥」

 流石にそれは色々と危ないような気がする。

 中身の構造が良く分かっていないし、彼女をばらすにしてもどうやって分解するのかもよく分からない。

 というか、やったところでどこが悪いのか、俺たちに理解できそうにもないからなぁ‥‥

「装備品に、何か良いのが無かったか?」

 腕時計を操作し、内蔵されている様々な装備を見て、どれか使えないかと模索する。

 ガントレット、機関銃、ミサイルポッド、ホバーブーツ、パイルバンカー、ヘルメット、動力炉‥‥‥うん、どれもこれも使えないな。

 破壊することはできても、修理することができないのであればお手上げである。

「こうなると、彼女を作った人とかに会えればいいんだけどな」
「宛はあるのか?」

‥‥‥うん、無いな。

 そもそも、ノインは俺が召喚した召喚獣であり、その元々いたところに彼女を作った人がいるかもしれないが、どの様な場所なのか、どこにいる人なのかもわからない。

 職業『異界の召喚士』というのもあって、そもそも人ならざる者だけの異界の可能性も非常に大きいし、誰がどうやって製造したのか分からないのだ。

「今できるのは、ただ頭を冷やすぐらいか…‥‥アナスタシア、ティア、まだ氷も水も大丈夫か?」
「余裕、余裕。今の時期、全然、問題なし!」
「このぐらいなら、まだ出せるぜ。とは言え、根本的な解決になっていないかな」

 頭がやられたら不味そうなので、冷やすのは良い手段かもしれないが、根本的な部分が解決できていない。

 ノインの頭の中に何かがある可能性もあるが、そっちも分からないからなぁ‥‥‥

「いっその事、彼女の中に入り込んで探せればいいんだけどな」
「流石にそれは無理じゃろうな。儂ら、小さくもなれぬし入って魔境と化しているかもしれぬ場所から出られるとも思わぬ」

 直接原因を内部から探したいが、その手法もできないだろう。

「‥‥‥出来ないことは、ありまセン」
「え?」

 っと、考えこんでいる中で、ふとノインがそう発した。

「ご主人様、ノ、いかなる、命令、命令、にもどうにか、対応、するのがメイド、ですカラ」
「ちょっとノイン、普通に寝ていなよ。というか、おかしくなっているって」

 やっぱり熱で頭がやられているのか、彼女の話し方が色々とおかしい。

「だい、大丈夫、デス。それより、より、体内の方に、という手段を…‥‥取るのは、可能、デデス」

 そう言いながら、ふと彼女は腕を変形させ、何かいつものとは違う小さな銃と、板のような物を取り出してきた。

 そのまま板の方の角のボタンを押すと‥‥‥


ブゥン!
「…‥‥なにこれ?」
「私の、体の、異常個所を示す、すすす、地図、デス」

 そこに移っていたのは、ノインの体の全体像。

 ただし映っているのは全裸とかではなく、中身のごちゃごちゃした機械類というべきもの。

 そして、頭の方に赤く点滅している部位があった。

「こちらの、縮小、光線、光線銃、デ、小さくなって、その箇所へ到達して、くだサい。そうすればッギギガ‥‥‥」

 ぶしゅうっと音を立て、再び寝込むノイン。

 どうやら完全に色々とおかしくなっているようだが‥…どうやらその銃を使えば、彼女の中に入れるらしい。

「‥‥‥入り込んで、どうすればいいのか、っていう部分が抜けているけど…‥‥とりあえず、この点滅部位に付けばいいのか?」
「多分そうじゃろうけれど‥‥‥この銃で、本当には入れるのかのぅ?」

 気になるところは多いが、なんとかノインが力を振り絞って示してくれた治療法(?)だし、それに従った方が良いだろう。

「とりあえず、やってみるか」

 彼女の中に入り込み、その点滅部位へ辿り着けば、どうにかなるかもしれない。

 でも、問題は何があるのかよく分からないし、地図だけでも場合によってはたどり着けない場所もあるだろうし‥‥‥ここは、ある程度の人数をそろえるべきか。

「水陸空の対策だし‥‥‥アナスタシアに聞くけど、ティアが抜けても冷やし続けられるか?」
「十分可能」
「ルビー、体内に入り込む勇気はあるか?」
「大丈夫でござるよ。何しろ仲間の危機でござるし、断る事もしないでござる」
「リザ、ツボって体内からも可能か?」
「出来るでありんすし、隙間であろうと可能でありんす」

 ひとまずは、ルビー、リザ、ティアを連れて、俺はノインの中に入ることにした。

 他の面子はノインの体の治療および、外部からの状態報告である。

 一応声を出せば、中でも聞こえそうだからな…‥‥場合によってはかなり大きく聞こえるかもしれないが、それはおいおいどうにかするしかないだろう。

「あとは装備をして‥‥‥武器は使えないかな?」

 危険性もあるが、危険な武器の類は流石に体内でぶっ放すことは出来ないだろう。

 俺たちは移動しかできず、攻撃したら不味そうなので、攻撃手段は封じられる。

 それでも、その点滅部位にたどり着くことはできるだろうし…‥‥それだけを目的に進めばいい。


「それじゃ、ゼネ。光線銃とやらを頼む」
「了解じゃよ」

 かちっと引き金を引き、光線が俺たちへ直撃する。

 まばゆい光が眼をくらませた数秒後…‥‥目を開けば、俺たちの姿は十分なほどに小さくなっていた。


「これなら入れるか」
「うむ、そうでありんすな」
「ちょっとドキドキするというか、怖そうでござるが‥‥‥」
「やってみるしかないぜ!」

 小さくなった体をスプーンすくわれ、ノインの口の上に俺たちは運ばれた。

 そしていよいよ、彼女の中へ、そこから入っていくのであった‥‥‥‥


「…‥‥何と言うか、個人的に色々いけないような気がするのはどうなんだろうか」
「舌の上を歩くとは、言葉にするとなんかややこしいでありんすな」
「というか、奥が真っ暗すぎて見えないのでござるが」
「気を引き締めて、油断しないように入ろうぜ」
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