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閑話 とりあえず生存しているようでもあるが
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「…‥‥国王が、このようなことになるのは良いのだろうか」
「いや、流石に今回ばかりは正当な処罰です、父上」
「ええ、王をきちんと成敗できる者がいなければ、いざというときに国が傾きますからね…‥‥それを身をもって知ることができたでしょう?」
「とはいえ息子たちよ、これは下手をすると反逆罪に‥‥‥って、既にいないだとぅ!?」
やれやれと言うように首を振りながら国王は語ろうとしたのだが、既に彼の息子である王子たちの姿はいなくなっていた。
そして後に残されるのは、王城の中庭に首から下部分を埋められた国王の身。
職業「遊び人」であるがゆえにそこまで力があるわけでもなく、埋まった状合地で簀巻き状態で、抜けようがないのだが…‥‥どうやら放置されてしまったらしい。
「‥‥‥うぉぅ、マジかぁ‥‥‥」
そう口にするとも、その声を聞いてくれる人はいないようであり、助けを求めようにもしばらく誰も来ないのだろうと予想が付いたので、無駄に体力を消耗しないように大人しくなる。
そして、何故こうなったのかを振り返ってみたが…‥‥どう考えても、自分のやらかした発言が原因だとしか思えなかった。
「‥‥‥やはり、娘を出したことに関してか」
フエィスマスク討伐祝いの晩餐会ついでに行われた、活躍した者たちへ褒美を授ける場。
その場にて、国王はディーに対して堂々とした振る舞いで褒美に関しての話をしつつ‥‥‥爆弾を落としたことを理解していた。
それは、自身の娘をディーに対して授けるというもの。
念には念を入れてきちんとディーの人間関係や、その周囲にいる召喚獣たちの調査も行いつつ、前々から密かに見えていた娘の気持ちもくみ取ってやったつもりではあったが…‥‥突然の発表は流石に急すぎたかと深く反省する。
とはいえ、この判断は完全に間違いでもない。なぜならば、ディーをこの国につなぎとめるには、必要な判断だともいえるのだから。
いや、彼の血の繋がった家族なども辺境の方にある村にいるので、そこまで厳重につなごうとしなくてもいいのだが…‥‥それでも、やるしかなかったのだ。
仕方が無いだろう、こうでも表立ってやらなければ、信用しない者たちがいるのだから。
自分達がいくら彼のことを理解していても、理解しようともしない者たちも、利用しようと考える者たちも存在しており、信用を得るためと牽制を行うために考えて、この決断しかできなかったのだから。
‥‥‥国王自身、自分が賢王とも思わないが、愚王とも思わない。
ただ単純に、この国のために考えて動いただけでありつつ、一人の親として娘の幸せも考えてどうにかしようと思っていたのだ。
そのために、今回の行動を起こしたのだが…‥‥反対する気は無いようだが、それでも話し合いもなしに決めたせいで怒られてしまったのである。
「‥‥‥まぁ、良い。もう覆しようもないからな」
一度行ったことはきちんと責任を取りつつも、間違った判断はしていないと彼は思いたい。
仮にこの国にディーをつなげなかったとしても、自身の娘の幸せを考えるのであれば、これでよかったのだと思う。
一応、この国では自由恋愛などを推奨しているとはいえ‥‥‥王族と言う立場は他者から見れば甘い蜜のように見える者なのだから。
その立場を狙い、魑魅魍魎とした争いもあり、それに娘を巻き込みたくなかった。
良い年ごろであり、婚約者もいない身であり、狙われる可能性が十分にあったからこそ…‥ディーに託したいと思えたのだから。
「…‥‥国が仮に滅びても、彼は娘を雑には扱わない。王家の血は残るし、娘の幸せはあるだろうし、何かと都合が良かったがな…‥‥」
デメリットとしては、ディー自身が権力を望んでいないために、本来であれば降嫁として娘を降ろして公爵とする手段が使えたはずだが、それを使えなかった点だろうか。
まぁ、それでも王族としての籍は抜かさず、子供の方に王位継承権が生じることもあるが…‥‥それはまだ色々と話し合う必要がある。
そもそも彼の元には召喚獣たち以外にも、ガランドゥのものや森林国のものもいるので、何かとややこしい事になりかねないのだが‥‥‥
「それでも、娘が幸せになれそうならば本望か」
ふふふっと穏やかに笑う国王の顔は、一国の王としてではなく、一人の父親としてのものであった…‥‥
「ところで誰か、そろそろ掘り出してほしいのだが…‥‥いないのかー!!」
‥‥‥ついでに台無しにするようではあるが、情けない男の悲鳴もあげるのであった。
「いや、流石に今回ばかりは正当な処罰です、父上」
「ええ、王をきちんと成敗できる者がいなければ、いざというときに国が傾きますからね…‥‥それを身をもって知ることができたでしょう?」
「とはいえ息子たちよ、これは下手をすると反逆罪に‥‥‥って、既にいないだとぅ!?」
やれやれと言うように首を振りながら国王は語ろうとしたのだが、既に彼の息子である王子たちの姿はいなくなっていた。
そして後に残されるのは、王城の中庭に首から下部分を埋められた国王の身。
職業「遊び人」であるがゆえにそこまで力があるわけでもなく、埋まった状合地で簀巻き状態で、抜けようがないのだが…‥‥どうやら放置されてしまったらしい。
「‥‥‥うぉぅ、マジかぁ‥‥‥」
そう口にするとも、その声を聞いてくれる人はいないようであり、助けを求めようにもしばらく誰も来ないのだろうと予想が付いたので、無駄に体力を消耗しないように大人しくなる。
そして、何故こうなったのかを振り返ってみたが…‥‥どう考えても、自分のやらかした発言が原因だとしか思えなかった。
「‥‥‥やはり、娘を出したことに関してか」
フエィスマスク討伐祝いの晩餐会ついでに行われた、活躍した者たちへ褒美を授ける場。
その場にて、国王はディーに対して堂々とした振る舞いで褒美に関しての話をしつつ‥‥‥爆弾を落としたことを理解していた。
それは、自身の娘をディーに対して授けるというもの。
念には念を入れてきちんとディーの人間関係や、その周囲にいる召喚獣たちの調査も行いつつ、前々から密かに見えていた娘の気持ちもくみ取ってやったつもりではあったが…‥‥突然の発表は流石に急すぎたかと深く反省する。
とはいえ、この判断は完全に間違いでもない。なぜならば、ディーをこの国につなぎとめるには、必要な判断だともいえるのだから。
いや、彼の血の繋がった家族なども辺境の方にある村にいるので、そこまで厳重につなごうとしなくてもいいのだが…‥‥それでも、やるしかなかったのだ。
仕方が無いだろう、こうでも表立ってやらなければ、信用しない者たちがいるのだから。
自分達がいくら彼のことを理解していても、理解しようともしない者たちも、利用しようと考える者たちも存在しており、信用を得るためと牽制を行うために考えて、この決断しかできなかったのだから。
‥‥‥国王自身、自分が賢王とも思わないが、愚王とも思わない。
ただ単純に、この国のために考えて動いただけでありつつ、一人の親として娘の幸せも考えてどうにかしようと思っていたのだ。
そのために、今回の行動を起こしたのだが…‥‥反対する気は無いようだが、それでも話し合いもなしに決めたせいで怒られてしまったのである。
「‥‥‥まぁ、良い。もう覆しようもないからな」
一度行ったことはきちんと責任を取りつつも、間違った判断はしていないと彼は思いたい。
仮にこの国にディーをつなげなかったとしても、自身の娘の幸せを考えるのであれば、これでよかったのだと思う。
一応、この国では自由恋愛などを推奨しているとはいえ‥‥‥王族と言う立場は他者から見れば甘い蜜のように見える者なのだから。
その立場を狙い、魑魅魍魎とした争いもあり、それに娘を巻き込みたくなかった。
良い年ごろであり、婚約者もいない身であり、狙われる可能性が十分にあったからこそ…‥ディーに託したいと思えたのだから。
「…‥‥国が仮に滅びても、彼は娘を雑には扱わない。王家の血は残るし、娘の幸せはあるだろうし、何かと都合が良かったがな…‥‥」
デメリットとしては、ディー自身が権力を望んでいないために、本来であれば降嫁として娘を降ろして公爵とする手段が使えたはずだが、それを使えなかった点だろうか。
まぁ、それでも王族としての籍は抜かさず、子供の方に王位継承権が生じることもあるが…‥‥それはまだ色々と話し合う必要がある。
そもそも彼の元には召喚獣たち以外にも、ガランドゥのものや森林国のものもいるので、何かとややこしい事になりかねないのだが‥‥‥
「それでも、娘が幸せになれそうならば本望か」
ふふふっと穏やかに笑う国王の顔は、一国の王としてではなく、一人の父親としてのものであった…‥‥
「ところで誰か、そろそろ掘り出してほしいのだが…‥‥いないのかー!!」
‥‥‥ついでに台無しにするようではあるが、情けない男の悲鳴もあげるのであった。
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