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7章 終わりまで、ずっと
7-10 月日は早く流れていき
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―――組織もつぶし、平和を得るために色々と努力し、魔竜王国ドラグニアの技術力をもってして、世界はあっという間に発展していった。
今まで時間がかかっていたものがすぐになるようになり、魔獣がいなくなってからは気にするのは盗賊やら野生動物程度に収まってきたことで、交通量が増加し、それに伴って人の流れが活発化したのも、その発展の後押しになっただろう。
ただ、魔獣がいなくなってくれば、それに抑えられていた部分が出てくるのは当然のことで、やらかされる前に事前に潰したりすることも送った。
「そんなことがありつつも、ずっと平穏な人生を過ごしてきたが…ずっと王の立場にいるわけにもいかないから隠居して、300年ほど長めの旅に出て帰ってくれば、国が無くなっているってどういうことだよ」
「人の移り変わりは激しいですからね…一応、技術などは悪用されないように、異界へ転送されるシステムにしてましたが、世界の裏側まで行ってめぐっていた中で、しっかり滅ぼされてましたネ」
…がやがやと人混みがある中、角と翼を竜魔法で隠しつつ、その辺の食事処でもしゃもしゃと食べながらフィーがそうつぶやけば、ゼナが呆れたように回答する、
ドラゴンとしての血もあるせいか、20代を過ぎてから年を取らなくなっており、流石に人の世にそのまま居つくのは厳しいかと思うところもあって、旅に出たのは良いだろう、
だが、まさかそこそこ長めの旅路に出て、久しぶりに帰郷も兼ねて国があったところへ帰ってきてみれば、まさかの別の国に成り代わっているとはだれが予想できたことだろうか。
「ですが、ご主人様…あなたの孫やひ孫、その子孫に至っては大丈夫のようデス。国がなくなっても、しっかりと生き延びてそれぞれ自由に過ごしているようデス」
「建国した国が無くなったのは悲しいが…まぁ、子孫が無事ならばいいか」
なお、どうして国が消えたかに関して調べてみたところ、単純に諸外国がドラゴンがいなくなったことを200年ほど過ぎたあたりでようやく気が付いたようで、攻め時だと思って戦争を吹っかけてきたことにあるらしい。
だが、子孫は子孫でしっかりと教育をしていたゆえか、それとも王位などの立場を面倒だと思ったのか…民の安全を確保しつつ、国そのものを解体し、戦火が舞い散る前に攻められる国そのものをなくしたようだ。
そのせいで、攻めてきた相手側は攻める場所が何もなくなっていることに驚愕し、さらにそのほかの国々も同じようなことを企んでいたのでぶつかり合ってしまったそうだ。
お互いに攻めたかった場所が失われ、手に入れようとしても他国との衝突が確実…これでかなり欲深くあればかまわず戦争を激化させただろうが、目的地の消失に士気も下がり、無駄な血が流れることをお互いに嫌いあったことで、結局この地は各国で共同に管理する特例の場所として成り立つことになったようだ。
そこからさらに数十年ほど過ぎれば、自然と自治を与えられて…今の魔竜王国とは違う別の国へと変貌したようであった。
ただし、解体時に世界全体から何をやってか同時に失われてしまった技術も数多く、世界水準の技術レベルは低下し、魔獣が出ていたころ合いにまで下がったのはこちらも驚くところ。
まぁ、気が付かないうちに国に依存していた部分があったようで…そこは、自立を促しきれていなかったところに責任があるかもしれない。
「何にしても、国が無くなっても平和なら良いかな…子孫たちもたくましく生きているようだしな」
「中には私やルルシア、ペルシャの血を濃く継いだ子孫もいますからネ。確認したところ、全身刃で騎士道を志すようなものもいるようですし、国なくても無事につながっているのは喜ばしいのデス」
「どういう血のつながりだよ…」
全身刃って、どういう人間になってんのそれ。
そもそも魔剣のほうの子孫となると、その子らがどうなっているのやら…深く考えるのはやめよう。小さいゼナがいくつも量産されただけだと考えればいい話だ。
そう思いつつも、滅びた国ということもあって、今の地からはもともとあった痕跡が失われているらしい。
いや、それでも流石に残されたものはあったようだ。
「…まぁ、流石にお墓まで荒らすような奴もいなかったか」
「国が変わっても、亡き人を思う気持ちは同じようですからネ」
…変わった新しい国の中で、ずっと残り続けている場所。
そこは、亡き人が弔われる墓場…青薔薇姫のお墓も作られていたこともあって、あの人の数多くのやらかしもとい功績のせいで荒らされることは避けられていたようで、ずっときれいなまま残っていたのだ。
というか、墓があってもその中に遺体を全て収めているわけでもないしなぁ…肝心の青薔薇姫自身に関しては、実は建国して数十年ぐらいしたあたりで、神々のいる世界へ帰っているので、その残留思念とかはないだろう。
それでも、やらかしたことの数々は、どれほどの歳月が経とうが色あせることはなかったようで…良い墓荒らし避けになったけど、複雑な思いもある。
「それでも、ここで変わらずに寝ているか…まだまだ、そっちへ逝くには時間がかかるよ、ルルシア、ペルシャ…その他子供たちよ」
わかっている分だけのお墓に、街中で購入した花を供えつつ、丁寧に弔いの思いを込めて祈りを捧げる。
長い、長い、ドラゴンの血があるゆえに定められていたこの長寿の中で、過ぎていった大事な命、
その全ては覚えており、別れの時も見ていた。
「…というか、お墓の数が多いなぁ!?」
「旅に出たのは300年ほどでしたが、建国して1000年はいましたからね。それだけいれば、普通に子孫も断絶したりしつつも、残って増えているところもあるので、数が多いのは当たり前デス」
しんみりしたい雰囲気がありそうだが、残念ながらそうはいかず。
けれども、こうやって苦笑できそうなほどいるというのも、それはそれであの世のほうで皆爆笑していそうで、こっちのほうが良いのかなと思うのであった…
「そもそも、最後のほうで困るのはたぶん、あなたですよ」
「え?」
「私、長い間連れ添ってますが、魔剣ですからネ…命が尽きたら、それと一緒に消滅するのが確定なので、下手な死に場所だと相当不味いことになりますヨ」
…この長い月日で、魔獣が失われたことで魔剣士もいなくなったが、同時に魔剣も消滅する光景を何度か見る機会があった。
そう考えると、確かに自分の死に場所次第では、滅茶苦茶厄介なことを引き起こしかねないのでは…
「千年以上生きて、今更その大きな問題に気が付いたんだが…!?」
「でも、大丈夫デス。そんなこともあろうかと、ずっと昔に用意しておいた棺桶がこの国の地下に埋まっているはずなので、今から掘り起こして持っていきましょウ」
「持っていけるなら、最初から持参すればよかったんじゃ?」
「…ここに帰ってきて、そのことに今、私も気が付いたのデス」
お互いに、抜けていたところがあったのだった。
今まで時間がかかっていたものがすぐになるようになり、魔獣がいなくなってからは気にするのは盗賊やら野生動物程度に収まってきたことで、交通量が増加し、それに伴って人の流れが活発化したのも、その発展の後押しになっただろう。
ただ、魔獣がいなくなってくれば、それに抑えられていた部分が出てくるのは当然のことで、やらかされる前に事前に潰したりすることも送った。
「そんなことがありつつも、ずっと平穏な人生を過ごしてきたが…ずっと王の立場にいるわけにもいかないから隠居して、300年ほど長めの旅に出て帰ってくれば、国が無くなっているってどういうことだよ」
「人の移り変わりは激しいですからね…一応、技術などは悪用されないように、異界へ転送されるシステムにしてましたが、世界の裏側まで行ってめぐっていた中で、しっかり滅ぼされてましたネ」
…がやがやと人混みがある中、角と翼を竜魔法で隠しつつ、その辺の食事処でもしゃもしゃと食べながらフィーがそうつぶやけば、ゼナが呆れたように回答する、
ドラゴンとしての血もあるせいか、20代を過ぎてから年を取らなくなっており、流石に人の世にそのまま居つくのは厳しいかと思うところもあって、旅に出たのは良いだろう、
だが、まさかそこそこ長めの旅路に出て、久しぶりに帰郷も兼ねて国があったところへ帰ってきてみれば、まさかの別の国に成り代わっているとはだれが予想できたことだろうか。
「ですが、ご主人様…あなたの孫やひ孫、その子孫に至っては大丈夫のようデス。国がなくなっても、しっかりと生き延びてそれぞれ自由に過ごしているようデス」
「建国した国が無くなったのは悲しいが…まぁ、子孫が無事ならばいいか」
なお、どうして国が消えたかに関して調べてみたところ、単純に諸外国がドラゴンがいなくなったことを200年ほど過ぎたあたりでようやく気が付いたようで、攻め時だと思って戦争を吹っかけてきたことにあるらしい。
だが、子孫は子孫でしっかりと教育をしていたゆえか、それとも王位などの立場を面倒だと思ったのか…民の安全を確保しつつ、国そのものを解体し、戦火が舞い散る前に攻められる国そのものをなくしたようだ。
そのせいで、攻めてきた相手側は攻める場所が何もなくなっていることに驚愕し、さらにそのほかの国々も同じようなことを企んでいたのでぶつかり合ってしまったそうだ。
お互いに攻めたかった場所が失われ、手に入れようとしても他国との衝突が確実…これでかなり欲深くあればかまわず戦争を激化させただろうが、目的地の消失に士気も下がり、無駄な血が流れることをお互いに嫌いあったことで、結局この地は各国で共同に管理する特例の場所として成り立つことになったようだ。
そこからさらに数十年ほど過ぎれば、自然と自治を与えられて…今の魔竜王国とは違う別の国へと変貌したようであった。
ただし、解体時に世界全体から何をやってか同時に失われてしまった技術も数多く、世界水準の技術レベルは低下し、魔獣が出ていたころ合いにまで下がったのはこちらも驚くところ。
まぁ、気が付かないうちに国に依存していた部分があったようで…そこは、自立を促しきれていなかったところに責任があるかもしれない。
「何にしても、国が無くなっても平和なら良いかな…子孫たちもたくましく生きているようだしな」
「中には私やルルシア、ペルシャの血を濃く継いだ子孫もいますからネ。確認したところ、全身刃で騎士道を志すようなものもいるようですし、国なくても無事につながっているのは喜ばしいのデス」
「どういう血のつながりだよ…」
全身刃って、どういう人間になってんのそれ。
そもそも魔剣のほうの子孫となると、その子らがどうなっているのやら…深く考えるのはやめよう。小さいゼナがいくつも量産されただけだと考えればいい話だ。
そう思いつつも、滅びた国ということもあって、今の地からはもともとあった痕跡が失われているらしい。
いや、それでも流石に残されたものはあったようだ。
「…まぁ、流石にお墓まで荒らすような奴もいなかったか」
「国が変わっても、亡き人を思う気持ちは同じようですからネ」
…変わった新しい国の中で、ずっと残り続けている場所。
そこは、亡き人が弔われる墓場…青薔薇姫のお墓も作られていたこともあって、あの人の数多くのやらかしもとい功績のせいで荒らされることは避けられていたようで、ずっときれいなまま残っていたのだ。
というか、墓があってもその中に遺体を全て収めているわけでもないしなぁ…肝心の青薔薇姫自身に関しては、実は建国して数十年ぐらいしたあたりで、神々のいる世界へ帰っているので、その残留思念とかはないだろう。
それでも、やらかしたことの数々は、どれほどの歳月が経とうが色あせることはなかったようで…良い墓荒らし避けになったけど、複雑な思いもある。
「それでも、ここで変わらずに寝ているか…まだまだ、そっちへ逝くには時間がかかるよ、ルルシア、ペルシャ…その他子供たちよ」
わかっている分だけのお墓に、街中で購入した花を供えつつ、丁寧に弔いの思いを込めて祈りを捧げる。
長い、長い、ドラゴンの血があるゆえに定められていたこの長寿の中で、過ぎていった大事な命、
その全ては覚えており、別れの時も見ていた。
「…というか、お墓の数が多いなぁ!?」
「旅に出たのは300年ほどでしたが、建国して1000年はいましたからね。それだけいれば、普通に子孫も断絶したりしつつも、残って増えているところもあるので、数が多いのは当たり前デス」
しんみりしたい雰囲気がありそうだが、残念ながらそうはいかず。
けれども、こうやって苦笑できそうなほどいるというのも、それはそれであの世のほうで皆爆笑していそうで、こっちのほうが良いのかなと思うのであった…
「そもそも、最後のほうで困るのはたぶん、あなたですよ」
「え?」
「私、長い間連れ添ってますが、魔剣ですからネ…命が尽きたら、それと一緒に消滅するのが確定なので、下手な死に場所だと相当不味いことになりますヨ」
…この長い月日で、魔獣が失われたことで魔剣士もいなくなったが、同時に魔剣も消滅する光景を何度か見る機会があった。
そう考えると、確かに自分の死に場所次第では、滅茶苦茶厄介なことを引き起こしかねないのでは…
「千年以上生きて、今更その大きな問題に気が付いたんだが…!?」
「でも、大丈夫デス。そんなこともあろうかと、ずっと昔に用意しておいた棺桶がこの国の地下に埋まっているはずなので、今から掘り起こして持っていきましょウ」
「持っていけるなら、最初から持参すればよかったんじゃ?」
「…ここに帰ってきて、そのことに今、私も気が付いたのデス」
お互いに、抜けていたところがあったのだった。
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