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組織との決着で章
218話
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…‥‥魔導書からもたらされた「歪み」とやらが生じているらしい西方の国。
それは一体どこなのか不明なため、ルースはバルション学園長に尋ねてみたが…‥‥
「いーや、そーんなことを言われーてもどーこなのかわからないわよ」
「そうですか‥‥‥」
いくら学園長といえども、そんなあやふやな情報では確定できないらしい。
と言うのも、この国よりも西方にある国であればいくつかあるそうなのだが、一体どれなのか分かりにくいのだ。
となれば、ここはより地理的にも詳しそうな人の話を聞いたほうが良さそうである。
「なるほど、そういう訳で聞きに来たのかな?」
「はい」
タキの友人でもあり、同居人でもあるエルモア先生の元へ尋ね、ルースは問いかけた。
しばし考えた後、エルモアはある国を示した。
「歪みとやらが何なのかは不明だが、そうなりそうな国と言うのならば一つ候補に挙げられるな」
「本当ですか?」
「ああ、間違いないはずだな。西方にある国で、歪みとやらが悪そうなものだと言うのであれば…‥‥発生しそうな国は『バハーム王国』しかないはずだな」
何だろうか、バハムートとかそう言った名前に近そうな国名は。
―――――――――――――――
「バハーム王国」
グレイモ王国の西方に位置する国。
現在は若き国王が即位して治め、それなりに栄えている国である…‥‥が。
――――――――――――
「調べによると、先代国王が節操なさすぎて、正妃側室愛人妾などがたくさんいたらしいな。しかも、子宝にも恵まれすぎて王女王女が合わせて100人以上いたというな」
「100人以上!?」
まさかの子だくさんである。
しかし、そこまで数が多いとなると…‥‥
「それって絶対に跡継ぎ争いが大変なことになってますよね?」
「ああ、そうだな。というか、もう終わったことだが…‥‥現在の国王はアーズ=バルモ=バハームというが、彼は第67王子という記録があったな。そこまで来るともう王位継承権は会ってないようなものであるのだが‥‥‥」
‥‥エルモアの言葉の後を、ルースは理解した。
本来であれば、王位につくことがほぼないような位置にある王子が国王になった。
それすなわち、その前の王子・王女が全滅したという事になるのではないだろうかと。
そう考えると、グレイモ王国も王子が3人いるが、こちらは特に目立った争いもないので、平和な方であろう。
いや、シスコン度がすごすぎるから、そっち方面で争いの労力が使われている可能性も捨てきれない。
何にせよ、それだけドロドロした争いが予想できるからこそ、何かしらの歪みとやらが生じてもおかしくないらしい。
「放置するのは面倒そうだけど‥‥‥‥かと言ってなぁ」
今はフェイカー殲滅に力を入れたいところで有り、そう言った別の事に対して力を入れるのはどうなのかとルースは思う。
だが、将来の安寧を崩壊させるようなものであるのならば…‥‥やはり出向いてどうにかするしかないだろう。
フェイカーが関わっていないとも言えるわけでもないし、向かうとしたら…‥‥
「授業もあるし、貴族講習なども考えると今度の休日かな?」
タキたちに頼んで移動すれば、おそらく日帰りでさっと終わるはずであるとルースは考える。
行く日にちを決め、さっさと面倒事を終わらせてしまおうと思ったのだが‥‥‥‥この時はまだ、ルースは知らなかった。
日帰りで帰れるほどの事であればよかったのだが、それ以上の面倒ごとがその国に待ち受けていたことを。
いずれにせよ、何かしらの用事でルースが向かう先に面倒ごとが待ち受けているのは運命のいたずら…‥‥いや、確定事項のようだということを、さほど時間もかからずに理解させられるのであった。
それは一体どこなのか不明なため、ルースはバルション学園長に尋ねてみたが…‥‥
「いーや、そーんなことを言われーてもどーこなのかわからないわよ」
「そうですか‥‥‥」
いくら学園長といえども、そんなあやふやな情報では確定できないらしい。
と言うのも、この国よりも西方にある国であればいくつかあるそうなのだが、一体どれなのか分かりにくいのだ。
となれば、ここはより地理的にも詳しそうな人の話を聞いたほうが良さそうである。
「なるほど、そういう訳で聞きに来たのかな?」
「はい」
タキの友人でもあり、同居人でもあるエルモア先生の元へ尋ね、ルースは問いかけた。
しばし考えた後、エルモアはある国を示した。
「歪みとやらが何なのかは不明だが、そうなりそうな国と言うのならば一つ候補に挙げられるな」
「本当ですか?」
「ああ、間違いないはずだな。西方にある国で、歪みとやらが悪そうなものだと言うのであれば…‥‥発生しそうな国は『バハーム王国』しかないはずだな」
何だろうか、バハムートとかそう言った名前に近そうな国名は。
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「バハーム王国」
グレイモ王国の西方に位置する国。
現在は若き国王が即位して治め、それなりに栄えている国である…‥‥が。
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「調べによると、先代国王が節操なさすぎて、正妃側室愛人妾などがたくさんいたらしいな。しかも、子宝にも恵まれすぎて王女王女が合わせて100人以上いたというな」
「100人以上!?」
まさかの子だくさんである。
しかし、そこまで数が多いとなると…‥‥
「それって絶対に跡継ぎ争いが大変なことになってますよね?」
「ああ、そうだな。というか、もう終わったことだが…‥‥現在の国王はアーズ=バルモ=バハームというが、彼は第67王子という記録があったな。そこまで来るともう王位継承権は会ってないようなものであるのだが‥‥‥」
‥‥エルモアの言葉の後を、ルースは理解した。
本来であれば、王位につくことがほぼないような位置にある王子が国王になった。
それすなわち、その前の王子・王女が全滅したという事になるのではないだろうかと。
そう考えると、グレイモ王国も王子が3人いるが、こちらは特に目立った争いもないので、平和な方であろう。
いや、シスコン度がすごすぎるから、そっち方面で争いの労力が使われている可能性も捨てきれない。
何にせよ、それだけドロドロした争いが予想できるからこそ、何かしらの歪みとやらが生じてもおかしくないらしい。
「放置するのは面倒そうだけど‥‥‥‥かと言ってなぁ」
今はフェイカー殲滅に力を入れたいところで有り、そう言った別の事に対して力を入れるのはどうなのかとルースは思う。
だが、将来の安寧を崩壊させるようなものであるのならば…‥‥やはり出向いてどうにかするしかないだろう。
フェイカーが関わっていないとも言えるわけでもないし、向かうとしたら…‥‥
「授業もあるし、貴族講習なども考えると今度の休日かな?」
タキたちに頼んで移動すれば、おそらく日帰りでさっと終わるはずであるとルースは考える。
行く日にちを決め、さっさと面倒事を終わらせてしまおうと思ったのだが‥‥‥‥この時はまだ、ルースは知らなかった。
日帰りで帰れるほどの事であればよかったのだが、それ以上の面倒ごとがその国に待ち受けていたことを。
いずれにせよ、何かしらの用事でルースが向かう先に面倒ごとが待ち受けているのは運命のいたずら…‥‥いや、確定事項のようだということを、さほど時間もかからずに理解させられるのであった。
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