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組織との決着で章
227話
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エルバディア温泉がある秘境に、ルースたちは到着した。
いや、到着したことはしたのだが…‥‥
「『秘境』って、そもそもどういう意味だっけ…‥‥」
世間的に知られていない場所、もしくは神秘的な場所という意味であったはずだ。
だがしかし、今目の前に広がる光景は‥‥‥
「秘境というよりも、ちょっとした温泉街になっているな…‥」
【にぎわっておるし、さびれておらぬからまだいい方じゃと考えたほうがよかろう】
何という事でしょう、秘境と呼ばれていたはずの場所は、温泉街ともいえる賑わいを誇る、活気あふれる街並みへと変貌しているではありませんか。‥‥‥いや、こうなる前の光景をルースは見たことがないが、何となくそういう音楽が流れそうな雰囲気である。
「それ、どこの劇的番組なの?」
ルースの考えがなんとなくわかったのか、アルミアがそうつぶやくのであった。
多分間違っていないはずだけど…‥‥ビフォーアフターのような音楽が再生されるような気がした。
何にせよ、温泉街と化したエルバディア温泉へ入るために、事前に温泉施設にルースは予約を取っていた。
召喚魔法によるモンスターでの物資の輸送は、手紙の配送にも影響を及ぼし、施設への予約などがスムーズになったのである。
まだ一部地域では、召喚魔法を取り入れていないところがあるらしいが、それでも徐々にその便利さが浸透されているらしい。
とにもかくにも、にぎやかな温泉街を突き進み、目的の場所へ目指すルースたち。
流石に元の姿のタキたちに乗ったままでは目立つので、一旦皆降りて、彼女達には人の姿になってもらった。
火竜とシーサーペント?送還されました。
ワイワイと人込みでにぎわう中、ルースたちははぐれないように集団で固まって移動する。
一応、各々が良い意味でも悪い意味でも目立つので、迷子になる事はないだろうが‥‥‥
「というか、こうもにぎわっていると何かが起きそうなのよねぇ…‥」
「それを言われると、そうなるような予感がするからやめてほ、」
「火事だぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「…‥‥言って早々か」
このタイミングでの、温泉街での事件の声が告げられ、ルースはあきらめたように溜息を吐くのであった。
目的の宿がある温泉街なので、一応被害を抑えるために、水の魔法が使える青色の魔導書、土の魔法を扱える茶色の魔導書の所持者であるエルゼ、スアーンもいるので、火事現場にルースたちは向かって見た。
ぼおおおおおおおおおお!!
盛大に燃えているのは、どうやら古そうな木造建築の一軒家で有り、消火作業が行われていた。
「いそげぇぇ!!水を早く早く!!」
「あらさっささーのえっさらさ!!バケツリレーでどんどんはこべぇぇ!!」
「水魔法を扱えるかたがいたら協力してくれぇぇぇ!!」
消火作業で大忙しのようで、野次馬たちも協力している。
「俺達も消火作業の手伝いをし、」
【火事はどこだぁぁぁぁぁぁぁっスラ!!】
ルースが皆に声をかけようとしたとたん、周囲一帯に大きな声が響き渡った。
「おお!!スラヌルス様が来たようだ!!」
「消火できるぞぉぉぉ!!」
その声の主が分かったのか、野次馬たちから希望の声が聞こえた。
「スラヌルス?」
【あ、そう言えばその名前知っているのじゃ】
心当たりがあるのか、タキがそうつぶやいたとたん、急にあたりが薄暗くなった。
上を見て見れば…‥‥そこには非常に大きな半透明の物体が浮かんでいた。
その物体が降下し、火災現場にのしかかると同時に、丸ごと飲み込んだ。
炎は一瞬にして鎮火し、野次馬たちから歓声が上がった。
「やったぜぇぇぇ!!」
「流石スラヌルス様!!火事を飲んで消火したぞぉお!!」
【ふはははは!!この温泉街の平和は、このスラヌルス様が守ってやるのだぁぁスラ!!】
皆が喜び、火災現場にのしかかっている半透明の物体がそう声を上げる。
「‥‥‥タキ、ヴィーラ、もしかして知り合い?」
【うむ、あやつは割と気が良い奴じゃが、我らと同じ国滅ぼしのモンスターじゃ】
【不定形モンスター代表とも言えル、巨大なスライム…‥‥】
【【『ウルトラスライム』】】
タキとヴィーラの声がそろい、ルースたちはその半透明の巨大物体が何なのか理解した。
その姿はまさしく、巨大なスライムであった‥‥‥‥
「‥‥‥スライムって、ああいうのだっけ?」
「某RPGのやつとは違うの……」
ルースのつぶやきが分かるのは、同じ転生者仲間であるアルミアだけであった。
いや、到着したことはしたのだが…‥‥
「『秘境』って、そもそもどういう意味だっけ…‥‥」
世間的に知られていない場所、もしくは神秘的な場所という意味であったはずだ。
だがしかし、今目の前に広がる光景は‥‥‥
「秘境というよりも、ちょっとした温泉街になっているな…‥」
【にぎわっておるし、さびれておらぬからまだいい方じゃと考えたほうがよかろう】
何という事でしょう、秘境と呼ばれていたはずの場所は、温泉街ともいえる賑わいを誇る、活気あふれる街並みへと変貌しているではありませんか。‥‥‥いや、こうなる前の光景をルースは見たことがないが、何となくそういう音楽が流れそうな雰囲気である。
「それ、どこの劇的番組なの?」
ルースの考えがなんとなくわかったのか、アルミアがそうつぶやくのであった。
多分間違っていないはずだけど…‥‥ビフォーアフターのような音楽が再生されるような気がした。
何にせよ、温泉街と化したエルバディア温泉へ入るために、事前に温泉施設にルースは予約を取っていた。
召喚魔法によるモンスターでの物資の輸送は、手紙の配送にも影響を及ぼし、施設への予約などがスムーズになったのである。
まだ一部地域では、召喚魔法を取り入れていないところがあるらしいが、それでも徐々にその便利さが浸透されているらしい。
とにもかくにも、にぎやかな温泉街を突き進み、目的の場所へ目指すルースたち。
流石に元の姿のタキたちに乗ったままでは目立つので、一旦皆降りて、彼女達には人の姿になってもらった。
火竜とシーサーペント?送還されました。
ワイワイと人込みでにぎわう中、ルースたちははぐれないように集団で固まって移動する。
一応、各々が良い意味でも悪い意味でも目立つので、迷子になる事はないだろうが‥‥‥
「というか、こうもにぎわっていると何かが起きそうなのよねぇ…‥」
「それを言われると、そうなるような予感がするからやめてほ、」
「火事だぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「…‥‥言って早々か」
このタイミングでの、温泉街での事件の声が告げられ、ルースはあきらめたように溜息を吐くのであった。
目的の宿がある温泉街なので、一応被害を抑えるために、水の魔法が使える青色の魔導書、土の魔法を扱える茶色の魔導書の所持者であるエルゼ、スアーンもいるので、火事現場にルースたちは向かって見た。
ぼおおおおおおおおおお!!
盛大に燃えているのは、どうやら古そうな木造建築の一軒家で有り、消火作業が行われていた。
「いそげぇぇ!!水を早く早く!!」
「あらさっささーのえっさらさ!!バケツリレーでどんどんはこべぇぇ!!」
「水魔法を扱えるかたがいたら協力してくれぇぇぇ!!」
消火作業で大忙しのようで、野次馬たちも協力している。
「俺達も消火作業の手伝いをし、」
【火事はどこだぁぁぁぁぁぁぁっスラ!!】
ルースが皆に声をかけようとしたとたん、周囲一帯に大きな声が響き渡った。
「おお!!スラヌルス様が来たようだ!!」
「消火できるぞぉぉぉ!!」
その声の主が分かったのか、野次馬たちから希望の声が聞こえた。
「スラヌルス?」
【あ、そう言えばその名前知っているのじゃ】
心当たりがあるのか、タキがそうつぶやいたとたん、急にあたりが薄暗くなった。
上を見て見れば…‥‥そこには非常に大きな半透明の物体が浮かんでいた。
その物体が降下し、火災現場にのしかかると同時に、丸ごと飲み込んだ。
炎は一瞬にして鎮火し、野次馬たちから歓声が上がった。
「やったぜぇぇぇ!!」
「流石スラヌルス様!!火事を飲んで消火したぞぉお!!」
【ふはははは!!この温泉街の平和は、このスラヌルス様が守ってやるのだぁぁスラ!!】
皆が喜び、火災現場にのしかかっている半透明の物体がそう声を上げる。
「‥‥‥タキ、ヴィーラ、もしかして知り合い?」
【うむ、あやつは割と気が良い奴じゃが、我らと同じ国滅ぼしのモンスターじゃ】
【不定形モンスター代表とも言えル、巨大なスライム…‥‥】
【【『ウルトラスライム』】】
タキとヴィーラの声がそろい、ルースたちはその半透明の巨大物体が何なのか理解した。
その姿はまさしく、巨大なスライムであった‥‥‥‥
「‥‥‥スライムって、ああいうのだっけ?」
「某RPGのやつとは違うの……」
ルースのつぶやきが分かるのは、同じ転生者仲間であるアルミアだけであった。
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