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卒業近いのになぜこうなるので章
296話
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‥‥‥憂いを無くすために、まとめて掃除できるのであれば、そうした方が良い。
そう考えつつ、偽の情報を流してみるとかかる者たちが案外多かった。
それもそうだろう。フェイカーのような組織は既に無くなり、今までそいつらのような奴らを微妙に抑えていた頭の切れる奴らも消え、残っているのは考えなしのようなものばかりなのだから。
自分さえよければいい、他はどうでもいい。その考え方は人によっては良いようにも使えるが、悪容易にも使え、あの場に集まっている者たちは後者の方らしい。
「…‥‥というか、流石にあそこまで集まるとは思わなかったなぁ」
――――ウン、ワザト流シタケド‥‥‥ココマデカカルトハオモワナカッタ。
ルースの言葉に対して、バトは同意するようにうなずく。
現在、グリモワール学園の卒業式、その後の爵位授与、婚姻式等を控える中で、いずれにしても何かをやらかそうと仕掛ける輩が出てくるのは分かっていた。
だからこそ、一網打尽にできるようにバトの妖精部隊などを利用して、本日ここに何もつけず、油断しているルースが現れるという偽情報を流したのだが…‥‥まさか、かなりの数が集まるとは思わなかった。
「掃除し切れていませんでしたわね‥‥‥恥ずかしむべきところでしょうか?」
「こっちにとっても、国の人が混ざっているし‥‥‥情けないなぁ」
確認のために来ている貴族たちを判別するために来てくれたアルミア、レリア達がそうつぶやく。
どうやら王国、帝国のそれぞれの除外すべき貴族たちが集まっているようで、掃除し切れていなかったことに、王女の立場もあった彼女達にとっては恥ずべきことでもあるようだ。
まぁ、そんなことはどうでもいいだろう。もう間もなく、ルースの方に嫁ぐのであって、王族の立場を降りるのだから。
子供の方に王位継承権などがあるかもしれないが…‥‥今は残っている王女としてのそれぞれの立場も考えても、あれらは排すべきものらしい。
「という訳で、頼んできたけど‥‥‥ちょっと賭ける?どの程度持つかな?」
「師匠が来ているのであれば‥‥‥1時間、いえ、30分もかからないでしょう」
「母上であれば、10分ぐらいかな?」
実力行使で一気に殲滅することもできるが、暴れるにしても広範囲の魔法などでは少々周囲が荒れやすし、できるのであれば各個撃破を丁寧に物理でやるのが望ましい。
ゆえに、頼んでおいたのだが…‥‥ああ、どうやら来たようである。
ざわざわと、ルースを狙って来た者たちが騒ぎ始める。
何が起きたのか、分からずに混乱するような悲鳴が聞こえ始め、逃げまどいつつも逃げる場所を既に複合魔法で蔓と土と炎などで防ぎ、もはやここから出ることは叶うまい。
「‥‥‥草食獣の中に、肉食獣を紛れ込ませるような話ってあるけど、あれの場合はどうなんだろうか?」
欲望の肉食獣と言えるような奴らに対して、絶望の肉食獣を放り込んだと言える状況なのだろうか?
「ぎゃあああああ!!なぜだぁぁぁぁぁぁ!!」
「いぇめてくれぇぇやめてくれぇぇぇ!!おれは偉いんだぞぉぉぉ!!」
「そ、そうだ、解放してくれたら金はいくらでもやろう!!望みのままに、ひゃあぎゃああああああ!!」
‥‥‥呼び出しつつ、傍観している立場とは言え、この阿鼻叫喚地獄はすさまじいものに思えてしまう。
先日の大量増殖版も悪夢ではあったが‥‥‥‥ルーレア皇妃、一人だけが突撃しても、十分蹂躙しまくりの悪夢になっていた。
「‥‥‥あの人、お義母さんと呼ばなきゃいけないんだよなぁ」
「母上を恐れるのは分かるけど…‥‥うん、なんか身内の人がすいません」
レリアが謝るが、彼女が謝る事ではない。
そう、今はただ、蹂躙され吹き飛び、粉みじんと化し、何かの武器や魔導書を持ち出して応戦しようとしているけれども全てを防がれ、ぶっとばされていくものたちを見るしかないのだ。
‥‥‥それは、グリモワール学園の卒業式がある前夜。
後世には、『襲撃者蹂躙祭』として記録される、ある意味相手にとっては不幸すぎることが起きていたのであった…‥‥‥
そう考えつつ、偽の情報を流してみるとかかる者たちが案外多かった。
それもそうだろう。フェイカーのような組織は既に無くなり、今までそいつらのような奴らを微妙に抑えていた頭の切れる奴らも消え、残っているのは考えなしのようなものばかりなのだから。
自分さえよければいい、他はどうでもいい。その考え方は人によっては良いようにも使えるが、悪容易にも使え、あの場に集まっている者たちは後者の方らしい。
「…‥‥というか、流石にあそこまで集まるとは思わなかったなぁ」
――――ウン、ワザト流シタケド‥‥‥ココマデカカルトハオモワナカッタ。
ルースの言葉に対して、バトは同意するようにうなずく。
現在、グリモワール学園の卒業式、その後の爵位授与、婚姻式等を控える中で、いずれにしても何かをやらかそうと仕掛ける輩が出てくるのは分かっていた。
だからこそ、一網打尽にできるようにバトの妖精部隊などを利用して、本日ここに何もつけず、油断しているルースが現れるという偽情報を流したのだが…‥‥まさか、かなりの数が集まるとは思わなかった。
「掃除し切れていませんでしたわね‥‥‥恥ずかしむべきところでしょうか?」
「こっちにとっても、国の人が混ざっているし‥‥‥情けないなぁ」
確認のために来ている貴族たちを判別するために来てくれたアルミア、レリア達がそうつぶやく。
どうやら王国、帝国のそれぞれの除外すべき貴族たちが集まっているようで、掃除し切れていなかったことに、王女の立場もあった彼女達にとっては恥ずべきことでもあるようだ。
まぁ、そんなことはどうでもいいだろう。もう間もなく、ルースの方に嫁ぐのであって、王族の立場を降りるのだから。
子供の方に王位継承権などがあるかもしれないが…‥‥今は残っている王女としてのそれぞれの立場も考えても、あれらは排すべきものらしい。
「という訳で、頼んできたけど‥‥‥ちょっと賭ける?どの程度持つかな?」
「師匠が来ているのであれば‥‥‥1時間、いえ、30分もかからないでしょう」
「母上であれば、10分ぐらいかな?」
実力行使で一気に殲滅することもできるが、暴れるにしても広範囲の魔法などでは少々周囲が荒れやすし、できるのであれば各個撃破を丁寧に物理でやるのが望ましい。
ゆえに、頼んでおいたのだが…‥‥ああ、どうやら来たようである。
ざわざわと、ルースを狙って来た者たちが騒ぎ始める。
何が起きたのか、分からずに混乱するような悲鳴が聞こえ始め、逃げまどいつつも逃げる場所を既に複合魔法で蔓と土と炎などで防ぎ、もはやここから出ることは叶うまい。
「‥‥‥草食獣の中に、肉食獣を紛れ込ませるような話ってあるけど、あれの場合はどうなんだろうか?」
欲望の肉食獣と言えるような奴らに対して、絶望の肉食獣を放り込んだと言える状況なのだろうか?
「ぎゃあああああ!!なぜだぁぁぁぁぁぁ!!」
「いぇめてくれぇぇやめてくれぇぇぇ!!おれは偉いんだぞぉぉぉ!!」
「そ、そうだ、解放してくれたら金はいくらでもやろう!!望みのままに、ひゃあぎゃああああああ!!」
‥‥‥呼び出しつつ、傍観している立場とは言え、この阿鼻叫喚地獄はすさまじいものに思えてしまう。
先日の大量増殖版も悪夢ではあったが‥‥‥‥ルーレア皇妃、一人だけが突撃しても、十分蹂躙しまくりの悪夢になっていた。
「‥‥‥あの人、お義母さんと呼ばなきゃいけないんだよなぁ」
「母上を恐れるのは分かるけど…‥‥うん、なんか身内の人がすいません」
レリアが謝るが、彼女が謝る事ではない。
そう、今はただ、蹂躙され吹き飛び、粉みじんと化し、何かの武器や魔導書を持ち出して応戦しようとしているけれども全てを防がれ、ぶっとばされていくものたちを見るしかないのだ。
‥‥‥それは、グリモワール学園の卒業式がある前夜。
後世には、『襲撃者蹂躙祭』として記録される、ある意味相手にとっては不幸すぎることが起きていたのであった…‥‥‥
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