流れる星、どうかお願い

ハル

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番になるまで(3)

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 週に二度どころか毎日のように結弦は美術室に通った。それだけ通い詰めれば誰かに何か言われるか噂になるかもしれないが、三カ月近く経てば目新しいことも慣れていくのと同じように結弦に対しての興味が薄れた。それに加えて、美術室周辺に人の出入りがほとんどなく穴場的な場所だったことも重なったからか、そんなこともなく結弦の週家は前と変わらなかった。

 お昼は別で食べてから美術室に本を持って行くと、よう、と声をかけてきたのは待ち合わせしていた相手である要だった。
『先に来ているの珍しいね。』
『そうか?そういえば、今日は珍しく昼の付き合いがなかったな。』
『お昼食べなかったの?』
 何のこともない結弦は心配になったが、彼は、そうじゃない、と悪い想像を否定した。
『今日は真と本郷が昼休みに呼び出しがあったからな。真は生徒会で本郷はクラブからの呼び出しらしい。俺一人だと他の奴らは誘ってこないんだ。昼は適当に売店でパンでも買って済ませるからな。元々、その方が俺には合っている。』
『そうなんだ。』
 彼は苦笑して説明してくれた。彼の周囲にはいる人は固定しているイメージがあったが、彼の話からは大石と本郷以外とはあまり関係が良くないように思えた。それも気になったが体格が良い要が昼をパンだけで済ませたことも気になったが、結弦がこれ以上踏み込むことはできなかった。この関係を続けるかどうかは要の気持ち次第であり、彼の不興を買うことはこの関係の終わりと同義だったから。結弦はこの時間が大切で長く続けたいので、こういう線引きは必要だった。
『パンはおいしかった?』
『久しぶりに食べたからか新鮮だったな。普段クリームが入ったパンとか食べないから。だが、売店で聞いたらクリームパンが人気No1とか聞いたら買うしかないかと思って食べたらクリームが予想以上に多くて口の中がいまだに甘い。』
 要は困った、とでも言うような口調だった。彼の家庭では甘いパンなど食べる機会はそうそうないだろう。結弦はスーパーとかで偶にご褒美として買うが、彼としては初めて食べたクリームに胃もたれを起こしているのかしれない。
『お水買ってこようか?』
 見たところ要の周りにペットボトルや水筒は見当たらなかったので結弦が提案すると、彼は結弦が持っていた水筒を人差し指で指した。結弦は固まったがすぐにその意図を察して動揺しながら首を左右に振った。
『いやいやいや、これ、僕の水筒だし。今日はもう半分ぐらい飲んでいるんだけど。』
『いいじゃないか。一口ぐらい飲んでも。嫌なのか?』
『え?いや、だから、これはもう僕が・・・・あぁ。』
 結弦が何とか回避しようと言葉を尽くしている間にさっさと要が水筒を奪ってゴクゴクと飲んで喉を潤してしまった。一口って言っていた割に戻って来た水筒は明らかに軽く、その域は明らかに超えていた。結弦は水筒と要を交互に見て、彼が間接キスを気にしないのに結弦は自分だけが気にしているのが馬鹿らしくなる。
(そうだよね。要は別に何とも思っていない。ただの暇つぶしの相手だしな)
 結弦は気を取り直してジトッと見ていると、要は満足そうな笑みを向けてきた。
『おいしかった。これ、カモミールか?』
『うん、気分が落ち着くから。』
『ふうん、確かに。』
 カモミールティーは結弦が小さい頃から好んで飲んでいるお茶だった。麦茶や緑茶も好きだが、母も結弦と同じで紅茶の方が好きでおり、結弦は色んな茶葉を試すことが好きだった。その中で、最終的にカモミールに落ち着いた。それを知った時の母はとても嬉しそうであり、彼女もカモミールが一番好きだったからだ。気分が落ち着く効果があると言われているから結弦は常備するようになった。一度だけ、友明にも勧めてみたが、彼の口には合わず不快な顔をさせてから決して彼には出さなくなった。友明が家に来ていた時は緑茶にしていたが、学校に通う時には水筒にはお気に入りのカモミールを入れていた。
 そんなことがあったから、結弦としては要がそれを気に入ってくれたのは意外だった。同い年ぐらいでカモミールを気に入ったのは彼だけだったので心から嬉しかった。しかし、要と特別な関係になる気は最初から結弦にはないと思っていたが、こんな些細なことで落胆するのはそれが自分にそう言い聞かせていただけだったのだ。そう思うと複雑な気持ちになったが、背を壁にもたれて目をつぶって気持ちよさそうに眠っている要を見るとそれだけで満足しようと結弦は上書きした。そうできるかはわからないが、その努力をしようとした。しかし、結弦は水筒に口をつける気になれないので息を吐いてから本に向かい、その努力が実るまでは時間がかかることを自覚させられた。

 要に気持ちなど伝えることはない。彼との関わりなど結弦と要が高校卒業する二年後には無くなるのだから。しかし、少なくともこの穏やかで少し心が痛くなる時間があと二年は続くと思っていた。相変わらず、母の容体は良くなく医師からは嫌な結果ばかりを聞かされ、学校ではどこかに連れ込まれたりはなくなったが物の紛失や無視といった“オメガ”いじめは絶えなかった。そんな中で、要とのわずかな結弦にとっては夢のようなこの時間があって確かに救われた。この時間があったから結弦は生きていられたと言っても過言ではなかった。そのおかげで、母に暗い顔を見せずに済み、彼女には明るい話題を出して笑ってもらえた。友人ができたことを話したら自分のことのように彼女は喜んでいた。だから、要には結弦が一生かかっても返せない恩があった。

 それなのに、そんな彼を傷つけてしまうなんて思わなかった。何も欲張らなかったのに。

 夏季休暇に入る前日、終業式の日に結弦は担任から終業式後の体育館の片付けを頼まれた。そんなことを言われたのは初めてだったので違和感があったが、結弦に断る権利などないのでそれに従った。クラスメイトで同じ特待生の生徒からは、オメガだから、とクスクスと小声で揶揄されたがいつものことだったのでそこは気にならなかった。放課後、結弦は片づけの為に体育館に向かった。
 体育館に入り周囲を見渡しても誰もいる様子がなかった。担任の間違いかと思い、体育館から出ようとしたところで出入口がバタンと閉まる音がして驚いた。どう考えても外から閉められたのだろう。閉じ込められた恐怖で足がすくんでしまい結弦は動くことができずにいると体育教官室の扉が開いた。その時に香った濃い花の人工的な匂いで誰がいるかは結弦にはすぐにわかった。
『本郷さん。』
 しかし、そこに現れたのは本郷だけではなく彼女の背後に控える数人の見たことがない男たちがいた。制服を着ているので学生ではあるのかもしれないが、体の大きさが結弦の倍ほどにある屈強な男ばかりだった。ニヤついている彼女は袋を見せてきた。その袋に結弦は見覚えがあった。
『僕の抑制剤・・・・どうして。』
 バイト前に公園で弁当でも食べようと思っていたので昼食後に飲む用は鞄に入れていた。その袋に類似していたから結弦には思い当たった。そんなに質が良い薬ではないから袋は簡易的なジッパー袋であり、経済的に余裕があるこの学校の生徒がそんな物を持っているはずがない。その頂点と言っていい地位にいる彼女もそれは同じだった。だから、彼女が結弦の鞄から盗んだことは容易に想像できた。しかし、その意図が結弦に見当はついていたが、彼女がそうした理由がそれかは確信を持てなかった。
『“どうして”、ねえ。本当にわからないの?あなたに発情期になってほしいからよ。』
『え?』
 言われていることを頭が理解するのを拒否しているかのように頭の回転が遅かった。この状況にも頭はまだ追い付いていないのか、恐怖で足がすくんだままそこから一歩も動けなかった。発情期になれば、彼女の背後にいるアルファだろう男子生徒が何をするかなんて決まっているのに、それを心は受け入れたくないようだった。逃げる選択しかない結弦だったがそうできなかった。

 本郷は少しずつ固まっている結弦に近づいてきた。
『だって、あなたに番ができれば、要がこれ以上あなたに構う必要はなくなるでしょ?あなたがオメガのフェロモンで彼を誘惑しているのよ。そうに決まっているの。彼は優しいからオメガであるあなたに同情しているだけ。でも、たとえ一時の感情であってもあなたのような下劣な人に彼が目を向けているのは、たとえ寛容な彼の婚約者である私でも許せないの。相手のいるアルファに手を出すなんて、まるで、体を売る売春婦のよう。だから、私が彼を救ってあげるのよ。あなたに番さえできれば、要はあなたに構う必要なんてなくなって前の私だけに愛を囁いてくれた彼に戻るの。そうでないといけないの。』
 彼女はフフフッと愉しそうに言った。確かに彼女の言うことは結弦の認識と相違なかった。彼らの関係については結弦の知るところではないが、要がオメガであるという一点で結弦を気に掛けているのは本当だったからだ。
 しかし、一点だけ彼女の言葉と行動に返すようで悪いが、結弦は質が悪いといっても抑制剤を最初に発情期が来てからずっと飲み続けているからか、軽く微熱があることはあっても本来の発情期の症状を体験したことが一度もなかった。どれだけ質が悪くても数年欠かさずに飲み続けていれば、病院にかかったことがないので医学的なことは言えないが発情期の症状も軽くなるのかもしれない。
 それから本郷が話を伸ばして時間が経っても全くそれらしき症状を見せない結弦に彼女は徐々に苛立ち背後の男子生徒たちはどういうことだ、と困惑していた。薬を飲む時間は確かにとっくに過ぎているが、これぐらいの誤差は普段でも結弦にはよくあることだったのでこの結果は当然だった。
『な、なんで発情期にならないの!?薬を飲んでいないのに!』
『オメガにも発情期の症状が重い人と軽い人がいるんです。』
 そこで、やっと結弦は適当だがさも当たり前のように結弦は言ってのけた。医師に言わせたら何やら難しい横文字を盛大に使用されて反論されそうだが、今目の前にいる彼らはそういう知識がない人ばかりだった。だからこそ、その結弦の適当な説明を鵜呑みにした彼らがこのまま引いてくれることを祈ったが、本郷はそんなことはしなかった。
『ふっ、それならいいわ。アルファに誘発されれば嫌でもオメガは発情するんだから。ねえ、あなたたちがこのオメガを発情させて番になってみたくない?その方があなたたちもスリルがあって楽しいでしょ?』
 本郷の誘いにアルファの男たちはやる気になった。彼らは舌なめずりをして値踏みするような視線を結弦に一斉に向けた。
『いいね、俺、オメガを発情期にさせるのは初めてなんだ。』
『俺も。いつもはアルファの女ばっかりを親が相手させるからね。それに、発情したオメガはめちゃくちゃクセになるらしいし。』
『ちなみに、これが成功したら本郷家との縁を取り持ってくれるんだろ?』
『ええ、もちろんよ。あなたたちに迷惑はかけないし、私を家族の中で一番可愛がってくれる当主のおじい様に私がお願いすればすぐにあなたたちの願いは叶うわ。』
 本郷の指示に納得したのか、数人の男たちが結弦に襲いかかって来た。逃げようとしたがあっという間に捕まり体育教官室に連れ込まれていくと、そこには仮眠用なのか硬いベッドが一つ用意されていた。それを見て結弦は声をあげようとしたが恐怖で声が上がらなかった。あの数人に連れ込まれた時よりもさらに恐怖が募った。
 結弦の体は震えているのに、男子たちの手は止まらなかった。全員が待ちきれないというように結弦の服を力ずくで破いて上半身も下半身も丸見えの状態になった。その状況でも発情期でもないのに恐怖で力が入らない結弦は抵抗できずに自分が情けなくなった。それに涙がこみ上げるのに、彼らの数本の手に体中を触られていた。結弦は冷や汗と悪寒が止まらず、その気持ち悪さで胃の中には何もないのに口から出たのは胃液だけが吐き出されていた。それを見て、汚い、と言いながらも彼らはそれさえにも愉悦を味わえるのか、笑い声をあげながら行為をドンドン進めて行った。口には男の物を突っ込まれて両方の乳首は引きちぎられると思うぐらいに引っ張られ、下半身の誰もまだ触ったことがない穴には何本もの指が入っていた。吐いているのに突っ込まれてしまい、また吐いての繰り返しだった。結弦はもう何で涙が出ているのかわからなかった。そんな状況なのに発情期にもならないので、結弦にとってこの行為は気持ち良いとはどうしても思えなかった。抵抗なんて止めて発情期にでもなってしまえばいっそ楽なのに、何度そう思ったか自分でもわからなかった。
『じゃあ、挿れるぞ。俺がこのオメガの初めてだー。』
 万事休すかと結弦も諦めて目を閉じた時だった。扉がすごい勢いで開かれたと思ったら、結弦の足を持っていた男がベッドから落ちていた。
『お前たち、良い度胸だな。』
 聞いたことがある声だった。しかし、記憶よりも冷えていた。それが誰であるかわかった瞬間、結弦の心臓が今までにないくらいに跳ね上がった。こんな自分を見られたことに羞恥と恐怖が襲った。しかし、それ以上に冷たい空気が漂ってきて、最初の時のようにまたヒーローのようにタイミング良く現れた彼を結弦は神のようだと思った。そんな気持ちだったからか結弦の体はだんだんと熱がこもっていき体中が熱くなっていた。この動悸と体が溶けることを錯覚させる熱に覚えがあった。その異変に気付くのは周囲の方が早く、近くの男が、発情期だ、と叫ぶと周囲も続いて気づいたのか、結弦の体に再び手を伸ばしてきたがその瞬間何かに怯えた声を出して慌てて部屋から出て行った。
『結弦、責任はとるから。悪い。これ以上は俺も我慢ができない。気持ち悪くないようにするから。許してくれ。』
 要が静かにそう言ったことだけはぼうっとしていた頭でも理解できた。
(要に気持ち悪いなんて思ったことはないよ)
 謝罪する要にそんなことを結弦は言ってあげたかったが、発情期の熱に口を動かすことができなかった。
 ベッドに上がってきた要にキスをされても、やはり、体を触られていた先ほどの男子たちのように気持ち悪くなかった。心地良くてずっと晒されていたい、例えるなら温泉の中のような感覚だった。結弦の中に指を入れて少しだけ慣らした後に彼はすぐに自分の物を結弦の中に入れた。最後まで入った時にうっすらと目を開けて彼を見ると辛そうに目をしかめていた。
(ああ、彼をこんなに苦しませているなんて)
 結弦の体は快感で一杯になっていても心は要に対する罪悪感と痛みと苦しみしかなかった。ごめん、ごめん、と彼にずっと謝りながら彼の熱を体の奥で受け入れて、最後には彼にうなじを噛まれた。こうして番になった要と結弦。誰も望んでいなかった結末になった。

 この時、結弦はこれを公にしなければまだ大丈夫、と思っていたが、そこに残っていたのか教師が走ってやってきてしまった。その場面を見てすぐに察した彼は学校のかかりつけになっている病院、羽水総合病院へと二人を運んだ。幸いにして終業式が終わって時間が経っていたので残っている生徒はほとんどおらず、目撃者は当事者以外にゼロに等しかった。
 当然、要の両親は駆け付け、本来なら結弦の親も来るべきだったのだが“親がいない”ことにして話し合いは彼らの中で行われた。彼の両親は意外にも冷静を装っていたが、教師陣の方は親も来ない結弦に対して怒り心頭だった。羽水さんの人生に汚点を付けた、親もいない孤児同然のお前など羽水さんに近づくことすら恐れ多いというのに、と彼らの言い分は最もだった。要は“責任を取る”と言ってくれたが、この時すでに、結弦はこの話し合いの決着を考えていた。
『僕が羽水君を発情期になって誘いました。薬を持っていたのですが、ちょっと羽水君と話して優しくされて彼を好きになってしまったんです。それで魔が指したんです。でも、まさかここまでうまく行くなんて思いませんでした。オメガ保護法では番になったアルファはオメガに対して責任を負う必要があるんですよね?』
 結弦にこやかに笑って要に手を出した。
『それなら、羽水君。僕を番にしたので僕と結婚してくれませんか?』
『わかった。』
 間を置かず要は即答した。それは意外だったが、彼がその返事を最終的に出すことは結弦の方は予想していた。彼の優しさは何度も見て来たし、彼は自分の言葉を裏切ったりしないから。

 こうして、夏季休暇に入る前、夏の陽射しが強い日、結弦は要と結婚した。結婚といってもただ書類にサインして提出するだけのものであり、何も特別なことをすることはなかった。
 それから、今まで住んだことがないほどの高層マンションでの暮らしが始まり、学校は退学したので主夫として家事全般を担当して過ごした。番になってから以前のような何もなかったのが嘘のように発情期が来るようになってしまい、そのたびに、要は学校を休んでいたが、成績は上位をキープしていたようだった。上位キープしていたことを時々家に来ていた彼の友人たちの話から聞いて結弦はどれだけ安堵したか要は知らないだろう。マンションに住んでから習慣となった彼の幸せをずっと流れ星に願っていた甲斐があった、とその時に結弦は満足し、今後も続けようと思った。結弦と番となり結婚したことが以外で彼が不幸にならないように。母のことを願っても叶うことはなかったが、要の幸せは少しだけでも叶ったのだろう。
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