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2話
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静まった空気はすぐに取っ払われる。
男子にも女子にも担当があるようで、進行のような役割をする人が何となく話をそらして私の言葉をなかったことにする。
いくら、田舎者でもそんな風に扱わなくてもいいんじゃない?
私はただおいしいものを食べてみんなと感情を共感しあいたかっただけなのに。
まったく仲良くなる気はないんだけど。
私は、うーん、と彼らの疑問を不快に思いながら、別の話題、知らないテレビ番組の話で盛り上がっている。
お笑いを見ないので何が面白いのか全く聞いていてもわからない私はタダ飯に来た感覚でランチタイムでお腹も空いていることも便乗して、大皿からさらに取り皿に分ける。私のように田舎から出てきた苦学生にとって最もかかるのはごはん代だ。
「うーん、おいしい。」
もう私はおいしいものにメロメロで全く話に入っていない。
のだが。。
だが、しかし、ここで逃がしてくれるほど無理やり連れてきた隣の女子は甘くないようで、彼女は話している人を見ながら、周囲に見えないようにテーブルの下で肘を使って私の腕をノックする。
忍びみたいな高度な技を使うな。この子。
ちょうど食べようとしていたところなのでタイミングも図られていたのかもしれない。
恐ろしい子。
かわいい顔して結構策士なのかも。
私はそう思いつつ彼女の方を見るが、彼女は顔を話している人、逆端の男子から目が離れないので何を伝えたいのかわからない。ほぼ初対面の人からそんな軽い合図で察するなんて不可能だろう。
これ、私だけじゃないと思う。
私は自分に言い聞かせるように、うんうん、とうなづく。
しかし、よく見ていると、その女子は会話が途切れるたびに横目で私の方を見ていることに気づく。しかし、それでもまだまだ意思は伝わらない。
やっぱり、人間言葉で伝えてもらわないときついよ。
私は肩をすくめて続きを食べようとするのだが、またも食べる瞬間に同じようにつつかれる。
だから、何!?
私は叫びそうになるが、それはできない。場が壊れたらここにいる人たちにどれだけ睨まれてこの後に出てくる料理を味わえなくなる。あと、残すはデザートなのでそれも満喫したら何か文句を言って責任をとってとっとと帰ろうと考えている。
早く終わらないかな。
この空間、食べるものがなくなると結構つらいんだけど。
でも、デザートまで我慢。我慢。
もともと隣の女子の強引さとただ飯につられたのだ。
昔から私の中には
ごはん>人間関係
の法則が根付いているので、そこから考えが抜け出せない。
しかし、ここで予想外にも1人の男子が声をかけてくるではないか。
「南部さん」と名前を呼ばれたのは急だったので驚いてスクッと立ち上がってしまう。
それも話しかけてきたのは今まで話していた人とは別の人で目の前に座っている男子だ。当然、話していた斜め前、私からは一番遠い席で話している人は驚いて話を止めてしまう。
急なアクションに他の人も驚いていてこちらに視線が集中する。それに羞恥心を感じて、静かに椅子に座ると、話していた彼がまた音頭を取ってさらに話し続ける。
「南部さん、急に話しかけてごめん。」
「いえ、別に。」
異性に話しかけられたことは初めてだったのでどうも恥ずかしくなり、いつもの素が出せず顔が熱くなる。
でも、別にこれは恋というものではなくて、異性から話しかけられた恥ずかしさだ。小さな子だと人見知りのように誰かの後ろに隠れることができるが、私は大人の一歩手前で隠れる場所がない代わりに体が反応するのだ。
「南部さんは都内出身じゃないよね?」
さらに話しかけてくる目の前の男子の質問に私は頷いて答える。そんなに続けて声をかけられると思わなかったので首振り人形だ。そして、なぜか隣からの視線が痛い。
さっきまでは話している人ばかりに目がいっていたはずだけど、いつの間にこっちにむかってきたの!?
チョー怖い
私はすでに泣きそうだ。なんだか嫌な予感がするも話しかける人に対して邪険な態度をとるわけにいかない。
ただ、目の前の人に対して悪いけど耳にたくさんピアスついているからか、どれだけ笑顔で話しかけられても威圧感しかない。ウサギがクマに睨まれているみたいな感じだ。私なんて一口だろう。
「南部さんって下の名前なんていうの?」
と、彼はまだ質問攻撃を続ける。それに首振り人形の私はまたも首振ろうとしたら、それにはイエスかノーで答えられるものじゃなかったことに気づいたが、勢いで首を縦に振ってしまう。
それに彼は思い通りにいったからか、大声で笑いだすとお腹まで抱えてしまう。
何事!?
そんなに面白かった??
都会人のツボがわかんないよ。
私は首をひねり、大笑いしている彼以外は彼を見て驚愕している。すでに話は止まっていて彼のヒーヒーと息遣いのみが聞こえる。
「いや、ごめん。続けて。こっちは気にしないで。なんだったら、俺は南部さんと抜けるから。」
と、目から涙が出ているのか彼はそれを拭って言う。
その反応もわからないが、彼の発言はまさに目から鱗だ。
なんか、とんでもない発言が聞こえたような気がするんだけど。
そして、どんどん隣からの針が痛くなっている。体の中心まで刺さっちゃうんじゃないの!?
どうしたらいいのかな??
初体験のことばかりで私はもう混乱状態であり、どうしていいかわからなくなる。ただ、それは顔には出ない。
田舎で幼いころからの教育のたまものだろう。簡単に大きな表情をするな、というね。
私は幼いころの厳しい訓練の日々を思い出す。
「誠也、それはだめだろう。せめて、これが終わるまで待てよ。あと30分だから。」
「幹也君の言う通りだよ、誠也君。せっかく、美香も来てくれたんだし、その子より幼馴染の美香と話したほうがよくない?」
「そうそう、美香ちゃんはお前が参加するって聞いたから参加してくれたんだ。大勢は緊張するんだってさ。」
目の前の男子、誠也君という人は隣の女子、美香さんの幼馴染。
そして、それも含めて先ほどから話しているムードメーカーだろう幹也君と彼の向かいに座る同じ役割の女子が誠也君を説得している。彼らには別の目的がありそうだが、そこは突っ込まないのが人数合わせ役の鉄則だ。
いや、それはすでに破綻しているかも。
おそらく、今日の主役は隣に座る美香さんと目の前に座る誠也君であり、
他のメンバーの視線的に。目立ってしまったから人数合わせの役割を果たせない。
そのうえ、最後の発言はほぼ初対面の私が言うのもあれだが、確実に誤りであり、テストで回答したなら、確実に×がつく。
私は黙ったまま成り行きを見守っていると誠也君は呆れた様子で美香さんの方を見る。
「美香、お前も大学生になったんだから俺みたいな保護者をいつまでもあてにするな。そんなことをしていたら、今後1人で歩けなくなるぞ。いつまでも俺やお前の兄がサポートできるわけでもないんだから。」
と、彼は冷たく言う。
その瞬間、彼の温度が室温を変えるように一気に冷え込み、私は両手で腕をさする。
えっと、ここって合コンだよね?
なんで急にこんな冷めたムードになっているの?
しかも、なぜか2人以外からすっごい今にも呪われそうな怖い形相で睨まれているんだけど。
その視線に負けて私は席を立つ。
「えっと、なんか邪魔みたいなので私は席を外しますね。お手洗いに行ったら戻ってきますよ。」
と言っていったん退散する。
あんな場所には一秒たりともいたくはないし、あのままいたら、私は確実に凍傷になる。
お手洗いに行くと言った以上、用はなかったが私はちゃんとお手洗いに行き鏡を見れば、予想以上に顔が赤くなっているので驚く。もう恒常性なのか異性である誠也君に声をかけられてからずっと顔が熱くなっていたので慣れてしまい気づかなかったのだ。表情は出さないが色までは抑えられないようだ。
「うーん、ちょっと熱を冷まそうかな。」
私はちょっと遠回りをして会場に向かう。
その途中で、美香さんと鉢合わせする。
うわ、こんなタイミングで普通遭う!?
私は目の前の少し目を潤ませて庇護欲をそそる見た目の美香さんに何かがついているんじゃないの?
と疑ってみてしまうが、そんな霊感はあるわけないので逸れて彼女の前を開ける。
それなのに、彼女は私を追いかけてくる。なるべく目を合わせないようにしていたのだがやってくるので、つい彼女の顔を見てしまう。彼女は泣きそうになっているが、同時に唇をかんで悔しげに見える。
「おしゃれじゃないから安心していたのに。なんであんたみたいな見た目の人が誠也に選ばれるの?さっき話しかけられただけで顔を赤くしていたけど、好きにならないでよね。誠也はあんたみたいなタイプは放っておけないだけなんだから。」
と叫んで廊下を走っていく。
えっと、勘違いされた??
そして、複雑な人間関係に組みこまれた??
ブルルルッ
嫌な悪寒に体が震える。
「戻るの憂鬱。」
私の足は重くなる。
おもりが赤ん坊1個分はついているだろう。
男子にも女子にも担当があるようで、進行のような役割をする人が何となく話をそらして私の言葉をなかったことにする。
いくら、田舎者でもそんな風に扱わなくてもいいんじゃない?
私はただおいしいものを食べてみんなと感情を共感しあいたかっただけなのに。
まったく仲良くなる気はないんだけど。
私は、うーん、と彼らの疑問を不快に思いながら、別の話題、知らないテレビ番組の話で盛り上がっている。
お笑いを見ないので何が面白いのか全く聞いていてもわからない私はタダ飯に来た感覚でランチタイムでお腹も空いていることも便乗して、大皿からさらに取り皿に分ける。私のように田舎から出てきた苦学生にとって最もかかるのはごはん代だ。
「うーん、おいしい。」
もう私はおいしいものにメロメロで全く話に入っていない。
のだが。。
だが、しかし、ここで逃がしてくれるほど無理やり連れてきた隣の女子は甘くないようで、彼女は話している人を見ながら、周囲に見えないようにテーブルの下で肘を使って私の腕をノックする。
忍びみたいな高度な技を使うな。この子。
ちょうど食べようとしていたところなのでタイミングも図られていたのかもしれない。
恐ろしい子。
かわいい顔して結構策士なのかも。
私はそう思いつつ彼女の方を見るが、彼女は顔を話している人、逆端の男子から目が離れないので何を伝えたいのかわからない。ほぼ初対面の人からそんな軽い合図で察するなんて不可能だろう。
これ、私だけじゃないと思う。
私は自分に言い聞かせるように、うんうん、とうなづく。
しかし、よく見ていると、その女子は会話が途切れるたびに横目で私の方を見ていることに気づく。しかし、それでもまだまだ意思は伝わらない。
やっぱり、人間言葉で伝えてもらわないときついよ。
私は肩をすくめて続きを食べようとするのだが、またも食べる瞬間に同じようにつつかれる。
だから、何!?
私は叫びそうになるが、それはできない。場が壊れたらここにいる人たちにどれだけ睨まれてこの後に出てくる料理を味わえなくなる。あと、残すはデザートなのでそれも満喫したら何か文句を言って責任をとってとっとと帰ろうと考えている。
早く終わらないかな。
この空間、食べるものがなくなると結構つらいんだけど。
でも、デザートまで我慢。我慢。
もともと隣の女子の強引さとただ飯につられたのだ。
昔から私の中には
ごはん>人間関係
の法則が根付いているので、そこから考えが抜け出せない。
しかし、ここで予想外にも1人の男子が声をかけてくるではないか。
「南部さん」と名前を呼ばれたのは急だったので驚いてスクッと立ち上がってしまう。
それも話しかけてきたのは今まで話していた人とは別の人で目の前に座っている男子だ。当然、話していた斜め前、私からは一番遠い席で話している人は驚いて話を止めてしまう。
急なアクションに他の人も驚いていてこちらに視線が集中する。それに羞恥心を感じて、静かに椅子に座ると、話していた彼がまた音頭を取ってさらに話し続ける。
「南部さん、急に話しかけてごめん。」
「いえ、別に。」
異性に話しかけられたことは初めてだったのでどうも恥ずかしくなり、いつもの素が出せず顔が熱くなる。
でも、別にこれは恋というものではなくて、異性から話しかけられた恥ずかしさだ。小さな子だと人見知りのように誰かの後ろに隠れることができるが、私は大人の一歩手前で隠れる場所がない代わりに体が反応するのだ。
「南部さんは都内出身じゃないよね?」
さらに話しかけてくる目の前の男子の質問に私は頷いて答える。そんなに続けて声をかけられると思わなかったので首振り人形だ。そして、なぜか隣からの視線が痛い。
さっきまでは話している人ばかりに目がいっていたはずだけど、いつの間にこっちにむかってきたの!?
チョー怖い
私はすでに泣きそうだ。なんだか嫌な予感がするも話しかける人に対して邪険な態度をとるわけにいかない。
ただ、目の前の人に対して悪いけど耳にたくさんピアスついているからか、どれだけ笑顔で話しかけられても威圧感しかない。ウサギがクマに睨まれているみたいな感じだ。私なんて一口だろう。
「南部さんって下の名前なんていうの?」
と、彼はまだ質問攻撃を続ける。それに首振り人形の私はまたも首振ろうとしたら、それにはイエスかノーで答えられるものじゃなかったことに気づいたが、勢いで首を縦に振ってしまう。
それに彼は思い通りにいったからか、大声で笑いだすとお腹まで抱えてしまう。
何事!?
そんなに面白かった??
都会人のツボがわかんないよ。
私は首をひねり、大笑いしている彼以外は彼を見て驚愕している。すでに話は止まっていて彼のヒーヒーと息遣いのみが聞こえる。
「いや、ごめん。続けて。こっちは気にしないで。なんだったら、俺は南部さんと抜けるから。」
と、目から涙が出ているのか彼はそれを拭って言う。
その反応もわからないが、彼の発言はまさに目から鱗だ。
なんか、とんでもない発言が聞こえたような気がするんだけど。
そして、どんどん隣からの針が痛くなっている。体の中心まで刺さっちゃうんじゃないの!?
どうしたらいいのかな??
初体験のことばかりで私はもう混乱状態であり、どうしていいかわからなくなる。ただ、それは顔には出ない。
田舎で幼いころからの教育のたまものだろう。簡単に大きな表情をするな、というね。
私は幼いころの厳しい訓練の日々を思い出す。
「誠也、それはだめだろう。せめて、これが終わるまで待てよ。あと30分だから。」
「幹也君の言う通りだよ、誠也君。せっかく、美香も来てくれたんだし、その子より幼馴染の美香と話したほうがよくない?」
「そうそう、美香ちゃんはお前が参加するって聞いたから参加してくれたんだ。大勢は緊張するんだってさ。」
目の前の男子、誠也君という人は隣の女子、美香さんの幼馴染。
そして、それも含めて先ほどから話しているムードメーカーだろう幹也君と彼の向かいに座る同じ役割の女子が誠也君を説得している。彼らには別の目的がありそうだが、そこは突っ込まないのが人数合わせ役の鉄則だ。
いや、それはすでに破綻しているかも。
おそらく、今日の主役は隣に座る美香さんと目の前に座る誠也君であり、
他のメンバーの視線的に。目立ってしまったから人数合わせの役割を果たせない。
そのうえ、最後の発言はほぼ初対面の私が言うのもあれだが、確実に誤りであり、テストで回答したなら、確実に×がつく。
私は黙ったまま成り行きを見守っていると誠也君は呆れた様子で美香さんの方を見る。
「美香、お前も大学生になったんだから俺みたいな保護者をいつまでもあてにするな。そんなことをしていたら、今後1人で歩けなくなるぞ。いつまでも俺やお前の兄がサポートできるわけでもないんだから。」
と、彼は冷たく言う。
その瞬間、彼の温度が室温を変えるように一気に冷え込み、私は両手で腕をさする。
えっと、ここって合コンだよね?
なんで急にこんな冷めたムードになっているの?
しかも、なぜか2人以外からすっごい今にも呪われそうな怖い形相で睨まれているんだけど。
その視線に負けて私は席を立つ。
「えっと、なんか邪魔みたいなので私は席を外しますね。お手洗いに行ったら戻ってきますよ。」
と言っていったん退散する。
あんな場所には一秒たりともいたくはないし、あのままいたら、私は確実に凍傷になる。
お手洗いに行くと言った以上、用はなかったが私はちゃんとお手洗いに行き鏡を見れば、予想以上に顔が赤くなっているので驚く。もう恒常性なのか異性である誠也君に声をかけられてからずっと顔が熱くなっていたので慣れてしまい気づかなかったのだ。表情は出さないが色までは抑えられないようだ。
「うーん、ちょっと熱を冷まそうかな。」
私はちょっと遠回りをして会場に向かう。
その途中で、美香さんと鉢合わせする。
うわ、こんなタイミングで普通遭う!?
私は目の前の少し目を潤ませて庇護欲をそそる見た目の美香さんに何かがついているんじゃないの?
と疑ってみてしまうが、そんな霊感はあるわけないので逸れて彼女の前を開ける。
それなのに、彼女は私を追いかけてくる。なるべく目を合わせないようにしていたのだがやってくるので、つい彼女の顔を見てしまう。彼女は泣きそうになっているが、同時に唇をかんで悔しげに見える。
「おしゃれじゃないから安心していたのに。なんであんたみたいな見た目の人が誠也に選ばれるの?さっき話しかけられただけで顔を赤くしていたけど、好きにならないでよね。誠也はあんたみたいなタイプは放っておけないだけなんだから。」
と叫んで廊下を走っていく。
えっと、勘違いされた??
そして、複雑な人間関係に組みこまれた??
ブルルルッ
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