ヒロインちゃんがんばる!

名無色

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イベントが発生しない……?(悪役令嬢視点)

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間に合わなかった!と廊下を曲がったところから様子を伺う。

本来であればフィリアが新しい靴に慣れず、躓いて転んで怪我をするイベントがあったはずなのに。

フィリアは魔力が高く特別にこのフロロフィアに通うことになったが、本来貴族以外の魔力量はとても低い。

多い人でも、得意属性の中級魔法を使えるかどうかというレベルだ。
そのため力を持つ者が上に立ち、導く、そうやってこの国は成り立っている。

基本的に自身の魔力に頼るというより、魔力を溜め込んだ魔石と呼ばれる鉱石などを使い、魔法具や魔法薬といったアイテムが普及している世界だ。

だから、フィリアにとって初めて上位の回復魔法を目にするイベントになる、はずだった。
盛大に転んで血を流す彼女に、シリカが呆れながら回復魔法を使い、跡を残すことなく一瞬にして傷を消してしまうのだ。

彼女はその出来事に感動し、自分もそんなすごい魔法を使っていろんな人を助けたい、そう考えるきっかけになるイベント。

私はそのタイミングで颯爽と現れ、シリカに変わって彼女を治療しようと考えていた。

フィリアは優しくされる事に弱く、恩を忘れないタイプで、そのイベントだとそれ以降シリカのお手伝いを積極的に引き受けたりする。

シリカルートに入るには共通ルートでちょくちょく入るそのお手伝いの時の選択肢で好感度を上げていき、その流れでいける。

もしその治療したのが私であれば、結構簡単にいけるんじゃ…と軽く考えていた。

これが……乙女ゲームとしての修正力?というのだろうか。
シャーロットをヒロインの悪役にするためになのか、フィリアは躓いたものの転ぶことはなかった。

その事に驚き、固まり、慌てて追いかけた頃にはジュリアスとの出会いイベントが発生している。

離れていてよく聞こえないが、風属性の魔法を使ってこっそりと会話をここまで届ける。

「こいつが例の“色持ち”だ。お前なら何かあっても大丈夫だろ。」
「……これは驚いた。報告は受けてましたけど、まさか“色持ち”が生きているうちに本物に会えるとは。」

色持ち、数百年くらいの感覚で現れる不思議な色の瞳を持つ者のこと。

夢鍵のヒロインの瞳がそれだ、あのオパールのような光の加減で色の変わる不思議な瞳。

フィリアが攻略対象達、身分の高い者達から注目されるきっかけになるのもそれのせいだ。

そしてそんなすごい、伝説にもなるような瞳を持つ人なのに、誰にでも優しいと心を惹かれる。

…………そういえばシャーロットも惹かれてしまっているような描写あった気がする。

けれどそれを認めたくなくて、命を狙う、みたいな。

うーん、複雑なところね。

「本物かどうかはまだ決まっていない。それの確認もついでにしてこい。」
「………それは先生は偽物だと疑っているということですか?」
「………フィリア。」
「………へ?」

あ、そうだ、この時フィリアはジュリアスに見惚れていて、その間にどんどん話が流れていってた。
それでまずは挨拶しなきゃ!そしてこのキラキラした人の名前を聞かなきゃ!となって……。

「あ、私はフィリア・フェルノって言います!よろしくお願いしますね!先輩!」
「…………うん、よろしくね?」

………そう、身分の高いの人に低い人から声を掛けてはいけないというルールを破るんだ。

ジュリアスは驚いて苦笑いを浮かべているが、その元気の良さに好感を持ったのか、はたまたあの可愛い顔にやられたのか注意しない。

あー!ほら、たまたま通りがかった女子生徒の顔がすごい事になってるから!

というかあの生徒達ジュリアスのファンよね??このままだとフィリアはもちろん一緒にいるジュリアとシリカの評判も悪くなってしまう!

そう考えると自然と足が彼女達の方に向かう。

なんて言おう、なんていうのが一番シャーロットが生き残れる……?

名指ししていうのも危険だろうし、直接言うのも私が威圧してると思われかねない。

落ち着いて、そう、落ち着いて、通り掛かりに軽く助言すればいいのよ!

「あら?常識のない方が紛れ込んでいるみたいだわ。」

そうじゃないでしょシャーロット!!??

考えに考えた結果口から出た言葉は確実にフィリアを馬鹿にしたような発言になってしまった。

心なしかシリカ先生の眉間のシワが深くなったし、ジュリアスはもう少し気を使おうよと思うくらいに睨んでくる。

フィリアは………うん、あまりよくわかってないのかぽかんとしてる。

これなら、まだフィリアと仲良くなれるチャンスはあるはず!!よね!?
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